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FOREVER, MICHAEL

マイケルジャクソンの音楽とアート。ジャズ・ロック・ブルースなど黒人音楽の歴史とライブ魅録。

書庫BLD ON THE DANCE

http://img5.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/9d/03/matsudavis/folder/970262/img_970262_28748214_9?1332694707

リリース(米):5/20/97
プロデューサー:MJ, Teddy Riley, Jimmy Jam, Terry Lewis
クレジット:Brad Buxer, Bryan Loren, Andrae Crouch Singers Choir, Slash, Mick Guzauski
シングル:Blood on The Dance Floor, Ghosts, Is It Scary
推定売上げ枚数:600万枚

Blood on the Dance Floorはなだめすかされるのを拒否する知性に溢れている・・・毒気のない黒人ポップというレッテルへの挑戦である。(Armond White)

音的にはハウス、インダストリアル、テクノ、ファンク、ゴシック、オペラポップといった要素を組み入れた折衷主義的なものであるが、アルバムの本質は社会の腐敗を歌ったもの。(Joeph Vogel)

(Man in the Music, p207-8, J.Vogel:2011)
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ラッド・・第二弾。

B.の解釈 〜 スリラーで完結しなかったマイベイビーと「僕」とビリージーンの物語―
という文脈の中で読む場合。
 
マイベイビーVSモラルなき美女たちと〔僕〕のトライアングル物語。
MJにはこのテーマを展開する構想が当初からあったのでしょう。
ビリージーンの系譜といえる、悪女たちは
、続くアルバム、Bad, Dangerous,
 Blood on the dance floor
で 名を変え、姿を変えて、現れます。
 
彼女たちは、マイベイビー〔僕の良心〕に対する〔悪徳〕の化身、というメタファー。。。
ウィラさんが随分前に提唱していた解釈で、MJの作品を包括的に見ていったら、
やはり一番しっくりきます。両者を読み替えてもぴたっと意味が通るので、
ここでは良心VS悪徳というパラダイムを踏襲してます。
 
欲望のまま自己中心に振舞う華やかな悪女たち。
一方のマイベイビーには、名も与えられず、どんな姿、声なのか、ヒントすら語られていない
〜密やかな存在。ビリージーンが放つ〔光〕によって、その存在を感じられる〔陰〕みたいです。
肉体の感じられないマイベイビーに、なかなか共感しずらいのですが、
〔良心〕はむき出しに見せるものじゃなく、ひそかに心の奥で育まれるもの、だからでしょう。
 
クリスチャニティに代表されるような伝統的な愛を、マイベイビーに誓っていた〔僕〕。
時は経ち、社会の腐敗に染まるように、男は〔悪徳〕の誘惑に負け、
〔マイベイビー=良心〕は去ってしまう。
男は結局のところ、〔良心〕を心のプリンシプルに育てることが出来なかったようです。
現実から逃避するために、インモラルな恋愛ゲームに走り、
心の灯台を失った男はどうなってしまうのか。。。

 
組曲:ブラッドオンザダンスフロアー 
(Suite: 
Blood On The Dance Floor)の始まりです。 

*余談〜思い出: 組曲といえば、一時期ファンだったゴダイゴが、
日本で始めてのロックオペラを彼らのデビューアルバム、新創世紀で発表した。
1976年7月のこと。「6曲からなる組曲・新創世紀は世界初のロックオペラになるはずだった。。。
クィーンが〔オペラ座の夜〕を発表するまでは。。。」そんな談話を雑誌で読んだ記憶がある。
2006年にオリジナルメンバーで再結成した彼ら。「2007 TOKYO 新創世紀」コンサートでは、
この組曲が大編成されて、ロックオペラとして演じられた、という。
 
  1. Baby Be Mine...............................................................
  2. Billy Jean.....................................................................
  3. Lady in My Life
  4. Dirty Diana
  5. Dangerous.....................................................................
  6. Blood On The Dance Floor ........................................
  7. Super Fly Sister
  8. Shout ........................................................................... コーダ
 
