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担保不動産の売却促進…与党法案提出へ
反対者の抵当権抹消
借金返済に向けた担保不動産売却の円滑化を図るため、与党は16日、売却に反対する担保権者の抵当権を裁判所が抹消し、早期売却に道を開く「不動産任意売却促進法案」を今国会に提出する方針を固めた。
借金を返せなくなった借り手が担保不動産を売却しようとしても、一部の担保権者が反対して売却できないケースに対応するものだ。
昨秋以降の景気悪化で企業倒産が増える一方、土地などの不動産価格は下落傾向で、倒産した経営者が担保の土地を早期に売却して借金返済に充てるのを支援する意味合いがある。担保権者になることが多い金融機関や土地取引の活発化を望む不動産業界から、制度導入を求める声が上がっていた。
現行制度では担保権者全員が同意しなければ、反対者の抵当権が付いたままになるため、所有者は不動産を事実上売却できない。抵当権を抹消するには、裁判所が行う競売にかけることになるが、手続き終了まで約10か月間かかるうえ、その間に価格が下落する傾向にある。これに対し、新制度により任意で売却できれば、早ければ3か月で済むという。
具体的には、まず、不動産売却に同意した担保権者が抹消の許可を裁判所に請求。その後1か月以内に、売却に反対する担保権者が〈1〉競売を申し立てない〈2〉売却予定代金に5%上乗せした金額での買い取りを申し出る新たな売却先を見つけられない――のいずれかの場合、裁判所が抵当権の抹消を認める仕組みだ。
一般的に、担保物件売却による返済金は上位の担保権者から順に得られるため、下位者が手にするケースはほとんどない。
このため、下位者が抵当権抹消に反対し、売却同意の見返りとして債務者らに法外な金額を要求するケースがあり、新制度はこれを防ぐ効果も期待されている。
(2009年3月17日 読売新聞)より転載
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