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ガス機器死、「誤使用」の7割は換気不足と判断
ガス機器での一酸化炭素(CO)中毒事故が相次いだ問題で、メーカー側が、利用者の「誤使用」に起因するとした死亡事故の約7割について、換気不足が直接の原因と判断していることがわかった。
密閉された部屋での長時間使用、小型湯沸かし器から浴槽への給湯、換気扇使用が裏目に出たCOの逆流……。各社の事故報告からは、典型的な事故発生のパターンが浮かび上がる。
業界団体の日本ガス石油機器工業会(東京都千代田区)に対し、1986年以降にCO中毒による死亡事故があったと報告したメーカー14社に読売新聞が聞いたところ、死亡事故計132件の原因別の内訳は「誤使用」54件、「誤設置」53件、「原因不明・調査中」24件などで、誤使用とされた事故が最も多かった。
さらに、誤使用の内容を具体的に尋ねたのに対し、「換気不足」と答えた事故が38件に上った。
2001年1月、リンナイ製小型湯沸かし器を使っていた東京の住宅で、3人の姉妹がCO中毒になり、病院で手当てを受けた。「寒くて、普段使っている換気扇を回していなかった」。姉妹の父親は振り返る。
松下電器産業も、39件の死亡事故のうち、ユーザーの誤使用によると判断した23件のすべてが換気不足だったとした。
CO中毒事故の大半は、燃焼部が屋内に設置された機器で起きており、屋外に設置するタイプは比較的安全とされている。だが、例えば物置として使用するために屋外機の周辺を板で覆ったことなどが原因となり、排気が滞って起きた事故もあった。
「誤設置」については、ノーリツの担当者が「煙突が規定より短く、排気が窓から室内に逆流したケースが多い」と説明する。小沢教授は「ユーザーが正しい使い方を認識していないことは、業界や行政が十分な対策を講じてこなかった裏返しでもある」と指摘している。
(2007年2月24日15時11分 読売新聞)より転載
※一酸化炭素中毒原因
一酸化炭素は酸素よりも約250倍も赤血球中のヘモグロビンと結合しやすい上、酸素分圧とオキシ・ヘモグロビン濃度との関係を変調させる。ヘモグロビンには4つの酸素結合部位が存在し、結合数が多いほど結合安定が安定になる。すなわち、末梢の酸素分圧が低い組織に運搬されると酸素の結合が乖離し始めるが、結合する酸素が減るほど乖離しやすくなる為、効率的末梢で酸素を放出する特性がある。ところが、4つある結合サイトのうち1つが一酸化炭素と結合したヘモグロビン(カルボニルヘモグロビン)は、他のサイトに結合した酸素も安定化し放出しにくくなるため、血液の酸素運搬能力が下がり、末梢で酸素分圧が極端に低下することによる。
一酸化炭素は、特に酸欠状態でなくとも燃焼に伴い発生するが、炭鉱での爆発事故や地下空間などで換気が悪い場合に蓄積し、また一般家庭では、屋内での木炭コンロの使用、湯沸かし器やストーブの不完全燃焼によって発生量が急激に増えることにより中毒症状を発症させる。 このため、大気汚染に係る環境基準については「1時間値の1日平均値が 10 ppm 以下であり、かつ、8時間平均値が 20 ppm 以下であること」とされ、また、労働安全衛生法に基づく事務所衛生基準規則では、事務所の室内における濃度について 50 ppm 以下(空気調和設備または機械換気設備のある事務所では 10 ppm 以下)とするよう定められている。
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