悪徳の誘惑に〔僕〕は必死に抵抗します・・・。
 
〔ビリージーン〕
ぼくはいつも人から言われていた。
自分の行動に気をつけて
女の子たちを泣かせるんじゃないよ、ってね。
母親も僕に忠告した。恋愛には注意しなさい。
慎重に行動しないと嘘もほんとにされてしまうよ、と。
 
彼女は僕に近づき、側に立った。
香水の甘い香。
あとはなし崩し。
彼女は僕を部屋に呼んだ。
 
 
〔ダイアナ〕
Diana Walked Up To Me, She Said I'm All Yours Tonight
At That I Ran To The Phone Sayin' Baby I'm Alright
I Said But Unlock The Door, Because I Forgot The Key,
 
ダイアナは僕に近づき、
〜今夜私はあなたのものよと言った。
僕は走っていき電話をかけた。
〜ベイビー、僕は大丈夫だよ、でもドアの鍵は開けておいて*
鍵を忘れたんだ。
 
 *ドアをアンロック―どんな誘惑も振り切ってすぐ家に帰らなきゃならない状況を作る。 
危ないですからね。
 
〔デンジャラス〕
あの娘はとても危険
僕は神様に祈らなくてはいけない
欲望がどれだけ人を盲目にするか、わかってるよ
 
今夜はひとりで眠れない
今夜マイベイビーは出て行った
僕は立ち直るまで、どうしたらいいのだろう
君の存在、君のたくらみ
君はマイベイビーを傷つけた
 
そして事は起こった。
彼女は僕に触れた
見知らぬ女の唇
蜂の巣のような滴り
彼女の口は油よりも滑らかだった。
でも彼女の心や言葉は両刃の剣のように鋭かった。
でも僕はそれが嫌いじゃなかった。
それは危険なものだったから。
 
・・・と男は神様へのお祈りもむなしく、ついに、悪徳の虜になります。
 
物語りはブラッド・・へと展開され、〔僕〕はマイベイビーを失ってから、 
枷が外れたかのように、夜毎ナンパ。スージーと出会い、
軽いノリで恋愛ゲームに夢中だったようです。その結果、妊娠したスージー。
彼女の行動は狂気に満ちたストーカー。
モラルのない愛の結末は・・・こうなるんだよ、と語り手(MJ)はモノローグでオーディエンス(僕=
YOU=オーディエンスに転化されている)に語り掛けます。。。
 
君はスージーの思うがまま
スージーは君の友達じゃない
ごらんよ7インチの深さで君を傷つけたのは誰だい
ダンスフロアーに血が流れている
ナイフには血
君の運命はスージーに握られているんだ
スージーは当然の報いよ、と言う
 
 
〔スーパーフライシスター〕
 
That is what they’re telling me
Push it in Stick it out
That ain’t what it’s all about
 
愛はもはや昔の姿ではない
世間はそういうよ
押こみ、立たせろ。
愛はそれが全てじゃないのに。
 
Hee! I can’t believe the things I see
 
なんてことだ、僕は目の前で起こっていることが信じられないよ。
 
そして、〔目の前で起こっていること〕は、爆発するラップ、SHOUT(過去ログ)で、
思い切り歌われています。
 
We're disconnected from love, we're disrespecting each other
Whatever happened to protecting each other
Poisoned your body and your soul for a minute of pleasure
But the damage that you've done is gonna last forever
Babies being born in the world already drug addicted and affiliated
Family values are contradicted, ashes to ashes and dust to dust
The pressure is building and I've had enough
 
僕たちは愛を忘れ、他者への尊敬を失っている。
お互い助け合うという気持ちは、どこへいってしまったのか。
肉体も魂も毒された、ひと時の快楽のために。
でもそのダメージは永遠に続く。
この世に生まれでようとする赤ん坊は、既にドラッグ漬け。
家族の価値は否定され、それは何世代に渡って繰り返されるだろう。
プレッシャーは増幅するばかり。僕はもううんざりだ。
 
