|
肩書だけでなく、中身を見よう!
2007年09月05日
“三度目の正直”もダメだった、安倍改造内閣の農水相ポスト。辞任の理由は、農業共済組合への補助金が、不正受給されたというものでした。
農業共済組合は、農業災害補償法という特別法にもとづき、農水省の管轄で運営されている共済。共済自体はまっとうなものですが、これを悪用して税金をかすめ取ったということが問題になりました。
共済にまつわる国会議員の犯罪として有名なのが、オレンジ共済。実質的な主宰者だった友部達夫参院議員(当時)が、年6〜7%で運用できると持ちかけて不特定多数の人から約90億円集め、集めた金の一部を自分の選挙資金や借金返済などに流用したとして、逮捕された事件です。
「共済」には、JA共済、全労済、CO・OP共済などのように、監督官庁もはっきりして法的根拠に基づく共済と、勝手につくれる無認可共済があります。農業共済組合は前者で、オレンジ共済は後者。
共済を勝手につくれるなどと書くと驚く人がいるかもしれませんが、無認可共済の場合、たとえば私が親しい友達と3人で、温泉に行くお金を積み立てようと決め、毎月積み立てる貯金を「温泉共済」としてもOKなのです。
勝手につくれるといえば、“協会”というのも、勝手につくれます。たとえば、私が名刺に「貯金をしよう協会」理事・荻原博子と書いても、誰からも文句は言われません。
もちろん、一生懸命やっている共済や協会は、たくさんあります。けれど、中には、こうしたもっともらしい肩書を使って、詐欺などをする人たちもいることをお忘れなく。
ちなみに、NPOなら、届け出が必要なので、信用しても大丈夫だろうと思っている方もいると思いますが、これも、条件さえ整えば誰でも届け出はできます。そのせいか、東京都ホームページのNPO認証団体一覧には、注として「ここで掲げられている法人に対して、東京都がお墨付きを与えているわけではありません」とあります。
日本人は肩書に弱い。すばらしい活動をしている団体も多いけれど、そうでないところもあるということを知っておくと、詐欺などの被害を防げるかもしれませんよ。
プロフィール
荻原博子(おぎわら・ひろこ)
1954年長野県生まれ。経済ジャーナリストとして幅広く活躍。デフレを見越し、借金を減らし投資を控える「資産防衛」を一貫して提唱。現在、テレビ・雑誌・新聞などを通じて不況時の生活防衛策や、保険、金融、住宅問題など実戦的な提案を発信している。
|