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美声学ブログ(松尾篤興のブログ)
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=美声承り候=

007:美声で歌おう(2)「青い山脈」
 
実技の話に入りますが、その前に話の進め方について説明しますと、楽譜の画像をクリックすれば4小節単位の譜面が出てきます。ここに必用な解説を再度書き込みますので、譜面と照合しながら読み進めて下さい。尚小節の左端にある数字は小節数を表します。
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14小節
短調の曲なのに躍動感のある活発な表現をするためにも1小節目の付点音符は寧ろ複付点音符くらいのつもりでリズミックに。3小節目のドラソファファの音程はピッチを正確に取る事によって音の分離が奇麗に表せ、レガートに歌えるでしょう。無理に16分音符を表現しようとするとu ta ha go eのように[h]の子音が入る恐れがあります。
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58小節
5小節目と7小節目の跳躍が音程を確保しようとして乱暴にならぬ様注意が必用です。特に「花も咲く」は「も」を強く歌ってしまうと「花模索」になりかねません。
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912小節
この4小節はレガートに朗々と歌えば大自然の雄大さは表現できるでしょう。9小節目のソを歌うために[h]が入って乱暴にならぬ様、11小節目のレ〜ファの跳躍も押し上げる事なくピッチを正確に取ることに留める事で、滑らかに歌えるよう留意しましょう。
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1316小節
14小節目の「ざーくー」のレガートもレの音を歌って次のドのピッチを正確に歌う事に留めれば良く、次のレ〜ミも同様の処理が必用でしょう。要は音程の変化が明確ならば自ずとリズムも出ると云うわけです。
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1720小節
1720小節に出てくる16分音符の分離を明確にする事によって活発な表現はできますが、その為に乱暴になったり[h]の発音が入ったりして「そらハのはて」や「われヘらの」などの歌い方にならぬ注意が必用です。音符の分離を明確にするためにはピッチを正確に歌えば自ずとリズムもはっきり出るようになります。
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2125小節
お気付きでしょうが他のパッセージは4小節単位で書かれているのに最後の部分だけは5小節、つまり字余りになっているのです。本来この当時の作曲技法ならば当然24小節で纏められていた筈でしょうが、これについては服部良一氏に伺う以外真意は解りません。
21小節と23小節の付点8分音符と16分音符を複付点音符気味に歌う事で最後の締めくくりが更に闊達なものとなるでしょう。23小節目「ゆめーをよぶ」の跳躍を乱暴に歌うと「夢及ぶ」と聞き取られる心配もあり得ますので、レガートで語尾の「を」が寧ろdimするくらいの歌い方が適切だと思います。

歌は楽しく晴れ晴れと歌えればそれで良いのでしょうが、クラシックの技術を持って生の声で大きな会場で歌うとなれば、それなりの歌唱技術を習得しなければならないのは云う迄もありません。マイクと云う音響器具がありながら生の声で歌うのは時代錯誤と思われるでしょうが、自分の声のグレードアップには又と無いチャンスでしょう。
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=美声承り候=

2章 美声で歌う実践編
 
006:美声で歌おう(1
 
これまで美声はどの様に創られるかの概論を述べてきました。この章からは今迄述べてきた論理を踏まえ、美声で歌うための実際についてお話したいと思います。クラシックの発声技術を用いて歌を歌う場合に使用される曲と云えばイタリア歌曲やドイツリートを想像される事でしょうが、ここでは我々の生活に馴染んでいる日本の歌、それもいつの時代にも人々に口ずさまれた日本の歌謡曲をテキストに取上げてみたいと思います。
歌謡曲ではクラシックの歌ほど発声法や歌唱様式に捕われず、寧ろ歌手の持ち味や特徴などを前面に出して曲をアピールする傾向が強く感じられます。これは何も日本の歌謡曲に限った事ではなく、欧米のポピュラーミュージシャンの歌唱にも同様な事が云えるのではないでしょうか。例えば歌手ではありませんがルイ・アームストロングの声は到底美的なものとは思えませんが、あの濁声だからこそ曲の味が出てくると云った具合です。
この様に歌謡曲の歌唱価値は歌唱技術の善し悪しよりも歌手の人間性や持ち味などが主たる価値であり、言って見れば歌手の癖が寧ろその歌の価値観に通ずるものであったと云えるのかもしれません。
今回のテキストは藤山一郎のヒット曲「青い山脈」を取上げてみました。藤山一郎氏は1929年東京音楽学校入学(現在の東京芸術大学)の先輩であり、国民栄誉賞、紫綬褒章、勲三等瑞宝章などを受賞した国民的歌手として名を馳せた歌手である事が歌謡曲の世界に於いてもクラシックの歌唱技術を十分に生かした正統派の歌唱技術が彼の歌を「楷書の歌」と評するようになったのではないでしょうか。この様な意味でも藤山一郎氏の持ち歌をクラシックの技術で歌う試みには最適のテキストと云えるのです。
テキストの「青い山脈」はご存知のように石坂洋次郎の小説を映画化した時の主題歌を西条八十が作詞、服部良一が作曲したものですが、青春映画の主題歌にしては2/4拍子ハ短調で書かれています。他に「高校三年生」や「学生時代」などの青春物の作品も、何故か短調で作曲されているのは青春と云うものの、溌剌としている中に何となく物悲しい甘酸っぱい側面を伝えようとしているのかも知れません。