〔愛〕はSEXだけじゃない、〔愛〕の原点に戻ろう、と〔僕〕の物語を通して訴えます。
組曲ブラッド・・で伝えられることは、次の一節に集約されるのでは。
心の中にある愛で、暗闇を照らし光に変えよう、と。
 
Shoutの〔ブリッジ〕
How can we preach, when all we make this world to be
Is a living hell torturing our minds?
We all must unite, to turn darkness to light
And the love in our hearts will shine
 
世の中これでいいんだ、と皆が思っている。一体どうやって目を覚ませ、というんだ。*
* 〔悪徳〕に満ちた心を、どうやって信仰に導けばいいのか?という意味でもある。)
 
生き地獄が僕たちの心をさいなんでいるのだろうか?
僕たちは皆ひとつになって、暗闇を光に変えなきゃいけない。
そうすれば心の中の愛が輝くだろう。
 



 
さて、マイベイビー〔=僕の良心〕は〔僕〕の元に戻ってくるのでしょうか??どんな姿で??
物語はYOU ROCKMY WORLD (インビンシブル)へと続きます。。。




 

ブラッド・・はなんとも複雑な光を放っている作品です。                    
ここ数ヶ月、あれ?これ?と考えて、たどり着いたのが・・・
 
A.アルバムのコンセプトの中で意味づけ、当時のMJの心にパラダイムシフトして読む場合。
B.スリラーで完結しなかったマイベイビーと「僕」とビリージーンの物語―
という文脈の中で読む場合。(次回検証)
 
・・・で、受け取るメッセージがまったく異なる、ということです。
 
A.による解釈。
 
目だった宣伝も、プロモーションも行われず、地味なリリースだったのに
専門家のレビューがとても高かったアルバム。
全米のクラブでダンス音楽として流されたことから、「リミックス・アルバム」としてはベストセラーに。
MAN IN THE MUSIC, Ch.6, p207-8, Joseph Vogel: 2011) 
収められた新曲のコンセプトとしては、SEXやDRUGによる現実逃避や
モラルの崩壊が表現されています。
 
これはSFのイメージとリンクした動画。
〜90〜91年にかけてヒットした米国のミステリードラマ、
ツインピークスの 「クーパーの夢:赤い部屋」の一場面。



〜いすに座り、ダンスを披露する赤いスーツの男は、FBI捜査官クーパーの前に、
しばしば現れる。クーパーは幻想か現実か意識が混濁し、
次第に妄想にとり付かれたかのように精神に異常をきたしてゆく。〜 
ブラッド・・には、この赤いスーツの男に幻惑されるクーパーのように、妄想、
パラノイア、強迫観念で追い詰められる心理が感じられます。 
 
血が残された床とナイフ。ダンスフロアですら、安らぎの場所ではなくなった。
自分を抹殺するために誰かがやってくる・・・、というパラノイア。
現実には、チャンドラー事件で、自宅に家宅捜索が入り、屈辱的な捜査を受け、
執拗なTSの標的になっていた当時のMJにとって、心の安寧は奪われ、
サンクチュアリーは汚されたも同然。音楽カタログのために、命を狙われている、
という恐怖に囚われていたことも当時の発言から伺われます。 
 
77〜81年までニューヨークにスタジオ54と言うディスコがありました。
マジックとファンタジーを与えてくれるこの場所に魅了され、MJはしばしば
訪れたそうです(エレファント・・6・12対談)。
ディスコのパーティでは、きらきら光る紙片を6cmも床に敷き詰め、
踊るたびに舞い上がったそうで、まるで光が乱舞するような空間。
ここでまだアフロヘアだったMJは踊りほうけていたわけではなく、
客を夢中にさせる魔法をしっかり学んでいたようです。
だけど、いまや創造のリソースであるダンスフロアーは、きらきらのラメではなく
血に覆われしまった。
 
 
歌の構成と訳。
 
 
1バース: 
Aメロ: (語り手)
 
