八重山教科書問題の真実

八重山を愛する法科院生の会 Kosuke Akiko Kazuo Tomotaka

全体表示

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全3ページ

[1] [2] [3]

[ 前のページ ]

全員協議を検証する

全員協議を検証する
 
1 全員協議の概要
 
3教委が統一教科書を採択できない状況で、9月8日、「八重山教育委員協会」(会員:八重山地区の13名の教育委員)が開催され、八重山地区の13名の教育委員が八重山教科書問題について意見交換をし、3教委が無償措置法第13条4項に基づく「協議」を開催して、統一教科書を採択する必要があることを全会一致で確認し、「八重山教育委員協会」を閉会した。

その直後に3教委は、統一教科書を採択するための「協議」の方法について、それぞれ個別に会議を持った。そして、さらにその後に各教委の意見(会議の結果)が集約され、13名の教育委員全員の協議によって統一教科書を決定すること決定された。

全員で協議し統一教科書を決定することが合意され、無償措置法第13条第4項に基づく協議が成立したとみなすことができよう。その後、統一教科書について合意形成ができず紛糾し、最終的に東京書籍が、賛成多数(賛成8、反対2、棄権2、欠席1)によって決定された。
 
 
2 全員協議の展開
 
全員協議はその展開によって、次の6つに整理することができる。
 
ステップ(1)
議長(石垣市教育委員長)が「問題を解決するためには協議が必要である。3教育委員会が個別会で協議方法を話し合ってほしい。『3教育委員長による協議』、『3教育委員長と3教育長による協議』、『全員による協議』、『その他』など検討し、提案願いたい」と提案した。
 
ステップ(2)
3教委が議長の提案を受けて各個別会を開催し、会議をした。
 
ステップ(3)
再び3教委の委員全員が集まる。議長(竹富町教育委員長)が各教委に協議方法の提案を求める。竹富町教委が「13名による協議をしたい」、与那国町教委が「合意を前提に13名による協議をしたい」、石垣市教委が「採択結果は曲げない。協議の方法は決まらなかった」と応答した。議長が、「13名で協議を行うことを決定してよいかと提案する。委員から「はい」という声が上がる(ここで異議を唱える者はなかった)。議長が、13名全員で協議し、採択することとすると宣言する。

ステップ(4)
議長が「決し方について協議したい」と切り出す。「全会一致で決するべきだ」、「最終的に多数決を用いることはやむを得ない」「多数決は負けるので認めることはできない」、「多数決を多数決で決めるのか」、「地区協議会の規約改正も多数決で決めた」と紛糾する。「最終的に多数決を了とする者は挙手してほしい」と議長。8名が挙手し、多数決を用いることを議長が確認する。(委員2名が抗議して退席し、80分間中断する)

ステップ(5)
委員1名が再び席に戻り、12名で協議が再開する。議長が、答申について、賛成意見と反対意見を求める。答申否決側と、答申賛成側がそれぞれ意見を述べる。議長が「答申を不採択としてよいか」と諮る。賛成8名、反対4名で答申を不採択とする。

ステップ(6)
議長が、八重山採択地区で使用する教科書について意見を述べてほしいと提案。8名が東京書籍、1名が育鵬社を推薦する。 「東京書籍が多数だが東京書籍を採択してよいか」と議長。賛成8名、反対2名、棄権2名(意思表示をせず)、で東京書籍を採択する。「ただ今の決定は選定か採択か」と委員が確認する。「採択だ」と議長が確認する。議長が閉会を宣言する。
 
3 考察
 
無償措置法は「協議して種目ごとに同一の教科書を採択」とのみ定められており、「協議」の在り方についてそれ以上のことを求めていない。すなわち、「協議」の在り方の決定については3教委に委ねている。一方、八重山地区協議会規約は、協議会を諮問機関として規定し、答申に従わず教科書が統一されない場合の対応については定めていなかった。
 
この事実を踏まえると、統一教科書が採択されていない事態を受けて、3教委の教育委員長が協議して、全教育委員を召集し、統一教科書を決定するための協議の必要性を呼びかけたことも、3教委が3教育委員長の呼びかけに応じて、全員で協議することを決定したことも法の下に是認されなければならないことと言えよう。そして、教科書採択に唯一責任を持つ3教委の全教育委員で構成する全員協議の決定は、重く受け止められなければならないと言えよう。
 