この曲で使われている音域は原調で一点ハ(ド)〜2点変ホ(ミ♭)迄の1オクターブと短3度ですので、それ程音域の広い曲ではありませんが、このように短調で書かれた歌を如何に溌剌と表現するかがこの曲の最も大事な味付けであり、それによって同時に甘酸っぱい若さも表現できるのではないでしょうか。その為には各音符の歯切れの良い歌い方と共にレガートなパッセージを織りなして行く、きめ細かい歌唱技術が求められる事でしょう。更に音程の跳躍の処理の難しい技法も習得しなければなりますまい。

この様に普段私達が今迄何気なく口ずさんでいる歌謡曲もクラシックの技術を取り入れてみると、今迄気楽に歌い放していた音楽がこれ程きめ細かい難しい技術を持って歌唱に当たらねばならぬかを思い知らされるでしょうが、それと云うのもクラシックの技術を取り入れる事によって、あなたはどんなに大きなホールで歌う時でも、全くマイク無しの生の声で歌を披露する事が出来る技術を手に入れられるに他ならないからです。


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=美声承り候=

005:声に関わるその他の器官
 
美声についてこれまで息や声帯について述べてきました。今回はそれ以外にも声に重要な影響を与える器官について考えてみたいと思います。先ず考えなければならないのが声の出口である口腔の問題です。口の中の容積が大きい程声の響きが増す事は、スピーカーボックスが大きい程スピーカーの性能は生かされる様に、通る声を作り上げる為の重要な条件だと云えましょう。人はこの事を本能的に持ち合わせていて、例えば遠くの人に呼び掛けるような場合、普段の会話の時よりも更に口を大きく拡げ、両手を口に当ててメガホンの様な効果を作って大声で呼び掛ける事を知っているのです。これは遠くの人に呼び掛ける為には怒鳴り声のようにただ単に大きな声を出せば良いと云うのではなく、遠くに通る音声を生み出す工夫が本能的に凝らされている事を示しています。
では遠くへ声を届かせるにはどのような知恵がはたらいているのでしょう。先ほど口の中の容積が大きい程声の響きは増すと述べましたが、口腔内部の上壁を硬口蓋、その奥を軟口蓋と呼び、更に奥には通称喉ちんこと呼ばれている口蓋垂があります。硬口蓋は硬い粘膜性の襞ですが、軟口蓋は柔らかい粘膜性の襞で覆われています。軟口蓋は口蓋汎挙筋によって引き上げられ、その奥にある口蓋垂を動かす口蓋垂筋が口蓋垂を引き上げる事によって軟口蓋が広がるのです。口蓋垂を引き上げるには驚いた時息を飲むと云う様に、急に早く息を吸い込めば反射的に口蓋垂は持ち上げられ軟口蓋も広がるようになります。
誰でもこのように驚いた時の息遣いをすれば反射的に口蓋垂は引き上げられ、軟口蓋も広がるため口腔内の容積は増え声の響きも良くなるのは間違いないのですが、残念ながら驚いた時の息遣いとは飽く迄も息を吸う時の話で、声を出す肝心の息を吐く時のものでは無い事に気付くでしょう。
ではどうすれば呼気の時に口蓋垂を引き上げる事が出来るでしょう。鏡の前で驚いた時の息遣いをしてみると表情に変化が現れます。それは眉が上がり瞳孔が開くのに気付く筈です。この反射を利用して呼気の時に眉を上げ瞳孔を開いて声を出す事が出来れば口蓋内が広がった響きの良い声が出るようになるでしょう。発声技術を学ぶ時に教師が「目の奥を開けて」とか「頭を開いて」などのイメージトレーニングを与えるのは、この口蓋汎挙筋や口蓋垂筋の動かし方のトレーニングを伝えようとしているのです。
声の響きや伝達力は口腔の響きだけではなく、鼻腔の響きも疎かにはできません。鼻腔とは鼻の中にある空洞を指しますが、その他に副鼻腔と呼ばれる鼻腔周辺にある骨の中にある空洞も声の響きに一役買っている事を忘れてはいけません。