She got your number
She know your game
She put you under
It's so insane
Since you seduced her
How does it feel
To know that woman
Is out to kill
 
あの子は君の運命を握っている。
君の仕掛けたゲームも知っている
君より上手だ
まったく正気じゃないね。
君があの子を誘惑したんだ。
どんな気持ちだい?
あの女は殺しにやってくるんだ。
 
 
Bメロ: (語り手)

Every night stance is like takin' a chance
It's not about love and romance
And now you're gonna get it
Every hot man is out takin' a chance
It's not about love and romance
And now you do regret it
 
夜毎ナンパしているようなノリ
それは愛や恋ってものじゃない
今、君はその報いを受けようとしているんだ
熱い男はみな外で浮かれてナンパしてるって?
それは愛や恋ってものじゃない
今、君は後悔してるよね
 
ブリッジ:(主人公の僕)

To escape the world I've got to enjoy that simple dance
And it seemed that everything was on my side
(Blood on my side)
She seemed sincere like it was love and true romance
And now she's out to get me
And I just can't take it
Just can't break it
 
〜 現実を忘れるために
ぼくは単純にダンスを楽しんでるだけ
ここにあるすべてが僕の味方だと思えたのに
(僕の傍に落ちている血)
 
あの子は誠実そうだった
それが愛で本当の恋愛だったかのように
今あの子は僕の運命を終わらせるために現れた
そんなこと納得できないよ、
どうしたらいいんだ 〜
 
コーラス:

Susie got your number
And Susie ain't your friend
Look who took you under
With seven inches in
Blood is on the dance floor
Blood is on the knife
Susie's got your number
And Susie says its right
 
君はスージーの思うがまま。
スージーは君の友達じゃない
ごらんよ7インチの深さで君を傷つけたのは誰だい
ダンスフロアーに血が流れている
ナイフには血
スージーは君の運命を握っているんだ
スージーは当然の報いよ、と言うだろう
 
 
2バース: 
Aメロ:  (語り手)
 
She got your number
How does it feel
To know this stranger
Is out to kill
She got your baby
It happened fast
 
If you could only
Erase the past
 
あの子は君の運命を握っている。
どんな気持ちだい?
この見知らぬ女は殺しにやってくるんだ。
どんな気持ちだい?
彼女は君の子供を宿した
あっという間だったね
 
過去を消すことができたらいいのに
 
Bメロ
ブリッジ
コーラス
*以上はほぼ1バースと同じ
 
コーダ(エンディング):(僕)
 
It was blood on the dance floor
(blood on the dance floor)
It was blood on the dance floor
(blood on the dance floor)
It was blood on the dance floor
(blood on the dance floor)
It was blood on the dance floor
(blood on the dance floor)
 
And I just can't take it
The girl won't break it
Ooo...
 
ダンスフロアの血
(ダンスフロアの血)
 
〜 僕は納得できない
でもあの子はあきらめないだろう


「狂気のスージー」が暗示するものは、

 

  • メディア
  • TS
  • パパラッチやストーカー
  • 友達面をし、たくらみをもって近づく人たち(後年のバシールなど)・・・。

 

過去を消すことができたらいいのに・・・、心臓の絵の上に描かれた「SUSIE + ME」に

ナイフが突き刺ささります。

 

最後に、コーラス部、下線を引いたところが気になります。

彼女が刃渡り7インチで刺したのは、いったい誰だったのか?という疑惑。

脳には、ゲシュタルト心理というものが働いて、かけた部分、あいまいなところを
無意識に補い、その結果、人は収まりのいいロジックやイメージを描きます。
だから、普通に考えれば、ストーキングの標的〔僕〕なのだろうけど、
この歌詞のあいまいな表現に、あえて別の可能性をが想像されうることに、

震撼としたのです・・・。

 