さて、この協議には沖縄県教委もオブザーバーで参加した。県の関与について、県教委が全員協議にに参加し、指導・助言したことは「不当な介入」か。無償措置法第10条は「県教委は適正な実施を図るため」「適切な指導、助言または援助を行なわなければならない」と規定している。県教委の全員協議における「参加」と「指導助言」は法的に是認される範囲のものであり、県教委の指導のもとに紛糾の収拾への努力が図られたと理解できる。県教委は自らの法的責任を果したものと考えることができよう。(Kosuke)
八重山教科書問題で文科省が失ったもの
 
<問い>
 
文部科学省は、竹富町が協議会答申どおりの採択を行わない場合、教科書無償給付の対象としないと表明し、その姿勢を最後まで貫いたが、文科省はそのことによって大きなものを失ったのではないか。
 
<答>
 
文科省の対応で最も是認しがたいことは、竹富町が協議会答申どおりの採択を行わない場合、教科書無償給付の対象としないと判断したことである。なぜなら、文科省は、これまで教科書無償を、憲法第26条第2項の「義務教育は、これを無償とする」という規定に基づくものであると説明し、財務省の「有償化論」に対する唯一の反論の根拠としてきたからである。
 
文科省は、竹富町が答申に従わない場合、無償措置法が適用できず、無償給付の手続きを行うことができないとの法解釈をとった。しかし、文科省は、そのような法解釈によって、これまで主張してきた「無償は憲法上の国民の権利」を自ら反故にした。竹富町の行為が仮に法律違反――私自身は違反行為だとは認識しないが――だとしても、そのことと憲法上の国民の権利を同列に置いてしまった文科省の見識は疑われても仕方がない。
 
結局、文科省の対応については、文科省自ら国の無償給付の原則を崩し、市町村に財政負担を強いたとの見方ができる一方、市町村が財政負担さえすれば、その市町村は市町村単位で自由な採択が認められるとの解釈もできるのである。
 
文科省としては、3教委に対して、「地教行法と無償措置法の2つの法律を満たせ。そのためには何としても協議して統一教科書を決定せよ。協議会答申と全員協議の有効性についても3教委が協議して決定せよ。」と指導・助言すべきであった。八重山教科書問題の対応によって文科省が失ったものはあまりに大きい。(Kosuke)
 
 
八重山教科書問題の混乱の原因
 
<問い>
 
 八重山地区の混乱の原因は何だろうか。
 
<答>
 
8月27日、竹富町教委は協議会答申(育鵬社)に反し東京書籍を採択し、その結果3教委は統一教科書を採択することができなかった。9月8日、3教育委員長は3教委の全教育委員を招集し、全員協議を開催し、東京書籍を3教委の統一教科書とすることを決定した。文科省は八重山地区のかかる動きに対して、9月11日に全員協議の決定は無効との声明を発し、9月14日にも3教委に対して、協議会答申に従って採択するよう求めた。
 
文科省の求めについて、沖縄県教委は以下の理由を上げて直ちに反発した。
 
①協議会答申は、採択地区内の教委の採択権を拘束せず、竹富町教委の採択は違法ではない。
②竹富町教委は答申を拒否することを合法的に意思表明したのであり、3教委はそのことを受けて無償措置法
  13条第4項に従って協議して統一教科書を決定しなければならない。
③文科省としてなすべきことは、統一教科書の決定に向けた3教委の協議を促すことであって、答申に従うよう指
   導助言することではない。
④答申に従えとする指導助言は、協議をせず、育鵬社を採択せよと指導助言することにも等しく、協議に対す害
  及び不当介入の恐れすらもある。
⑤県教委が3教委に対して協議を促している最中の文科省声明は不適切である。
 
その後、県教委は、無償措置法第13条第4項(採択地区内の教育委員会は協議して、同一の教科書を採択しなければならない)を根拠に、3教委に対して、協議して統一教科書を決定するように促すが、石垣市と与那国町の2教委は「文科省の指導助言に従いたい」として協議を行なうことを拒否し、膠着状態に突入した。(Tomo)
 
 
八重山教科書問題「協議の結果」の捉え方
 
<問い>
 
文部科学省は「八重山地区協議会の規約に従ってまとめられた結果」(答申)が無償措置法13条4項の「協議の結果」であると主張しているがその見解は妥当か。
 
<答>
文部科学省は、地区協議会が行なった「答申」は「協議の結果」であるとした。そして、答申のとおりに採択しないことは、無償措置法に定める「協議」の結果に従わないことであるから、無償措置法違反にあたるとして、竹富町教委の採択を違法としたのだ。その考えは妥当か。
 
