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減築 日当たり良く、耐震性も向上
不要な部屋除き 家も身軽に

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2階の一部をリフォーム で取り除いた尾登さん宅
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平屋にした部分に移した居間は、屋根の天窓や 隣接する中庭から光が差し込んで明るくなった

 住まいを広げる「増築」とは逆に、不要な部屋を取り除くリフォーム「減築」が注目されている。子どもが独立して夫婦二人だけになるなど、部屋数の余る世帯が多くなってきたためだ。耐震性や日当たりを向上させるなどの利点も少なくない。団塊の世代を中心に、身軽でシンプルな暮らしを望む人が増えたことも背景にある。

 神奈川県松田町の会社役員尾登立世(おのぼりたつよ)さん(54)は2年前、木造2階建ての自宅を「減築」した。子ども2人が独立して夫婦だけとなり、部屋数が多くなったからだ。2階の4部屋のうち2室を取り除いたほか、1階の一部を取り壊して中庭にした。延べ床面積は177平方メートルから138平方メートルに減った。

 居間は屋根に設けた天窓や隣接する中庭から光が入り、明るくなったという。居間や台所を移すリフォームも含め、費用は総額1000万円以上かかったが、妻の幸子さん(55)は「耐震の面でも安心できる住まいになりました」と話す。

 これまでも住宅の一部を取り壊す改築は行われてきたが、減築という言葉が使われるようになったのは最近。部屋数や床面積を減らして住環境の改善を図るリフォームを指す。〈1〉風通しや日当たりが良くなる〈2〉平屋にすれば総重量が減り耐震性が向上する〈3〉補修費や固定資産税を低減できる〈4〉冷暖房費を削減できる〈5〉掃除が楽になる――など様々なメリットも期待できる。


 総務省の「住宅・土地統計調査」(2003年)によると、高齢者世帯の場合、一人暮らしでは平均で4・36室、夫婦のみの場合は5・47室と、世帯当たりの部屋数は多い。三井のリフォーム住生活研究所(東京)が昨年12月に全国の30〜60歳代の男女を対象に行った調査(回答数480)では、「10年後に居住面積を減らしたい」と答えた人は9%、「10年後に部屋数を減らしたい」は14%だった。

 同研究所所長の西田恭子さんは「団塊の世代を中心に、なるべく身軽に暮らしたいと思う人が増え、住まいにもコンパクトさを求めるようになっています。減築という考え方が浸透すれば、選択する人も増えてくるのでは」と指摘する。

 独立行政法人・都市再生機構(横浜市)は、東京都西東京市、東久留米市にまたがる「ひばりが丘団地」で減築の実証試験を今夏から始める。1棟(24戸)の4階部分を取り除き、3階建てにする計画。同機構では「荷重が減るため耐震性が高まる、昇降の負担が減るなどのメリットが考えられる」としている。大阪府堺市の団地でも同様の計画がある。

 明海大学教授の石塚義高さんは「これまで建物は使い勝手が悪くなると、取り壊したり建て替えたりしたが、費用もかかり資源も多く使う。減築は住宅だけでなく、様々な建物で選択肢の一つになるのでは」と話している。
(2008年3月27日 読売新聞)より転載

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