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国交省、「200年住める」住宅促進
税の優遇措置適用も
国土交通省は、耐久性や耐震性に優れ、何世代にもわたって住み続けられる「200年住宅(長期優良住宅)」の普及促進策を本格化させる。
今通常国会に「長期優良住宅の普及の促進に関する法律案(仮称)」を提出し、建て替え負担や廃材による環境破壊の軽減を図る。国交省は2008年秋の施行を目指し、施行後3〜4年で10万戸強の普及を見込む。
日本の戸建てやマンションなどは、建築から取り壊しまでの平均期間が約30年とされ、米国の55年、英国の77年に比べて短い。200年住宅は、高品質の戸建てやマンションを建築し、維持・補修を制度化することで資産価値を長期間保たせる構想だ。
具体的には、200年住宅を新築する者が、地方自治体に「長期優良住宅建築等計画」を申請する。国土交通相が定める基準を満たしていれば、「200年住宅」として認定され、税制上の優遇措置などを適用する仕組みだ。
また、5年に1回程度の点検を課し、その記録を「住宅履歴書」として保存・管理することを義務づける。これにより、中古住宅市場の活性化も見込める。違反した場合は認定を取り消す。
認定基準は、〈1〉数世代にわたって使用できる耐久性のある構造躯体(くたい)を持つ〈2〉大地震後も必要な補修で継続使用できる〈3〉耐用年数の短い内装・設備は点検、補修が容易にできる〈4〉居住者のライフスタイルの変化に応じて間取り変更ができる――などとする方針だ。
例えば、一戸建てでは、基礎部分を地面から高くし、風通しを良くして耐久性を高めたり、マンションの共用配管を廊下などに配し、修繕を容易にするなどの必要がある。
住宅の寿命を延ばそうとすると、最初の建築コストが2割ほど高くなる。このため、税制の優遇措置を適用する。施行日から10年3月末までに完成した新築物件を対象に、一戸建ては築後5年間(通常3年間)、マンションは7年間(同5年間)、固定資産税を半減する。不動産取得税は、住宅の課税標準から1300万円(現行1200万円)まで控除する。
住宅市場は昨年6月施行の改正建築基準法の影響などで低迷している。住宅業界は、市場の風向きを変えるきっかけとして200年住宅に期待を寄せる。反面、住宅寿命が延びるほど、新規需要が減る懸念がある。
また、消費者の意識が向上し、「良質な住宅を供給できないメーカーが淘汰(とうた)されていく」(地方の中小住宅メーカー)可能性もある。
ニッセイ基礎研究所の篠原二三夫・土地住宅政策室長は、「住宅メーカーは、新築だけでなく、リフォーム事業を強化するなど収益構造の転換を迫られる。中長期的には業界再編につながる可能性もある」と指摘している。(香取直武)
(2008年1月21日 読売新聞)より転載
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