この問いを考える上で2007年愛媛県の事例は参考になる。2007年愛媛県において、今治市と上島町の(教科書採択)協議会は、東京書籍を「協議の結果」として答申した。しかし、今治市と上島町の両教委は、その答申を不服として、改めて協議して、扶桑社を両教委の統一教科書とすることを決定し、両教委は最終的に扶桑社を採択した。
 
この事例は、協議会答申が「必ず守るべきもの」ではないことを示している。もし、今治市と上島町の両教委が答申に従ってともに東京書籍を採択していたら答申は“結果として”「協議の結果」であったと言える。しかし、両教委は答申後に改めて協議し、答申と異なる扶桑社を統一教科書にすることを決定した。この場合、答申は「協議の過程」に過ぎず、「扶桑社を統一教科書にする」とした結論が両教委がたどり着いた「協議の結果」である。
 
八重山地区においては、竹富町教委が協議会答申に反発し、八重山地区内の採択は統一に至らなかった。その事態を受けて、3教委の教育委員長が、無償措置法第13条第4項(採択地区内の教育委員会は協議して、同一の教科書を採択しなければならない)を根拠に、八重山地区の全教育委員による全員協議を開催した。

全員協議の有効性については県教委と文科省で認識が異なっている。全員協議を有効とするならば、3教委は全員協議の結論に従った採択を速やかに行なう必要があるはずだ。逆に、全員協議を無効とするなら、3教委の間で統一教科書についての合意は得られてなく、無償措置法13条4項が定める協議は完結していないことになり、統一教科書の合意に向けて、3教委による協議が継続されなければならない。いずれにせよ、協議会答申を「協議の結果」とする文科省の認識にはかなり無理がある。(S.Akiko)
 
 
八重山教科書問題の真実
 
私たちは、東京在住の学生(4名)です。平成23年9月に沖縄県石垣市を旅行したとき、「八重山教科書問題」に遭遇し、9月8日の「全員協議」を直に傍聴する機会に恵まれました。このブログでは、私たちが沖縄県内で収集した情報などをもとに八重山教科書問題の実相に迫って行きたいと考えています。
 
なお、本ブログにおいては、イデオロギーを対比しての議論は控えます。したがって、教科書の優劣についての議論も控えます。また、個人についての固有名詞の使用を可能な限り控え、石垣市教育長、沖縄県教育長、文部科学省などの機関名を用いて議論を展開したいと考えます。
 
1 問題の概要
 
2011年6月27日、八重山地区教科書採択協議会(石垣市、与那国町、竹富町の教育委員会の諮問機関、以下、「協議会」という。)が開催され、協議会(旧委員)は、同協議会長に石垣市教育委員会教育長(以下、「石垣市教育長」という。)を慣例に従って選出した。協議会長に選出された石垣市教育長は、旧委員に対して、「新委員の皆さんは信頼のおける方々ですから承認下さい」と新委員の承認を提案し、新委員が全会一致で承認された。 
新委員は、3教委の教育長(3名)、3教委の教育委員(各1名)、PTA代表(1名)、学識経験者(1名)の8名で構成され、旧委員には含まれていた指導課長と指導主事(いずれも教員出身)が除かれていた。
 
旧委員の一人は、「あれが全てのはじまりだった。新委員が別室で待機していると聞かされ、直ちに承認することが当然といった雰囲気のなかで、委員構成の変更点の説明などもなく承認を求められ、承認してしまった。こんなことになることが分かっていたら、徹底して反対した。」と振り返る。この時点で、協議会の多数派(5対3)が形成されたと言ってよい。以後、多数派を背景に以下のようなことがらが次々と決定されていった。
 
①教科書名を上げずに教科書を審議する方式が、協議会長から提案され、了承された。
②協議会規約によって、教科書調査員は協議会に出席して調査結果を委員に報告しなければならないと定められていたが、委員の一人が教科書調査員(教員)に顔を知られたくないと訴えたため、「必要に応じて報告する」と急遽、規約が改定された。
③協議会規約には、教科書調査員の選任については、協議会役員会に事前に諮らねばならないと規定されていたが、協議会長が協議会役員会に諮ることなく教科書調査員を選任し、委嘱状を交付した。このことについて、委員の一人が規約違反であると指摘したが、協議会において、事後承認でも問題なしとされた。
④協議会の新委員に校長や指導主事などの学校教育の専門家を委員に加えることが望ましい旨を県教委が指導・助言したが拒否した。
⑤教科調査員の複数推薦に含まれていない教科書が選定されたことについて、委員が、不適切として再検討を要求したが問題なしとして却下された。
 
