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聖者の行進
*以前投稿した記事の改訂版です。
ゴスペルやジャズのスタンダードとして親しまれている「聖者の行進」。
スピリチュアル(霊歌)から発生したもの、といわれているが原曲は不明。
いろんなアレンジがあるけど、アップテンポのジャズバージョンは元気になる。
どんな意味なんだろう、とずっと気になっていたので、この歌にまつわる、
あれこれを探訪します。
まず、意外だったのは、この曲が葬送曲としても使用されていること。
何故葬儀にふさわしいのか、は後述の歌の解釈であきらかになります。。。
たとえば、南部ルイジアナ州のニューオーリンズでは、音楽葬が伝統的に行われています。埋葬までは挽歌(dirge)を演奏し、それが終わると、バンドは一転してデキシーランドや流行の音楽に切り替えて演奏。ニューオーリンズの音楽葬。どのようなものか、映画007「Live& Let Die」(1973)にそのシーンを見ることができます。
73年当時ハリウッドでは、ブラックスプロイテーション (Blaxploitation)という黒人の地位向上のための運動が起こりました。「黒人俳優によい役を振り、良いイメージを喚起する」と辞書にあります。このロジャー・ムーア主演のボンド映画もその影響をうけたひとつ。主役級のボンドガールではないけれど、初めて黒人女優がボンドとロマンチックなシーンを演じました。
中心部のフレンチ・クウォーターとともに観光でにぎやかなジャズの聖地ニューオーリンズ。しかしながら、ここ数年ハリケーンやガルフ湾のオイル漏れ、ミシシッピ川の氾濫は、ルイジアナ州に多大な被害をもたらしました。
ジャズナンバーとしてこの曲を広く知らしめたのはルイ・アームストロング。
彼が生まれた1901年当時のニューオーリンズでは、ミュージシャンは葬儀のバンド演奏を始めとして、地域行事に密接にかかわり、地位と尊敬を得ていました。
幼いルイもそんなクールな音楽家にあこがれたひとり。その後、彼はアメリカのスタンダードとなる『歌唱法』を生み出し(それはシナトラやビング・クロスビーらに受け継がれた)、1930年代、この曲をスイングで歌ったのです。
詩の意味
伝統的な原詩はウィキ によれば、黙示録の世界をイメージし、天国に行きたいという願望を歌ったもの。最後の審判がくだされ、聖者が天国へ通じる門に入ってゆく、その姿をTheSaints Go Marching In と歌った、ということです。
ポップカルチャーでは、この天国の門は雲に浮かぶ、大きく白い鉄の門として描かれ、聖者ピーターが門番をしており、天国にふさわしくない者はここで地獄に落とされる、という怖いところ。だから、聖者の一行に紛れ込んで行けば、まちがえなく天国に入れるわけです。
Oh lord I want to be in that number
「神様、天国に向かう聖者の列に自分も加えてください。」と、祈る。
だから現世を去り、天国へと向かう魂を送るにふさわしい歌なんですね。
ゴスペル音楽の定義は文化やコミュニティーによって変わるけれど、
宗教儀式やエンタテインメントなどさまざまな目的で作られ、演奏されます。
そのテーマ自体は、カソリックの場合、神様、キリスト、ホーリースピリット
(三位一体)を称え、感謝や崇拝の気持ちを表すもの。
ゴスペルバージョン「聖者の行進」。0:40から。
ブルースバージョン。B. スプリングスティーン他:
「聖者の行進」そのほかのバージョン:
ジェリー・リー・ルイスのロックンロール
デキシーランド
ブルーグラス
など。。。歌詞がそれぞれ違い、いろんな表情を持つ「聖者の行進」です。
訳例 (拙訳: with the aid of J.S )
〜 神様の黙示を受け、聖者が行進するとき。
この荒んだ世が終わり、新しい理想の世界がやってくる。
そこは支配者も戸外で労働し、皆平等に食べ物が得られ、
環境汚染もない世界。。。だからつらい現世とおさらばして、
新しい世界で暮らせる日を心待ちする・・・。
現世の終わり、は「命の終焉」。新しい理想の世界というのは、
つまり「天国」。「生涯を終え、いま天国に向かって旅発つ。
どうか無事に天国に入れますように。」と神様にお願いする歌。
(輝きをやめた太陽)と(血で染まった月)は「現世の終わり」を
表現したもの。〜
We are traveling in the footsteps 俺たちは先人が通った跡を
Of those who’ve gone before 旅している
But we’ll all be reunited でも俺たちは再び力を合わせよう
On a new and sunlit shore 光が降り注ぐ新しい地で
Oh when the saints go marching in あぁ 聖者が行進するとき
When the saints go marching in 聖者が行進するとき