コーラスなどで良く歌われるハミングは楽譜の表示がHumとなっているために、合唱指導者は口を噤んで口腔内を大きく拡げ[m]の発音でハミングを歌うよう指導しますが、このやり方では口を噤んで口腔内を大きく拡げているため、例え[m]の発音でも声の出口が無く、籠った音声が響くばかりで一向にハミングの音として聞き取れません。ハミングは飽く迄も鼻腔共鳴に頼らねばならないのですから、[m]ではなく[n]の発音、つまり舌先を上歯につけて呼気を全て鼻に抜くように[n]の発音で歌うべきなのです。口を噤んでいるのですから当然鼻腔から呼気は抜けるのが正論なのですが、ハミングのHumの表示がこの様な初歩的誤解を招くに至ったのでしょう。

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=美声承り候=
004:声帯の使い方
 
前回に続き声帯についてお話ししましょう。前回声量や声の響きはブレスの勢いや量によって演出されるものではないと云う事を知って頂いただけでも本意です。そこで今回は声帯について更に詳しく説明したいと思います。
食道と気管の分かれ目にある喉頭蓋の下に甲状軟骨があり、その中に声帯は位置します。呼吸や声を出す時には喉頭蓋は開いていて口から気管に通じますが、食べ物を飲み込む場合、喉頭蓋と声門は閉じて食べ物が気管に入る誤嚥を防ぎます。これらの反射を利用して声帯を確り閉じて通る声を出す工夫は前回お話しました。そこで今日は声帯についての話ですが、通称喉仏と云われる甲状軟骨の中には声門と呼ばれる声唇や声帯などが収まっている声の出口があり、肺に取り入れられた空気が声帯を通過する事によって声帯は振動し音声が生まれる仕組みになるのです。甲状軟骨は茎突咽頭筋(引き上げ筋)や胸骨甲状筋(引き下げ筋)などによって宙吊りになっているので、喉仏が動くのはこれらの筋肉による影響を受けた結果なのです。
声帯は一対の紐の様な靭帯で出来ていますので、そこへ息が流れれば振動し音声が生じます。音程が高くなれば声帯は伸びて薄くなり、音程が低くなれば声帯は約まるのは弦楽器の弦が細い程高音は出易く、弦を巻き上げると音は高くなり、太い弦の張力が緩い程、音程は低くなる道理を考えれば得心が行くのではないでしょうか。
声帯のある甲状軟骨の下には輪状軟骨がありこれも輪状甲状筋によって繋がっています。言って見れば声帯が収まっている周辺の軟骨は様々な筋肉によって繋がれているために喉仏は可動し色んな声を作り出す事が出来ると云うものです。イタリアの発声技術の中にAcutoと云う発声技術がありますが、これらは正に甲状軟骨が筋肉によって繋がれている可動性の器官であるのを十二分に利用した発声法と云わざるを得ません。また声帯には声帯筋と声帯粘膜が存在しますが、大雑把に分類すれば、声帯筋が振動すれば地声(女声の場合は胸声、男声の場合は実声)が生まれ、声帯粘膜だけが振動すれば裏声(女声ならば頭声、男声ならばファルセット)が歌える仕組みになっています。
男声の実声、つまり変声後の男声の声そのもので高音域も歌うのは今や常套手段とされていますが、19世紀中頃までは男声の高音域はファルセットで歌う、所謂カウンターテナーであるカストラート(男声の変声を防ぐために子供の頃から睾丸を除去して仕立てたテノール歌手)が全盛だったのです。これとは逆に20世紀以前の女声の高音域は大部分が頭声(女声の地声ではない男声のファルセットに相当する声)によって歌われていましたが、20世紀になってプッチーニやヴェルディなどのドラマ性の高い作品が世に出る様になってからと云うもの、女声の高音域も男声と同様、低音域の地声から高音域までを一色の響きで表現する発声技術に取って代わる様になりました。
今迄お話ししてきた事はイタリアの発声技術Belcantoの歴史でもあり、このベルカントさえも19世紀中頃を境にベッリーニやロッシーニのベルカントオペラからプッチーニやマスカーニ、ヴェルディなどのヴェリズモオペラの作品が発表されるに至って、カストラートオペラ歌手は姿を消し、男女の発声技術も従来のものとは全く変わってしまったのを見て取る事ができましょう。