協議会は8月25日に、育鵬社の教科書を5対3の多数決で選定し、答申した。8月25日の答申を受けて、石垣市と与那国町の両教委は8月26日に、答申の通りに育鵬社の教科書を採択するが、竹富町教委は、8月27日に東京書籍を採択した。すなわち、3市町教委は地教行法に定めた採択権を行使するも、無償措置法に規定する地区内同一の教科書採択には至らなかった。地区内同一採択が完結しない事態を受け、3市町の教育委員長は協議し、9月8日に八重山地区の全教育委員を招集し、教育委員13名による全員協議を行い、東京書籍を8対2の多数決(棄権2、欠席1)で採択した。
 
しかし、文科省は、2市町の教育長から無効とする文書が発出されたことを理由に、9月13日に全員協議は無効と発表し、9月15日(県教委の需要冊数の報告期限の1日前)に3教委は8月25日の答申通りに採択すべきであると指導助言した。さらに同省は10月31日に、「答申通りに採択しない教委は無償措置法第13条第4項に違反し、無償給付の対象外となる」との方針をも打ち出した。
 
一方、沖縄県教委は、「8月25日の答申に法的拘束力はなく、3教委が8月26日及び27日に個別に行った採択に違法性はない。しかし、3教委の採択は無償措置法第13条第4項(教委は協議して同一の教科書を採択しなければならない)を満たしていないので、3教委は、全員協議の有効性も含めて協議し、同一の教科書を採択すべきである。」との声明を発した。
 
2 問題理解の鍵
 
八重山教科書については、いくつかの誤解がつきまとっている。その一つは、協議会の「選定」を「採択」と誤解することである。この誤解に立つと、「全員協議の決定と協議会の選定はどちらが有効か」といった二値的な問題提起や「逆転不採択が起った」、「9月8日の全員協議は無効。よって、8月23日の協議会の決定に従うべきだ」、「答申に従わない竹富町はルールを守っていない」といった誤った結論を導くことになる。八重山教科書問題を正しく理解する鍵は次のとおりである。
 
①教科書の採択権限は地方教育行政法第23条6号に市町村教育委員会に存すると定められている。
②3教委は、八重山採択地区協議会を「諮問機関」として位置づけており、答申に強制力を与えていない。
③教科書無償措置法第13号第4項に、採択地区内の各市町村教育委員会は協議して同一の教科書を採択しなければならないと 定められている。
④3教委が8月26日及び27日に行った採択は地教行法第23条第6号に則った行政行為であり、これらの行為には違法性はない。
⑤八重山採択地区協議会は、各教委が答申と異なる採択をした場合を想定しつつもそのことが生じたときの解決策を規約に予め定めていない。したがって、各教委が答申と異なる採択をした場合は、無償措置法第13条第4項を適用し、3教委が協議して同一の教科書を採択する以外に解決策はない。
 
3 文部科学省と県教育委員会の主張の相違
 
 
<文科省の主張>
①無償措置法第13条第4項は、「地区内の教育委員会は協議して同一の採択をしなければならない」として、地区内同一採択を求めている。
②地区協議会は、無償措置法第13条第4項における「協議」を行なうために3教委が合意して設置した組織であり、その答申は協議にあたる。
③答申と異なる採択をした竹富町教委の採択は無効とまではいえないが、無償措置法第13条第4項の規定に違反し、答申の通りに育鵬社を採択をした石垣市、与那国町の教委は無償給付の対象になるが、答申と異なる東京書籍を採択をした竹富町教委は無償給付の対象にならない。
 
<沖縄県教委の主張>
①地区協議会は諮問機関であり、その答申に法的拘束力はなく、答申と異なる採択を以て違法とすることはできない。協議会規約は、答申に基づいて採択することを義務づけてなく、答申と異なる採択が規約違反にも当たらない。
②竹富町教委の採択行為に違法性がないことは、文科省も「無効とまではいえない」として認めざるを得ない。
③他県において、採択地区を構成する教委が協議して答申と異なる採択をした事例は存在し、協議会の答申を「協議の結果」とするには無理があり、3教委の間の協議は完結していない。したがって、3教委は、全員協議の有効性も含めて、協議し、同一の教科書を採択する必要がある。
④地区内同一採択が完了していないことについては、八重山地区全体が違法状態にあるのであって、竹富町教委のみを違法とし、無償給付の対象外とする判断には不当である。
⑤県教委が3教委に対して協議を促している最中に文科省が報告期限の2日前に答申に従って採択せよとの指導助言を行なったことが混乱に拍車をかけた。
 
