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明治期のツツジ公園描く
錦絵3枚組み 館林市に寄贈
寄贈された多色刷り木版画原図を持つ島野好次所長(26日、館林市役所で)
館林市は26日、県立つつじが岡公園の全景を120年前に描いた錦絵(3枚組み)が市民から寄贈された、と発表した。同市つつじ研究所はほぼ同じ構図の多色刷り木版画のコピーを持っているが、発行2年前に皇后、皇太后がご来園した時に休憩所となった「ツツジカン(躑躅(つつじ)館)」が絵の中央部に描かれているなどの点で異なり、「第1級のツツジ研究資料になる」としている。
同市仲町のたばこ店経営越沢重男さん(65)が、自宅物置を整理中に見つけ、「ツツジ研究に役立てば」と、今月3日に寄贈した。
越沢さんの曽祖父・徳次郎さんが折りたたみ式の台紙に張り付けていた約20枚のうち3枚で、歌舞伎役者絵などと一緒にあった。
原図は、横69センチ、縦35センチ。「群馬県下上野国邑楽郡館林躑躅ヶ岡公園之図」と題し、城沼を手前に満開のツツジや周辺の施設など、公園全景を赤や緑、水色などで鮮やかに印刷してある。
絵師の薫州(くんしゅう)周春(ちかはる)(1848年〜不明)の名前のほか、「明治二十一年(1888年)五月印刷、出版」「著作印刷兼発行者、東京日本橋・石島八重」などと印刷されている。
市つつじ研究所の島野好次所長は、「園内の建物の名称と位置が正確」とした。一方、「ツツジカン」が絵の中央部に、キツネやタヌキが絵の上方にある空に描かれているが、コピーにはなく、同研究所は「初版に近い段階での構図」と見ている。
島野所長は「実際に来た人だから、描写が正確なのだろう。原図は初めてで、公園の歴史研究上、極めて貴重な資料」と話している。
(2008年6月27日 読売新聞)より転載
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