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=美声承り候=
003:声帯と息
前回、寝息の話をしました。と云うのも従来日本に於ける発声技術の柱はブレスの圧力や量に軸足を置いたものであったのを、1965年に芸大音楽学部声楽科に入学した私は痛い程叩き込まれた経験によるものです。当時芸大はドイツ音楽全盛であり外国人講師全員ドイツ人でしたのでイタリアのベルカント唱法などは話題にもならなかったのです。当時の発声技術の習得と云えば腹筋を鍛えるためにグランとピアノを腹筋で動かしたり、丹田に力を入れて高音域を支える練習をしたり、所謂身体の筋肉を使った強化法が主流であったと思います。声量を増し高音域を出すには、先ず筋肉を鍛えブレスの圧力や量を増やすことが最優先に置かれた時代だったのでしょう。そんな1959年東京宝塚劇場で開かれたNHKイタリア歌劇団日本公演は我が国に於ける西洋音楽の黒船来航に等しい出来事に違いありません。以来日本の声楽界はベルカント一色に染まっていったのです。
確かにブレスの圧力を強め息の量を増やせば声量は増すと云うものです。しかし必ずしも美しい声が出るとは限りません。怒鳴り声などでも分かるように、歌に必用な楽音ではなく、そこには噪音や雑音がまじっているからに他ならないからです。更に具合の悪い事には息の圧力や量を増やしすぎると声は割れてしまいます。ラッパの音を大きくするために息の量や圧力を増して吹けば音は割れて出ないのと同じ理屈です。
声帯は粘膜と筋肉から出来ている一対の声帯ヒダからなりたっています。この声帯を包む自在に動く筋肉を声唇と云い、声唇によって声帯ヒダは開閉し音声を作り出すのです。前回述べましたが人にとってストレスの無い呼吸はと問えばそれは寝息に違いありません。最も省エネルギーで人に優しい呼吸と云えるでしょう。しかし寝息は呼吸する場合、吸気呼気共にわずか2秒程の行程ですが、音声を発する場合声帯を閉じなければなりませんので、吸気は2秒ほどでも呼気は信じられぬくらい長い間声は続くものなのです。ここでひとつの疑問が湧くのではないでしょうか。小さな声ならば長い間つづくかも知れないが、大きな声を出すためには息を大量に消費するので声は続かぬのではないかと云う疑問です。
声帯全体を確り閉じて声を出してみると寝息ではノンヴィブラートだった声にヴィブラートがついた強い声が出るのに驚くでしょう。これは声帯を確り閉じたために、そこを通り抜ける息の圧力と量が適正な値で増加するからで、これらによって声が割れたり噪音が混じったりする事はありません。
声帯のある場所を声門と云いますが、声唇によって閉じられた声帯は声門を通って口内から外へ発せられます。食道と気道の分かれ道に喉頭蓋があり息を吸うときには開いて気道に空気を送り、物を飲み込む時には閉じて食道へ嚥下できる仕組みなのですが、喉頭蓋と連動して嚥下する時には声唇も連動し声帯を閉じてしまいます。この反射を利用して声帯を確り閉じるドリルを試してみましょう。
先ず唾を飲み込むつもりで思い切って声を出してみます。(実際唾を飲み込むと声はでません)寝息で出した時のヴィブラートの無い声よりもエッジの利いたはっきりしたヴィブラートを伴った声がでるでしょう。特別息の圧力や量を増やそうと思わなくても適正な緊張と声量のある響きの良い声が出てしまうのに驚かされるかもしれません。もうお分かりでしょう。声量や声の響きはブレスではなく声帯のコントロールに因るのです。

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