|
カキ殻しっくいで空気清浄…海の廃棄物、有効利用へ
カキ殻(手前)とカキ殻を材料にしたしっくいの見本
海産物が豊富な三陸沿岸では、カキやウニの殻などが山積みされている光景をよく目にする。漁業に伴って生じるこうした不要物は、廃棄物として処分されてきたが、ユニークな発想で有効利用が進みつつある。
◆カキ殻でしっくい◆
大船渡市赤崎町の「菊池技研コンサルタント」の応接室。喫煙室として数か月間使っていたというが、たばこを吸わない私でも、においが気になることもなく、壁の黄ばみもない。
「壁のしっくいに使われている、カキ殻に秘密があるんです」。設計業務や測量などを手がける同社の菊池喜清会長(74)が教えてくれた。
同社は5年前から、岩手大と共同でカキ殻入りのしっくいの商品開発に取り組む。カキ殻には無数の微細な穴があり、その穴が物質を吸着する性質がある。同社はその性質に目を付け、カキ殻を混ぜることで空気清浄効果があるしっくいを作った。
さらに、化学物質の分解作用がある酸化チタンを加えることで、カキ殻の穴がにおい成分で目詰まりすることを防ぎ、効果を長期間持続させることも可能にした。現在は、市内の一般住宅でもテストを重ねる。
県の試算によると、県内で発生するカキ殻は年間約7000トン。そのうち5000トンが、大船渡湾や広田湾がある気仙地方に集中している。
菊池会長は「カキ殻入りのしっくいを実用化できれば、大量のカキ殻を消費することが出来る。漁業者にも消費者にも優しい製品にしたい」と意気込む。
読売新聞より転載
|