ここで、歌詞の世界を現実のMJに引き寄せて考えてみます。

Susie got your number ― スージーは君を支配している、という部分。

おなかに子供を宿したスージーは男(MJ)の本性*をつかみ、
実は7インチの傷は自分に向けてつけたもの、であるとしたら。

それが一番、男を傷つけ、貶めることを知っているから。

* 子供を傷つけるくらいなら、自分の手首を切る、ような人。

 

この場合、まさにチャンドラー父親を髣髴とさせます。自分の要求に応じない
(いいなりにならない)MJへの報復、金銭への異常な執着
その手段に自分の子供を人質にとり、子どもの人間性を奪ってまでわが欲望を満たそう、

という、異常性、狂気を暗示している、とも思えるのです。

 

ファンタジーと、現実のMJの世界が交差したとき、そこから、
つかみどころのないホラーな空気が漂うようです。


メンテもされず、放置されたままのネバーランド。カリフォルニアの不況も手伝ってか、州立公園だの、音楽学校になるといった話もその後聞かれない。主人を失い、もはや幽霊でも住んでいそうな屋敷が「ゴースト」のマエストロのお城と重なる。。。
イメージ 1朽ち果てたドアを開ければ、マエストロが優美に微笑んで出迎えてくれるかもしれない。そんなマエストロにまた会いたくなった。
そしてビデオを見てから半月。あれこれ思い浮かんだけど、なかなかうまく言葉にならなくて、今ようやくまとまったので記事にします。
97年にリリースされたSFゴースト。チャンドラー・スキャンダル以後、いっそうひどくなったバッシングの嵐。検察 (District Attorney)のトム・スネドンを模した市長に「お前は化け物だ」とまで言わせ、当時MJを取り巻いていた状況が想像できる。
今回はふたつのことを中心に。
ひとつは、その世間のバッシングに対するMJのリスポンス。
ふたつめはMJの「擬似家族」思想(これは私の造語)。
SFでは、家長であるマエストロと擬似家族が描かれている。 この世に思いを残し、さまようゴーストたちがマエストロに導かれ、安寧の棲家を得た。擬似家族 ― 血縁がない家族。心のボーダーを広げれば、世界中の誰とでも家族になれる。私生活でも世界中に擬似家族を作っていた。 マイケルのこの思想は「ゴースト」にも鮮明にみてとれる。
マエストロは幽界と現実の世界をつなぐ仲介者であり、「異形のもの」の代弁者。家長として、自分たちを追い出そうとする世間・権力と戦う。武器はスリルなマジックと魅惑のダンス。MJはまず死神の姿で登場。 幽霊たちの華麗な群舞を披露したら、「この姿が、君たちが期待している僕でしょう?」  とばかりにモンスターに変身する。そして散々怖がらせた後、「今のは夢だよ」といわんばかりにモンスターの仮面を打ち砕く。
複雑で指先まで繊細なダンス。コミカルであったり、エレガントであったり、緩急自在の動き。さらに過去のダンスシーンからMJシグニチャーがちりばめられている。 視聴者はあらためてMJのレガシーに思い至る。そして、「さあ、ほんとに自分に消えて欲しいの?」と問いかけられたとき。。。SFの中の町の人々の表情に現れる困惑。マエストロの肉体が粉々になって消えてしまったとき、「NO!行かないで」と声にならない叫びに、共振するのではないだろうか。
“メディアに作られたイメージを払拭してください。自分の作品を見て、ほんとの僕を感じてください。” そういうMJの思いが伝わってくる。
ここで「ゴースト」の歌詞を見てみよう。(市長はこの曲で強引に踊らされます。)
メロディ(1)は得体の知れないもの(ゴースト)が家の中に忍び寄り、徘徊する様子。(この部分は「IS IT SCARY?」 のメロディ(1)とほとんど同じ。) ゴーストはたとえば、警察の家宅捜査であり、隠れて盗み撮りをするパパラッチを思わせる。そしてメロディ(2)は次のように和訳できる。
 
