八重山教科書問題の真実

八重山を愛する法科院生の会 Kosuke Akiko Kazuo Tomotaka

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八重山教科書問題「協議の結果」の捉え方
 
<問い>
 
文部科学省は「八重山地区協議会の規約に従ってまとめられた結果」(答申)が無償措置法13条4項の「協議の結果」であると主張しているがその見解は妥当か。
 
<答>
文部科学省は、地区協議会が行なった「答申」は「協議の結果」であるとした。そして、答申のとおりに採択しないことは、無償措置法に定める「協議」の結果に従わないことであるから、無償措置法違反にあたるとして、竹富町教委の採択を違法としたのだ。その考えは妥当か。
 
この問いを考える上で2007年愛媛県の事例は参考になる。2007年愛媛県において、今治市と上島町の(教科書採択)協議会は、東京書籍を「協議の結果」として答申した。しかし、今治市と上島町の両教委は、その答申を不服として、改めて協議して、扶桑社を両教委の統一教科書とすることを決定し、両教委は最終的に扶桑社を採択した。
 
この事例は、協議会答申が「必ず守るべきもの」ではないことを示している。もし、今治市と上島町の両教委が答申に従ってともに東京書籍を採択していたら答申は“結果として”「協議の結果」であったと言える。しかし、両教委は答申後に改めて協議し、答申と異なる扶桑社を統一教科書にすることを決定した。この場合、答申は「協議の過程」に過ぎず、「扶桑社を統一教科書にする」とした結論が両教委がたどり着いた「協議の結果」である。
 
八重山地区においては、竹富町教委が協議会答申に反発し、八重山地区内の採択は統一に至らなかった。その事態を受けて、3教委の教育委員長が、無償措置法第13条第4項(採択地区内の教育委員会は協議して、同一の教科書を採択しなければならない)を根拠に、八重山地区の全教育委員による全員協議を開催した。

全員協議の有効性については県教委と文科省で認識が異なっている。全員協議を有効とするならば、3教委は全員協議の結論に従った採択を速やかに行なう必要があるはずだ。逆に、全員協議を無効とするなら、3教委の間で統一教科書についての合意は得られてなく、無償措置法13条4項が定める協議は完結していないことになり、統一教科書の合意に向けて、3教委による協議が継続されなければならない。いずれにせよ、協議会答申を「協議の結果」とする文科省の認識にはかなり無理がある。(S.Akiko)
 
 

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