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家庭用燃料電池 ガス・石油会社がタッグ
エコでお得でも1台300万円 発売は5月以降
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東京ガスと新日本石油などエネルギー大手がタッグを組み、統一ブランドの家庭用燃料電池「エネファーム」を5月以降に発売する。家庭用燃料電池の本格販売は、国内では初めて。電力や熱を供給する際に発生する二酸化炭素(CO2)が火力発電などよりも少なく、電気やガスの料金負担も軽減される。だが、300万円を超える機器の設置費用が、普及の足かせになる懸念も出ている。
■環境負荷
家庭用燃料電池は、都市ガスや灯油などから取り出した水素と、空気中の酸素を反応させて発電する。発電の際に発生する熱を直接、給湯や暖房などに利用するコージェネレーション(熱電併給)システムだ。
エネルギーの利用効率が高く、CO2の排出量は、火力発電と従来型のガス給湯器を併用する場合よりも30〜40%少ない。
家庭用の熱源は主に、ガス業界と石油業界が供給していた。だが最近は、電力会社がオール電化住宅の営業を積極化させ、従来のすみ分けが崩れつつある。家庭用燃料電池は、灯油や都市ガスなどを燃料に使う複数のタイプがあるため、ライバル関係にある石油とガスが、「対電力」で手を握った。
■普及の課題
家庭用燃料電池は1台300万円を超える価格の高さが、普及の障害になりかねない。電気とガスの料金負担は合計で年間5万〜6万円安くなるが、国が来年度から拠出予定の補助金(上限140万円)を利用しても、初期投資の回収には20年以上かかる計算だ。
一方、電力会社がオール電化住宅を中心に普及を進める省エネ給湯器「エコキュート」の価格は50万円程度。電力業界は、「(初期投資も含めれば)エコキュートの方が経済的」(幹部)と余裕の表情だ。
新日石なども「エネファームの普及には、価格を50万〜60万円に抑える必要がある」と認識しており、今後は、部品の見直しなどで大幅な値下げを目指す。2030年の累計販売目標250万台に向け、初年度の販売動向が注目される。
(2009年3月5日 読売新聞)より転載
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