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iMacがついにアルミのグッドデザインに
2007年8月31日 14:00
アルミと言えば建築・インテリア業界では、ここ数年、注目されている素材だ。アルミの住宅、アルミの家具、アルミの照明…と、様々な、シャープでスタイリッシュなプロダクトデザインを生み出してきた。さらに、軽くて丈夫。加工性もいいため、プロダクトの世界では優等生素材であるのはもちろん、表面も鉄やステンレスに比べ、軽やかに光って品があり、素材の値段は決して安くはないが、その分、高級感にもつながっている。またアルミは積極的にリサイクルされる素材。環境問題にも貢献する材料でもある。
そして、2007年夏に登場した新作iMacも、ついに「アルミボディ」で登場した。
充実のスペック、コストパフォーマンスの高さはその道の報道記者に任せるとして、ここで注目したいのはデザイン。「本体はどこ?」と、筆者はまんまとアップルの手の内に落ちてしまったが、部品を極限まで小さくそぎ落とすことで、このモニターの裏に本体機能がすっきりとおさまっていたのだ。
無垢のアルミのフレームにぴったりとおさまったガラス。アルミの質感は鈍い光を放っているが、これは「酸化皮膜処理」という処理が施されている。コーティングの膜が光を屈折させて、目に見える色を出す(シャボン玉が虹色に光るように)原理を応用している。ゆえにアルミそのものの直接的な色ではなく、どこか洗練された雰囲気の控えめな発色、これが大きな魅力だろう。
ねじ止めはメモリスロットの1ヶ所のみで、恐ろしいほどの精密さでアルミ(本体)、ガラス(画面)とポリカーボネート樹脂(背面)が組み合わさっている。磁力で接合されている、とのネット上でうわさも飛び交うほど。
薄いキーボードはアルミのプレートにキーをはめ込んだ、抜群の操作性と美しさ。なんと本体のフレームの画面部分を「抜いて」出た、材料を利用しているという。
そして注目したいのが背面の美しさ。
住まいの大型ワンルーム化が進み、リビングもキッチンもオープンになった。壁面に家具やテレビ、AV機器を並べる習慣も変わりつつあり、ライフスタイルに合せて、その人の一番求めるものを暮らしの中心に、大胆に配置できる時代だ。
「後ろから見たときの美しさも、マックが長く挑戦してきたこと」と、アップル社プロダクトマネージャーの言葉。パソコンが空間の中心にあり、裏表関係なく使えるものとなるのは、自然の流れでもある。iMacの軽快さ、デザイン性はパソコンのレイアウトの考え方を大きく変えてしまうだろう。
もちろん、空間において「プロダクト」として美しいだけでなく、その中身も暮らしの中心で家族誰もが楽しめ、使いやすいユーザビリティを満たしているのが、iMacらしいところ。パソコンありきではなく、暮らしに求められる機能を満たすツールであることがまずは大切だ。
そこで思い出すのが1998年に発売された初代のiMac。ブルーやブルーベリー、ライムなど透明感あるカラフルなボディとデザインは全世界に衝撃を与えた。関連したデザインのインテリア商品が次々と発売され、透明・樹脂・カラフルは当時のデザインのキーワードとなった。それはパソコンやインターネットが、まだ「スペシャルなもの」「新しいもの」であった時代の空気も如実に反映している。カラフルなiMacはインテリアのアクセントであり、デザイナーズ家具のように自分の価値観を示すアイコンでもあったのだ。
そして2007年のiMacのデザインは、というと、パソコンやインターネットの普及率が50%を越え「どこにでも当たり前にあるもの」として標準品となりつつある。「当たり前」だけれども、自分と新しい世界をつなぐカギとして重要性は高まっている。そんな今を映し出しているのが、今回のデザインだ。
色も形も控えめ。無駄をそぎ落とし、余計なものを見せない。暮らしの中で強く主張することはない(これは完成度の高いプロダクトデザインゆえ)。この抑えたデザインの中に驚くほどのパフォーマンス性が詰め込まれ、使う人の可能性を最大限に引き出してくれる。まさに今のパソコンの「ありかた」がかたちになっている。見た目先行でモノに振り回されるのではない、アップルのデザイン哲学が垣間見えるのである。
【iMac】
20インチ2.0 GHz iMac:159,800円
20インチ2.4 GHz iMac:199,800円
24インチ2.4 GHz iMac:239,800円
お問い合わせ:Apple Storeコールセンター tel.0120-27753-1
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