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食事バランスガイド “脱メタボ”商品化続々
12月18日15時59分配信 産経新聞
■弁当、居酒屋、DSソフトにも
何をどれだけ? 望ましい食事のとり方をコマ型のイラストで示した「食事バランスガイド」を活用した商品やプロモーションが目立ってきた。生活習慣病増加などを背景に厚生労働省と農林水産省が策定した指針で、食糧自給率向上も視野に菜食中心の日本型食生活が提案されている。国民的関心事のメタボ(メタボリックシンドローム)対策としても注目。駅や居酒屋、コンビニ、ゲーム売り場…さまざまな場所で食事バランスのコマが回されている。(重松明子)
「あなた想いの食事バランス幕之内」(1000円)。10月に発売された駅弁は名前も形状もそのまんま。コマ型の箱にごはんやおかずが盛り付けられている。野菜中心、肉控えめでやや薄味。ガッツリ感には欠けるがJR東京駅だけで1日平均230個も出る。「1日200個売れればヒットとされる駅弁売り場で大健闘。忙しさにかまけ、健康的な食生活が実行できないサラリーマンが、食事を見直すきっかけになれば」と、日本レストランエンタプライズの近藤昌昭広報室長。
同社が「夕刊フジ」とタイアップしている「夕刊フジ特選おつまみ弁当」(1000円)も11月に食事バランスガイド版にリニューアル。東京駅で1日平均350個販売と大ヒット中だ。
つまみはもともと読者投票で選ばれたもの。人気の板わさ、砂肝、煮玉子は残し、野菜の煮物やあえもの、スモークチーズを加えた結果、バランスだけでなく売り上げもアップした。「紙面でもメタボ対策記事を展開、サラリーマンの健康への関心の高まりを感じる。ビールのお供にもヘルシーさが求められてきた」と担当の夕刊フジ営業局・千葉誠さんは話す。
健康のため1日に5皿分(350グラム)以上の野菜摂取を呼びかけている有限責任中間法人ファイブ・ア・デイ協会では、食事バランスガイドの普及啓発活動を展開。11月下旬、中年男性をターゲットに居酒屋でプロモーションを行った。「飲んでいる席なのに8割以上がアンケートに答えてくれました」と運営事務局で日本食糧新聞社の高木直子さん。
男性特有の反応として、「それが体にいいって根拠は?」というツッコミのほか、厚労省と農水省の…という説明に、「何で(問題の)役所に食べ方まで決められなくちゃいけないんだ」という反発も。「主婦向けの啓発活動ではお墨付きと安心されるのに…2日目から省庁名は伏せました(笑)。でも男性の関心は意外なほど高い。夜の食事は1日の食事バランスを調整する絶好の機会。野菜系のつまみが豊富な居酒屋で、ガイドをメニュー選びの参考にしてほしい」と高木さん。
実施店のひとつ、東京の「ひもの屋」浅草すしや通り店では、推奨メニュー「焼き野菜」(140〜480円)の売り上げが3割もアップ。「説明を聞いてすぐに注文される方もいました。メニューやチラシ配布は続けます」と岩本昭彦店長。
手軽な中食でも商品が続々。コンビニエンスストアのナチュラルローソンでは今月、女子栄養大学と共同開発の「しっかり食べよう!バランス弁当」(550円)を発売。コープネット事業連合では10月に5種類の冷凍弁当「食事バランスセット」(398円)を発売した。賞味期限は1年間。手軽さと安さがウケ、年間30万個の売り上げ予定が50万個に届くペースで売れている。
11月発売のニンテンドーDSソフト「健康検定」もこのガイドが下敷き。ゲーム売り場だけでなくドラッグストアでも販売されている。健康的な食事のとり方を学び、腹囲や体重などの記録と肥満度チェックができるソフトだ。「来年4月から、メタボ予防・改善を目指す特定健康診査と特定保健指導が40〜74歳の国民に実施されることを見越して開発。30代以上の男性やその奥さんに売れています」と発売元のユードー。
食事バランスガイドは農水省ホームページから閲覧可能。1日に必要な食事量が主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の5グループに分類され、適量を単純な換算法で示し、コマの形で表現されている。
コマのしんは水分、回転させるのは運動。サラリーマンの友である酒は菓子とともにコマ回しの「ヒモ」という脇役扱いで、「楽しく適度に」と念を押されている。目安はビールなら中ジョッキたったの1杯である。
ヘルシーおつまみだけで安心してちゃいけないんですよ、お父さん(…ハッ!私もか)。
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