4 全員協議の有効性
 
全員協議について、文部科学省と沖縄県教委は、「3市町教委が合意すれば、全員協議を協議の場とすることも可能であり、全員協議の決定を最終的な採択とすることも可能である。」との見解を共有している。しかし、全員協議の有効性については、 3市町教委の間においても県教委と文科省の間においても認識が以下のように異なっている。
 
①石垣市と与那国町の教育長から協議を無効とする文書が発出されており、合意に基づいた協議が行われたとはいえない。よって、協議は無効である。(文科省)
②全員協議に先立ち、3教委が個別に会議を開催して全員協議をすることを決定した。協議の開催に反対する教委はなかった。協議は成立している。(県教委)
③与那国町教委とは、全会一致を条件に協議に臨んだが多数決で決定されたので協議は無効である。(与那国町教委)
④石垣市教委は、採択は曲げないとの条件を付して協議に臨んだが多数決で決定されたので協議は無効である。(石垣市教委)
⑤協議に条件を付して臨むことはできず、採決の方法は協議の中で決めることが常道である。多数決は紛糾した結果に採用したものであり、民主的に決定した。(竹富町教委)
 
5 全員協議を無効とする場合の対応
 
全員協議を無効とする場合の対応についても、3市町教委、県教委、文科省の間で各見解は異なっている。
 
①全員協議が無効である以上、3教委は協議会答申に従うべきである。(文科省)
②全員協議を無効とするなら、状況は同協議以前に戻ることから、全員協議に代わる新たな協議の開催が必要である。(県教委)
③文科省の見解が正しいので、協議には応じない。(石垣市教委、与那国町教委)
④県教委の見解が正しい。協議に応じたい。(竹富町教委)
 
6 文部科学省の法規を超えた対応
 
文科省が八重山地区教科書問題においてとった措置は以下のとおりである。これらの措置はいずれも超法規的な対応となった。
 
①地区内同一採択が未完結の状況下で、文科省は3教委に対して、(法的拘束力のない)答申に従うべきだとの裁定を下した。
②答申に従わない教委に対しては国として教科書給付を行なわないとした上で、給付を行われない教委に対して、教委が自ら教科書を購入して生徒に給与するように勧めた。
③無償措置法に定めている「県教委から文科省への教科書の冊数報告」が行なわれていない状況で、文科省は、石垣市と与那国町の2教委に対して教科書給付を行なった。
 
7 竹富町教育委員会の決断
 
竹富町教育委員会は2月22日、臨時会を開き、東京書籍版の教科書について、一般人から現物寄贈を受けて生徒に給与する方針を決めた。同教委は「無償給与を受けるまでの暫定措置」と述べ、今後も引き続き東京書籍版の無償給与を訴えるとした。また、同教委教育長は、東京書籍版を採択した昨年9月8日の全教育委員による協議が有効だという考えを改めて示し、「教科書の公費負担をせず、篤志家等の支援を受ける」と述べ、現物寄贈を受け付けたい考えを示した。同教育長は「公費を使えば簡単に済むが、何のため無償を求め続けてきたのかということになる。4月から新学期も始まるし、いくら大人の論理を言い張っても、教科書が子どもに届かなくては何のためか分からない」と説明した。 
 
8 沖縄県の八重山地区の教科書採択の状況
 
沖縄県教委は、公式ホームページを通して、八重山地区の公民社会科の教科書採択状況を、石垣市(育鵬社)、与那国町(育鵬社)、竹富町(東京書籍)と公表している。教科書採択にあたっては、「教科書の採択権限は市町村教育委員会に存する」(地方教育行政法第23条6号)と「採択地区内の各市町村教育委員会は協議して同一の教科書を採択しなければならない」 (無償措置法第13号第4項)の2要件が満たされなければならないが、八重山地区においては、要件が満たされていない。(M.Kosuke)
 

全3ページ

[1] [2] [3]

[ 前のページ ]


.
matu_moto52
matu_moto52
男性 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

標準グループ

登録されていません

Yahoo!からのお知らせ

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!
CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事