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井上工業破産 債務超過50億 債権者1000社
破産手続きを開始した井上工業(高崎市和田町、中村剛社長、東証二部)が、十六日の破産申し立て時で少なくとも五十億円の債務超過に陥っていたことが十七日、分かった。債務超過額が巨額であることなどから、債権者の債権が大幅に焦げ付く恐れがある。債権者数は千社に上り、このうち県内業者が半数の五百社を占める。未完成の受注工事は公共事業と民間を合わせ、県内外に約百件あり、同社の破産管財人は同日までに一斉に作業を中止した。大沢正明知事は同社の下請け業者の連鎖倒産を防ぐために相談窓口の設置や運転資金の融資など支援策を検討するよう関係部署に指示した。
同社の負債総額は百二十五億円で、このうち少なくとも債務超過の五十億円は債権の焦げ付き分となる。同社は「債権者への配当を最大化するために早期の申し立てを決断した」とし、粉飾決算の可能性についても否定しているが、債務超過額が巨額だったことで、関係者からは財務処理や情報開示が不適切だった可能性を指摘する声が上がっている。
債権者は協力企業の親睦(しんぼく)団体「山平会(やまへいかい)」に加盟する百七十社に加え、下請けや資機材納入、警備などの業者が中心。同社は二十二日午後七時から、前橋・県民会館で債権者説明会を開き、破産に至った経緯、資産状況、今後の手続きなどについて説明する。
未完成工事については今後、作業進ちょく状況を調べ、受け取り額が少ない場合は施主に費用を請求する。その上で施主と協議し、別業者に工事を引き継ぎたいとしている。
県は事業停止に伴う地域への影響が最小限となるよう高崎市と対策を検討し、来週半ばにも支援策をまとめる。運転資金の融資の検討のほか、一般競争入札から指名競争入札に変更し、入札から契約までの期間を従来の一カ月から一週間程度に短縮する特例措置を導入するなど、事業の早期発注による経営支援も盛り込む。
上毛新聞より転載
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