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IHヒーター 火の用心
使い方誤り 事故増加
火を使わずに調理できると人気のIH(電磁誘導加熱)クッキングヒーター。しかし、専用の鍋を使わないなど誤った使い方による火災も増えている。「便利で安全」と過信せず、正しく使いこなしたい。(経済部 武石将弘)
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IHクッキングヒーターは、磁力で鍋を発熱させる。ガスや火を使わないため、ガス中毒の心配もなく、安全性は高いとされる。また、熱効率も高く、光熱費を節約できる点も人気の理由だ。2008年の国内の出荷台数は88万4000台と、10年間で約10倍に増加した。
ただ、急速な普及と同時に、誤った使用による火災も増えている。経済産業省によると、07年5月からの2年間で23件の火災の報告があり、うち約9割が「人的ミス」によるものだという。
人的ミスの内容は、〈1〉IH用の鍋を使用していない〈2〉調理に使う油量が少ない〈3〉モード操作を誤る〈4〉その場を離れる――に大別される。
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最も注意しなければならないのは調理に使う鍋の選択だ。IHでは、底が平らな専用の鍋を使わなければならない。ガスコンロで使うような鍋底が丸いものやくぼみがあるものだと、プレートとの間にすき間ができてしまう。すると、内蔵の温度センサーが実際より温度を低くとらえ、設定した温度以上に加熱することがある。これが天ぷら油への引火など、思わぬ火災の原因となっているという。
店頭で売られているIH専用の鍋には、それを示すシールが張られている場合が多いため、買う際の手がかりにしよう。
また、節約のためなどで鍋に入れる油を通常より少なくすると、油の温度が数分で発火点(約360度)まで達してしまい、周りのものに引火する恐れもある。
一方、揚げ物などを高温モードのままで調理した場合、同様に加熱し過ぎてしまう危険がある。調理に合ったモードをきちんと確認することが大切だ。
経産省は、こうした事故を防ぐため、主婦などを対象にしたセミナーで適正な使用を呼びかけているほか、メーカー側もイラストをつけた取り扱い説明書を作成するなど、啓発に努めている。
(2009年6月30日 読売新聞)より転載
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