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八重山教科書問題―問題を整理すると
教科書無償法13条4項によれば、3市町教委は「協議」して、「同一の教科書」を採択しなければならないと規定している。ただし、同法は「協議」の方法を具体的に示していない。このことは、同法が「協議」の方法について3市町教委に委ねていると一般的に解されている。通常は、採択地区を構成する市町村教委は協議の方法を事前に合意して、市町村教委が合意した方法によって教科書を採択している。
八重山教科書採択地区協議会の規約によれば、八重山地区の3市町教委が、無償措置法13条4項に基づいて協議し、合意した内容は主に次の①〜④である。
①3教委で協議し、地区協議会の法的性格と権限を決定すること
②地区協議会を、3市町教委の諮問に応じ、採択地区内の小中学校が使用する教科用図書について調査
研究し、教科種目ごとに一点にまとめ、3市町教委に対して答申する諮問機関として設置すること
③3市町教委は地区協議会の答申を受けて、同一の教科書を個別に採択すること
④前記③の採択の結果、同一の教科書が採択されない場合、県教委の指導助言を受けて、3市町教育長
が協議することができること
結局、八重山地区において、規約の合意内容に従って地区協議会が答申した教科書は「育鵬社版」であった。しかし、石垣市教委と与那国町教委は答申に従って育鵬社版教科書を採択するも竹富町教委は地区協議会の運営に疑義があるとして、3市町教委の合意内容③(地区協議会は諮問機関として合意されており、諮問機関の答申に法的拘束力はないこと)を根拠に答申に従わず東京書籍版を採択したため、同一の教科書は採択されなかった。
そこで、県教委は3市町教委の採択は無償措置法第13条4項を満たしていないとして、3市町教委に対して、協議して同一の教科書を採択するように指導助言した。④の協議は一回行われたが決裂し、その後の県教委の再三の協議開催の要請に反して、3市町教委の間で、同一教科書を採択する協議は行われていない。県教委は現在も3市町教委に対して協議するように指導助言している。
なお、④の後に、3市町の3教育委員長の呼びかけによって、3市町教委の全教育委員13名で構成される「全員協議」が開催され、「東京書籍版」の採択が多数決によって採決されるが、文科省は全員協議の決定を無効とし、地区協議会の答申に基づいて採択するよう指導助言した。このことによって、石垣市と与那国町の2市町教委は、「文科省の指導に従う。県教委の指導には従わない。」とし、④の協議を拒否し、現在に至っている。
<<参照>>
(ア)八重山採択地区協議会の規約
第3条 協議会は、採択地区教育委員会の諮問に応じ、採択地区内の小中学校が使用する教科用図書につ
いて調査研究し、教科種目ごと一点にまとめ、採択地区教育委員会に対して答申する。
(イ)教科書無償措置法
第13条第4項 採択地区を構成する市町村教育委員会は、採択地区の学校で使用する教科書につい
て、協議して同一の教科書を採択しなければならない。
(Kazuo)
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