僕の家族をおびえさせる。(1) そんな権利誰にあるの?
僕の恋人をおびえさせる。彼女には僕が必要なんだ。そんな権利誰にあるの?
僕の家族の絆(2) を揺るがそうとする。そんな権利誰にあるの?
僕を見るために、侵入してくる。(3) そんな権利誰にあるの?
君は僕の背中にナイフを刺した(4)。僕めがけて矢を放った。
君はジェラシーという化け物なのかい?(5)
 
(1)  怯えさせる(scare) 傷つける(hurt) 揺るがす (shake) の3ワードが入れ替わってリピートされます。家族を揺るがす、恋人を傷つける、というふうに。
(2)  Family tree― 系図、血統、身元のこと。
(3)  パパラッチ。警察による家宅捜査。
(4)  背中を向けているときに攻撃するのはフェアじゃない。卑怯なやり方でとどめをさそうとする。
(5)  レイシズムの社会で白人コミュニティーの黒人に対するねたみ・そねみはとてつもない悪意へと膨張してゆく。
個人的なうらみ、つらみを語っているようでありながら、しかし、ベールをめくれば、MJの地球規模の思いが表れる。 
「僕の家族」は世界中の擬似家族―「わたしたち」。「僕の恋人」は地球。家に忍び込み、徘徊するゴーストは、戦争であり、犯罪であり、自然破壊である。
ここでも、MJの詞の法則―地球規模の出来事を身近な例でシンプルに例える―が見て取れるのである。
 「市長と町の人々」 vs 「わたしたちお城の住人」という構図を現実の社会におきかえれば、さまよう幽霊たちは戦災孤児や難民、社会システムの犠牲者、差別を受ける人々のメタファー。歌で言えば、“What about Us?”  (アースソング) や、“They Don’t care about Usの Us (わたしたち)。 忘れられ、置き去りにされてきた人々をMJは「わたしたち」と呼ぶ。つまりMJは、その「犠牲者」の側に立とうとする人間なのでしょう。 ここに描かれたストーリーはマイケルが現実に担おうとしてきた、ゆるぎないミッション。それをシンプルにビジュアル化してみせたのではないか、と思う。 
しかしながら、SFにこめられたMJの意図とはべつに、その作品は極上のエンタテインメント。スリルとユーモア が半々。 コッポラ監督がキャプテンEOで使用したストラティジー。EOの撮影現場でスポンジのように監督のマジックを吸収したに違いない。

イメージ 2
職場近くの公園。マザーグースとカナディアン・ギース(両親と4羽の子)の擬似家族。マザーは親のように子どもたちを見守っている。

 


1.Is It Scary? のセカンドメロディの歌詞―
     I’m gonna be exactly what you wanna see.  It’s you who’s taunting me.
2. 気づいたものだけでも、スリラー(肩をくいっと持ち上げる動作)、バッド(口を拭う仕草)、うつ伏せセクシースタイル(TheWay You Make Me Feel)、 スケルトンダンスではBJ(ムーンウォーク、ステップ)、MTVデンジャラス(両手を組んでチャップリンのアクション、肩の埃を払う仕草)などなど。
3. マエストロが彼の身体に入り込む場面がある。市長は町の人々の手前、自分は大丈夫、と言わんばかりに、両手を広げて親指を立てようとするけど、どうも身体が言うことを聞かない。自分がコントロールされている姿を見せまいと必死に抵抗する。そのうち勝手に身体が動き、踊り始め、ムーンウォークまでやらかす。そのあたりの演技がコミカルで秀逸。俳優MJも凄い、と思った。

 