Oh lord I want to be in that number あぁ 神様 あの聖者の行進に
When the saints go marching in 俺も仲間に入りたいよ
And when the sun refuse (begins) to shine 太陽が輝くのをやめたとき(輝き始めたとき)
And when the sun refuse (begins) to shine 太陽が輝くのをやめたとき(輝き始めたとき)
Oh lord I want to be in that number あぁ 神様 あの聖者の行進に
When the saints go marching in 俺も仲間に入りたいよ
When the moon turns red with blood 月が血で赤く染まったとき
When the moon turns red with blood 月が血で赤く染まったとき
Oh lord I want to be in that number あぁ 神様 あの聖者の行進に
When the saints go marching in 俺も仲間に入りたいよ
On that hallelujah day 神を讃える日
On that hallelujah day 神を讃える日
Oh lord I want to be in that number あぁ 神様 あの聖者の行進に
When the saints go marching in 俺も仲間に入りたいよ
Oh when the trumpet sounds the call トランペットがこの世の終わりを告げるとき
Oh when the trumpet sounds the call トランペットがこの世の終わりを告げるとき
Oh lord I want to be in that number あぁ 神様 あの聖者の行進に
When the saints go marching in 俺も仲間に入りたいよ
Some say this world of trouble だれかいってた。この厄介な世の中が
Is the only one we need 俺たちの唯一生きる場所だってね
But I’m waiting for that morning でも俺はその朝を待っている
When the new world is revealed 新しい世界が現れるそのときを
When the revelation (revolution) comes 神の黙示(革命)がくだされたとき
When the revelation (revolution) comes 神の黙示(革命)がくだされたとき
Oh lord I want to be in that number あぁ 神様、あの聖者の行進に
When the saints go marching in 俺も仲間に入りたいよ
When the rich go out and work 金持ちが外で働く
When the rich go out and work 金持ちが外で働く
Oh lord I want to be in that number あぁ 神様、あの聖者の行進に
When the saints go marching in 俺も仲間に入りたいよ
When the air is pure and clean 空気がきれいに澄んだとき
When the air is pure and clean 空気がきれいに澄んだとき
Oh lord I want to be in that number あぁ 神様、あの聖者の行進に
When the saints go marching in 俺も仲間に入りたい
When we all have food to eat みんなが食事にありつけるとき
When we all have food to eat みんなが食事にありつけるとき
Oh lord I want to be in that number ああ神様、あの聖者の行進に
Whenthe saints go marching in 俺も仲間に入りたいよ Whenour leaders learn to cry 指導者が涙を知ったとき Whenour leaders learn to cry 指導者が涙を知ったとき Ohlord I want to be in that number あぁ 神様、あの聖者の行進に Whenthe saints go marching in 俺も仲間に入りたいよ 新しい世界=天国のような理想の世界とは。。。
皆平等に労働をし、食料も十分にいきわたり、リーダーたちも他者への思いやりをもった、世界。ということは戦争も環境汚染もない平和な世界。
まるで革命歌のようでもありますね。 end |

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