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デング熱、東南アジアで大流行 夏休み旅行者に注意喚起
2007年07月20日
東南アジアで蚊が媒介するデング熱の感染が広がっている。インドネシアでは死者が1000人を超えるなど、大流行した98年や01年を上回る大規模な流行の恐れも指摘される。アジア方面への旅行者が増える夏休みシーズンを前に、日本外務省は注意を呼びかけている。
地図東南アジアの地図
世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局(マニラ)の葛西健・感染症統括官によると、流行が目立つのはカンボジア、タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピンなど。原因の一つは気温が高いため、媒介するヒトスジシマカなどの活動が活発なことだ。
カンボジアの死者は上半期だけで昨年1年間を上回った。保健省によると、首都プノンペンやその周辺での患者や死者が目立つ。「建設ラッシュで水たまりができやすい工事現場が多く、蚊が繁殖しやすい」という。
死者1000人を超えたインドネシアは過去最悪だった05年の1298人を上回るのは確実とされる。ジャカルタ特別州で流行が目立ち、州政府は4月に非常事態を宣言。7月に解除したが、今回を機に空き缶や古タイヤの処分などを怠った家主らに罰金や禁固刑を科す条例制定に乗り出した。
タイでも患者が昨年同期比38%増。保健省によると、患者の約3分の1がテロ事件が相次ぐ南部に集中。「政情不安で奥地まで指導や対策が行き届かず患者数を押し上げている」(同省関係者)
葛西統括官は(1)虫よけスプレーの使用や長袖の着用で蚊に刺されないようにする(2)十分な休養と栄養で抵抗力をつけるよう注意を促している。
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〈デング熱〉 熱帯や亜熱帯に生息するヒトスジシマカなどがデングウイルスを媒介して感染する。蚊に刺されて1週間前後、人によっては2週間ほどの潜伏期間後に発熱。頭痛、関節痛、腹痛などが続く。通常1週間ほどで回復するが、重症の「デング出血熱」の場合は死ぬこともある。WHO西太平洋事務局によると、管内(インドネシア、タイは含まない)の感染者は平年並みだった99年、00年は4万人台だったが、大流行した98年は約35万人、01年は約13万人にもなった。
朝日より転載
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