おまけコーナー
MY FRIENDMICHAEL」のエピローグより: 
マイケル没後、カッシーオ家ではいろんな人が廊下を歩いているマイケルを見たという。母親は超常現象を信じない人であるが、キッチンで皿を洗っているとき、マイケルが側を通り過ぎて、「ハーイ、コニー」と言ったそうだ。著者自身もマイケルの気配をまま感じる、という。フォレストローンの霊廟で心の中でマイケルに語りかけた帰り道、風もない屋内なのに、白い花弁が足元にひらひら舞い降りてきた。それをマイケルからの答えだと、フランクは思ったそうだ。
MJのハウス・リミックス
アルバムBLOOD ON THE DANCE FLOOR: HISTORY IN THE MIX (1997年)。 
新曲としては、タイトル曲他以下の4曲。
MORPHINE
SUPERFLY SISTER
GHOSTS
IS IT SCARY
タイトル曲「BOTDF」と「ゴースト」はアルバム「DANGEROUS」のプロデューサーのひとり、テディ・ライリーとマイコーの共同プロデュース&ソングライティング。この2曲は私の中で傑出してるんだけど、やはりこの頃二人の息はぴったり。マイケルと仕事して一山越えた人だからね、テディ氏。(過去ログ:テディ・ライリーが語るアルバム『デンジャラス』 )   
そして次の8曲(オリジナル・バージョンは「ヒストリー」に収録)がヒップホップおよびハウス音楽にリミックスされている。
SCREAM LOUDER (FLYTE TYME REMIX)
MONEY (FIRE ISLAND RADIO EDIT)
2 BAD (REFUGEE CAMP MIX)
STRANGER IN MOSCOW (TEE’S IN-HOUSE CLUB MIX)
THIS TIME AROUND (D.M. RADIO MIX)
EARTH SONG (HANI’S CLUB EXPERIENCE)
YOU ARE NOT ALONE (CLASSIC CLUB MIX)
HISTORY (TONYMORAN’S HISTORY LESSON)
このヒップホップ+ハウスの音楽に、マイケルはなぜこの時期惹かれていったのだろうか。

イメージ 1ウィキペディアによればハウスミュージック (本来、クラブでダンスを楽しむために作られた音楽)そのものは1980年はじめにシカゴで生まれ、80年代中盤にはアフリカン・アメリカンやラテン系アメリカン、ゲイのコミュニティーに人気のあったディスコティークでまず人気を得た−とある。

そしてシカゴからデトロイト、ニューヨーク、ロス、マイアミに広がり、ヨーロッパへ。1990年なかばまでには世界的にポップとダンス音楽の主流に取り込まれていった。



マイコーのヒップホップなファッション。このような服を着ても、どうしてもお上品になりますね。




イメージ 2この頃には最新のコンピューター技術でいろんな音が合成できるようになって、ハウスはその技術を駆使して作られる音楽。当然そのインダストリアルな最新テクを身に着けた若手のプロデューサーが注目され起用され活躍することになる。テディ・ライリー (1967 - )や「インビンシブル」のロドニー・ジャーキンス (1977 - ) 。タッグを組んだ彼ら若手プロデューサーの影響があったことはおおいに考えられる。
 Qさま主催のヒップホップ雑誌バイブのフォト撮りで。どうみてもおぼっちゃま。たたずまいがやはりお上品。ストリート系にはどうしても見えません。。。




ラストの曲。ヒストリーをリミックスしたのはDJのトニー・モーラン。ニューヨーカーである彼は、グラミーにノミネートされたこともあるリミキサーでありプロデューサー、シンガー&ソングライター。コンサートでも披露されるダイナミックなポップ音楽「ヒストリー」が
DJ・トニーモーランのミックスにかかると、ほら、こんなアップテンポのダンスミュージックに。。。

上の写真検索中に、とてもレアなビデオを発見。雑誌バイブの写真撮りの風景。個人的に大変うれしく感激いたしました。なぜって??Qさまとマイコーの「感激対面萌えハグシーン」が見られるからです。こんな貴重なビデオをアップしてくださる世界のマイコーファンの皆様にいつも感謝しております。。。ということで、次回の記事のテーマに。なんかわくわくする・・・。わたしってば、ホントに単純ですね。

