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東和銀が前頭取ら提訴

東和銀が前頭取ら提訴
不適切融資 頭取「責任明確に」
提訴について会見する吉永國光頭取(中央)ら(30日、県庁で)

 昨秋の金融庁の業務改善命令を受けて、東和銀行(吉永國光頭取)が進めてきた旧経営陣への責任追及は、同行が30日、増田煕男(ひろお)前頭取(71)と、側近の石倉理平元常務(59)に約8400万円の損害賠償を求める訴訟を前橋地裁に起こし、大きな節目を迎えた。ただ、増田前頭取らは全面的に争う姿勢で、裁判の長期化は必至。同行の真の再生には、まだ長い道のりが残されている。

 「過去の遺産と完全に決別するという意味において、今回の訴訟は非常に意義がある――」。この日、代理人の弁護士らとともに県庁で記者会見した吉永頭取は、約13年間続いた増田前頭取時代に、同行が抱える様々な問題が起因していることを強調、経営再建への決意を語った。

 今回、提訴対象となったのは、同行の経営責任調査委員会が今春まとめた答申で、増田前頭取らに賠償責任があると指摘した前橋市内の不動産会社「太刀川産業」に対する2003年12月の融資。

 訴えなどによると、同社は当時、高崎市内にホテル建設を計画。同行は建設資金の融資を承認していたが、このホテルが事実上、ラブホテルとして利用されることを懸念した地元住民が建設反対運動を展開したため、融資の中止を余儀なくされた。

 これに対して、太刀川産業は「すでにお金がかかっている」などと同行に対し、所有するラブホテルの改修費用名目で「おわび」の融資をするよう要求。同社は実質的な債務超過状態で資金使途も不明確だったが、同社とトラブルになることを恐れた増田前頭取らは担当役員らに圧力をかけ、融資を承認させたとされる。

 訴えでは、増田前頭取が07年5月の退任直前、自宅などの不動産を家族に贈与したことについても、「賠償請求を予測した詐害行為だ」として、贈与契約の取り消しなどを求めた。

 裁判では「圧力を受けた」とされる元役員や行員が銀行側証人として出廷する見通しで、前頭取による独断専行の経営など、過去の負の遺産が報道を通じて明るみに出る可能性がある。

 こうした懸念についても、吉永頭取は「仮に風評リスクなどのマイナス面があったとしても、きちんと事実を明らかにして経営責任の所在を司法当局に明確にしてもらう手続きは絶対に必要。その先に当行の未来が開ける」と強調した。
(2008年10月1日 読売新聞)より転載

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