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群馬大・藤井教授「宇宙量り」を開発
宇宙量りのテストを行う藤井教授(手前右)
群馬大工学研究科の藤井雄作教授(41)は、宇宙飛行士の体調管理のため、無重力空間で体重を測定する「宇宙量り」を開発した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)有人宇宙技術部宇宙医学グループの嶋田和人医長との共同研究。三十、三十一の両日、名古屋市の上空で、実際の宇宙空間で使用するための航空テストを行う。本年度中に原形を完成させ、早ければ二〇一〇年度に国際宇宙ステーションで実用化される見通しだ。
現在、宇宙ステーションではアメリカとロシア製の測定機を利用しているが、精度の低さが難点とされている。
藤井教授は二〇〇一年、宇宙空間の質量測定機についての論文を専門紙に発表。宇宙飛行士の体調管理に携わる嶋田医長が、これに目を留め、共同研究を持ち掛けた。
開発した宇宙量りは、軽い物ほど早く移動する原理を利用し、張力と加速度を精密に計算することで質量を求める仕組み。飛行士の体をゴムでつなぎ、動く速さをレーザー干渉計で、ゴムの張力を力センサーで量り、質量を計算する。
従来の測定機に比べ、ゴムの部分を数メートルに伸ばすことで、測定時間を長くして数値の正確性を高めた。使用しない時はゴムをまとめてしまえるなどコンパクトで、実用化の際は約一キロまで軽量化する考え。
開発への取り組みは、日本宇宙フォーラムの支援を受けて、二〇〇五年ごろからスタートした。
航空テストは、上空約一万メートルで無重力空間を作り出し、宇宙量りを使ってダミーの重さを量る。
今月三日、藤井教授の研究室に同フォーラムの研究員ら四人が訪れ、実験に向けて最終チェックを行った。
藤井教授は「飛行士の健康管理には、正確な体重測定が重要と聞いている。今後も改善を重ねて、早く宇宙での実用化を目指したい」と実験に向けて意欲を語った。
上毛新聞より転載
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