イメージ 1アルバムBlood on the Dance Floor:
HIStory in the Mix は、1997年5月20日にリリース。
・・・・・・・・・
レコーディングは1996−1997年というから、ヒストリーツアー
の合間を縫っての収録ということだ。75:57の長さ。
制作には、ニュージャックスイングのテディ・ライリーや、
ジミー・ジャム&テリー・ルイス、ダラス・オースティン、
ビル・ボットレル、デビッド・フォースター、R・ケリーの
ほかに、妹ジャネット(6曲目。リミックスのSCREAM LOUDER)
も加わった。

トラックリスト

前作HIStoryから5曲の新曲と8曲のリミックスからなる:

#  Title ////////////////////////////////////Writer(s)        

1. "Blood on the Dance Floor"//////////////////MJ, Teddy Riley
2. "Morphine"//////////////////////////////////MJ
3. "Superfly Sister"///////////////////////////MJ, Bryan Loren
4. "Ghosts"////////////////////////////////////MJ, T. Riley
5. "Is It Scary"///////////////////////////////MJ, James Harris III, Terry 
Lewis

6. "Scream Louder (Flyte Tyme Remix)"//////////MJ, Janet Jackson, J. Harris III,
T. Lewis
7. "Money (Fire Island Radio Edit)"////////////MJ
8. "2 Bad (Refugee Camp Mix)"//////////////////MJ, Bruce Swedien, Ren?? Moore, Dallas
Austin
9. "Stranger in Moscow (Tee's In-House Club Mix)"////////MJ
10."This Time Around (D.M. Radio Mix)"/////////MJ, D. Austin
11."Earth Song (Hani's Club Experience)"///////MJ
12."You Are Not Alone (Classic Club Mix)"//////R. Kelly
13."HIStory (Tony Moran's HIStory Lesson)"/////MJ, J. Harris III, T. Lewis

個人的にBOTDFとGHOSTSが気に入って(どちらもMJ+テディ・
ライリーだ!)アルバムを購入。リミックス8曲は新曲に比べ
格別にライトテイストなアレンジ。“クラブで踊ろうよ”
バージョン。イージーリスニング風で、これはこれで好き
である。でもコンセプトが掴みにくいアルバムだなと思った。

メディアの反応


たとえば、ニューヨークデイリーニューズは、アルバムの
テーマを次のように解釈した。

「肉食系の女性、嫉妬深い雇われ人、うそつきのメディアが
彼を悩ませ続ける。彼はまた犠牲者の役回り−世界で最も力
のない億万長者−を演じている。無邪気な彼自身に襲い掛か
る陰謀を弱々しく訴え嘆いているようだ。」

(タイトル曲について)「ジャクソンはボーカルの代わりに、
一連のしゃがれたような低いつぶやき声や小さいしゃくり声
を吐き出している。一方で冷たく響く、人工の金属的な音楽
が偏頭痛のように訴えかけている。」

ザ・ダラス・モーニング・ニューズは、アルバムの焦点が以下
にあると書いた。

「冷たい心のSUPERFLY SISTERやGHOSTSやBLOOD ON THE DANCE
FLOORに登場する、中傷好きの女性たち、に関する怒りに満ち
た話。新曲5曲のうち3曲は、性悪な精神病的な元恋人たちの話。」


ということで、評論家のお力を借りて、アルバムコンセプト
がわかった気がするね。

ミュージックビデオ:BLOOD ON THE DANCE FLOOR


それでは、性悪で嫉妬深くて中傷好きで肉食系のスージーを
歌ったタイトル曲行きましょか。音楽ビデオより。場所は
サルサクラブ。マラカスを振るマイケル。終始スージーに翻弄
されているような・・・。


イメージ 2タイトル曲は最初のシングル
として、1997年3月21日にリリース。肉食系スージー
はマイケルを誘惑して油断させ、ナイフで彼を刺そう
(!)とする、というプロット。
曲の構成はロックからファンクそして、もちろん
ニュージャックスイングまで変化に富む。

ライブ:BLOOD ON THE DANCE FLOOR


タイトル曲はHIStoryツアー後半で(2nd leg)で歌われた。
HDのGothenburgでの映像から。

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