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ずしり物価高、中小の6割が価格転嫁できず
中小企業の96%に物価高のあおり−。原材料価格の上昇が企業経営に影響をおよぼしている実態が十八日までに、県のアンケート調査で分かった。仕入れ経費の増大に対し、自社商品を値上げできない企業は六割を超え、「収益力が悪化している」との声も上がる。最近の株価暴落で景気減速や貸し渋りなどが現実味を帯び始め、中小企業への逆風は強まるばかり。県は低金利の制度融資の充実などで、年末に向けた資金繰り対策に乗り出している。
調査は物価高による経営への影響を調べる目的で、県内二百四十八社を対象に八月下旬に実施した。
原材料価格などの値上がり状況を尋ねたところ、「大幅に値上がり」と「値上がり」がともに48%。「値上がりしていない」はわずか4%だった。
仕入れ値の上昇を感じている企業に、値上がり分を商品価格に転嫁できているか尋ねると、「できた」が7%、「一部できた」は30%なのに対し、「できていない」は62%。値上げに踏み切れない割合を業種別に見ると、繊維業(76%)、建設業(同)、運輸業(75%)が高かった。
仕入れコスト対策としては「合理化や省力化」が39%、「仕入れ先の変更」は10%、「原材料の変更」が6%−などの順。このほか、30%は「特別なことはしていない」と回答したが、この中には「燃料や原料の代替が不可能だったり、合理化がすでに限界のため『特別な対処をできない』という苦しい経営事情」(県産業政策課)も少なくないという。
工業統計によると、こうした原材料価格の高騰が表面化した昨年、従業員三十人未満の中小企業は前年から百三十五社(2・6%)も減少している。
さらに、米国の金融不安から世界的な景気の冷え込みが鮮明化。民間信用調査会社の帝国データバンク前橋支店は「株式市場の低迷や円高などの景気冷え込み要因が続けば、金融機関が貸し出しに慎重になり、中小企業は融資を受けにくくなる」と指摘する。
年末に向けて資金需要が高まることから、県は中小企業の資金繰り対策が不可欠と判断。九月補正予算で制度融資の融資枠を八十億円拡大し、金融機関には企業向け融資の円滑化を図るよう要請するなど支援を進めている。
上毛新聞より転載
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