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八重山教科書問題の混乱の原因
<問い>
八重山地区の混乱の原因は何だろうか。
<答>
8月27日、竹富町教委は協議会答申(育鵬社)に反し東京書籍を採択し、その結果3教委は統一教科書を採択することができなかった。9月8日、3教育委員長は3教委の全教育委員を招集し、全員協議を開催し、東京書籍を3教委の統一教科書とすることを決定した。文科省は八重山地区のかかる動きに対して、9月11日に全員協議の決定は無効との声明を発し、9月14日にも3教委に対して、協議会答申に従って採択するよう求めた。
文科省の求めについて、沖縄県教委は以下の理由を上げて直ちに反発した。
①協議会答申は、採択地区内の教委の採択権を拘束せず、竹富町教委の採択は違法ではない。
②竹富町教委は答申を拒否することを合法的に意思表明したのであり、3教委はそのことを受けて無償措置法
13条第4項に従って協議して統一教科書を決定しなければならない。
③文科省としてなすべきことは、統一教科書の決定に向けた3教委の協議を促すことであって、答申に従うよう指
導助言することではない。
④答申に従えとする指導助言は、協議をせず、育鵬社を採択せよと指導助言することにも等しく、協議に対す害
及び不当介入の恐れすらもある。
⑤県教委が3教委に対して協議を促している最中の文科省声明は不適切である。
その後、県教委は、無償措置法第13条第4項(採択地区内の教育委員会は協議して、同一の教科書を採択しなければならない)を根拠に、3教委に対して、協議して統一教科書を決定するように促すが、石垣市と与那国町の2教委は「文科省の指導助言に従いたい」として協議を行なうことを拒否し、膠着状態に突入した。(Tomo)
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2012年10月13日
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八重山教科書問題「協議の結果」の捉え方
<問い>
文部科学省は「八重山地区協議会の規約に従ってまとめられた結果」(答申)が無償措置法13条4項の「協議の結果」であると主張しているがその見解は妥当か。
<答>
文部科学省は、地区協議会が行なった「答申」は「協議の結果」であるとした。そして、答申のとおりに採択しないことは、無償措置法に定める「協議」の結果に従わないことであるから、無償措置法違反にあたるとして、竹富町教委の採択を違法としたのだ。その考えは妥当か。 この問いを考える上で2007年愛媛県の事例は参考になる。2007年愛媛県において、今治市と上島町の(教科書採択)協議会は、東京書籍を「協議の結果」として答申した。しかし、今治市と上島町の両教委は、その答申を不服として、改めて協議して、扶桑社を両教委の統一教科書とすることを決定し、両教委は最終的に扶桑社を採択した。
この事例は、協議会答申が「必ず守るべきもの」ではないことを示している。もし、今治市と上島町の両教委が答申に従ってともに東京書籍を採択していたら答申は“結果として”「協議の結果」であったと言える。しかし、両教委は答申後に改めて協議し、答申と異なる扶桑社を統一教科書にすることを決定した。この場合、答申は「協議の過程」に過ぎず、「扶桑社を統一教科書にする」とした結論が両教委がたどり着いた「協議の結果」である。
八重山地区においては、竹富町教委が協議会答申に反発し、八重山地区内の採択は統一に至らなかった。その事態を受けて、3教委の教育委員長が、無償措置法第13条第4項(採択地区内の教育委員会は協議して、同一の教科書を採択しなければならない)を根拠に、八重山地区の全教育委員による全員協議を開催した。
全員協議の有効性については県教委と文科省で認識が異なっている。全員協議を有効とするならば、3教委は全員協議の結論に従った採択を速やかに行なう必要があるはずだ。逆に、全員協議を無効とするなら、3教委の間で統一教科書についての合意は得られてなく、無償措置法13条4項が定める協議は完結していないことになり、統一教科書の合意に向けて、3教委による協議が継続されなければならない。いずれにせよ、協議会答申を「協議の結果」とする文科省の認識にはかなり無理がある。(S.Akiko) |
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