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がん検診目標、受診率50%「可能」4県のみ…読売調査
国が6月に閣議決定したがん対策推進基本計画の個別目標である「5年以内にがん検診受診率50%」の実現について、43都道府県が困難か不明と考えていることが、読売新聞社の全国調査でわかった。
がん検診を実施する市町村の深刻な財政難、住民の関心の低さに加え、来年度から始まるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防を強化する特定健診制度が市町村のがん検診事業を圧迫しているためで、がん検診が厳しい状況に置かれている実態が浮き彫りになった。
調査は、今年9〜10月、市町村のがん検診を指導管理する全都道府県を対象に、検診などの現状を尋ねた。厚生労働省によると、2005年の市町村のがん検診の受診率は、12・4〜22・3%と低迷しているが、今回の調査の結果、50%の受診率達成が「可能」としたのは宮城、茨城、埼玉、福井の4県。山形など7県は「難しい」と回答した。残る36都道府県は「わからない」と答えたが、その中には「(県の)普及啓発だけでは既に限界」(山口)など、現状では難しいという回答が目立った。
受診率向上を阻む障害(複数回答可)について、「市町村の財政難」を挙げたのが42都道府県と最も多く、「住民の関心の薄さ」の34道府県、検診の対象者数や受診率など「基本データの不足」の33都府県を上回った。こうした状況に加え、「特定健診による市町村業務の負担増」を32都道府県が挙げた。「がん検診が、(国の財政支援がない)市町村の努力義務では不安定」(長崎)といった声も目立った。こうした事情を反映し、年度末までに都道府県が独自に策定する「がん対策推進計画」で、調査時に受診率50%を上回る高い目標を盛り込む予定としたのは宮城、兵庫にとどまる。
がん検診は、国の事業として1982年に始まったが、98年から市町村事業となり、地方交付税などで賄われている。国の指針に基づき実施されているが、来年4月施行の改正健康増進法では、市町村の努力義務に規定される。一方、特定健診は、法的に義務付けられ、国が事業費の3分の1を助成、来年度の概算要求予算として571億円が盛り込まれている。
(2007年11月19日3時0分 読売新聞)より転載
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