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ツアー先の東京のホテル、スウィートに残された汗たまり。そのエピソードに魅了され、没後ファンになってまもなく3年。マイケルが何故この歌をカバーしたのか??ずっと疑問だった。。。
アルバム収録は95年のヒストリーまで待たなきゃならないけど、87年のムーンウォーカー(MW)のクロージングで、そのステージパフォーマンスを披露している。 マイケル検定10級の当時、思ったものだ。この正義のパフォーマーがなぜ子どもの前でセクシュアリティー全開で、この複雑な意味を持つ歌(カコログ)を歌ったのか ― 違和感も感じていた。・・・しかし、それは、このMWを単にMJのショーケースだと捉えていたからだ、とわかった。
実はムーンウォーカーには深い意味があった。。。
マンミラに始まり、バダー、スピード・ディーモン、リーブ・ミー・アローン、スムクリ、そしてカム・トゥゲザー。より良い世界にするために自分を変えよう、という最初に発信されたテーマは、境界線(壁)を越えることの勇気と必要性へと展開される。そしてビデオの中で、MJはフィジカルにその境界を越えてみせる。
ここで思い出されるのが、MJの思想。
2.かもめのジョナサン的生き方。
境界線とは自分の内なる心の壁 ― 限界のことも含む。自分の限界を広げ、越えた先に何があるのかMJは見たかったのだと思う。ジョナサンのように。
バダーでは、こどもが大人への境界線を越える。それは、「がんばれば、マイケル・ジャクソンにだってなれるんだよ」と彼らを鼓舞しているかのようだ。
いっただろう。何も僕を止められないって。 止まるわけないだろ。さあ。道半ばなんだ。 スピードをあげよう。道を焼き尽くすまで。2 スムクリでは、ダンスで境界線を越えた。それは白人と黒人のダンスの融合。フレッド・アステアのバンドワゴンのモチーフを黒人である彼が踊る。
そして・・・カム・トゥゲザーでは、歌で境界を越えた!
白人ポップの王者ビートルズの歌を黒人である彼が歌う。 もともとブルースやロックは黒人霊歌にルーツをもつ。白人ポップはいわば、黒人の音楽を発展させてきたもの。だから、ここで言う境界を越えた、というのは、音楽の境界というより、白人と黒人の隔てられた文化の境界線といったほうがいいだろう。
こうしてみると一見ばらばらなショーケースに見えたMWにはひとつの明確な意思が感じられる。自分を変えるためには、自分の心の壁、自分で線引きした限界、を越えなければならない、と。とても難しく勇気のいることだ。MJは答えのない厳しいチャレンジをわたしたちに与える。
MWでは〔白人と黒人のポップカルチャーの境界線〕を歌とダンスで越えている。もちろん、鉄則どおり、MJの思いはさらに地球レベルに及んでいるのだろう。人種や思想、ジェンダー、国家や宗教、自然と人間のボーダー。 自国において、MJが自分の職業を通して行なってきた、境界を越える試みは、歪曲され、バッシングの対象になってきた。 リーブ・ミー・アローンはそんな社会システムへのリスポンスであろう。
人種偏見について。いままでウィラさんたちのブログを含めて、読んだ記事や論文、トニ・モリソンの小説などで、一様に指摘されているのが以下のこと。
レイシズムは白人男性コミュニティーにおける、黒人男性のセクシャリティーへの恐怖に根ざす。自分たちコミュニティーの女性を黒人男性に奪われるのではないか、という恐れやコンプレックス。 実際に、才能があったり、聡明だったり、容姿にすぐれた黒人男性はリンチの対象となってきた、という歴史的事実がある。
MJは白人の女性が熱狂する初の黒人アイドルだった、という。ソロになってから自分のコミュニティーに閉じこもることなく、ボーダーを押し広げていった。白人コミュニティーはそれを脅威だと感じたのだろうか。それに呼応するかのようなメディアのバッシング。あげくに警察権力の介入まで呼び込んでしまった。境界線を越えた彼は、キャリアのみならず、命の危険すらもあり得た。(彼が有罪になり、収監されていたら、命はなかっただろう) まさに歴史は繰り返されていたわけです。
スリラー後の絶頂期。カム・トゥゲザーのステージでMJはこれでもか、といわんばかりのセクシャリティーを見せ付ける。2 それは白人ハードロッカーたちの忘我のパフォーマンスをMJ風に洗練したもの。そしてシャツを破いてダークスキンの胸をさらす。この歌を演じているのは黒人なんだよ、といわんばかりに。。。
MJはそのときまさしく、両者のボーダーを越えて演じている。そして、その瞬間を白人のオーディエンスも熱狂しながら共有し、受け入れているのだ。
カム・トゥゲザーは、閉ざされた白人コミュニティーへの挑発であり、黒人アーティストとしてボーダーを広げるための挑戦。 疑問だったバックステージの子どもたちの存在。それはこの子達こそ、この歴史的瞬間の立会人、目撃者という意味をもつのではないだろうか。
先輩黒人アーティストが切り開いた道。MJはさらにそのボーダーを押し広げていった。険しい道だったようだ。その道をまた後継者たちに託し、ジョナサンのように天国へと旅立った。
1. 歌詞
Nothin' Gonna Stop Me
Ain't No Stop And Go I'm Speedin' On The Midway I Gotta Really Burn This Road 2. GIF動くセクシー画像はこちら。
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