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八重山教科書問題―文科省の詐術
下記の[1]、[2]を注意深く見て欲しい。[1]は竹富町教委の主張であり、[1]によれば竹富町教委の採択行為は違法とはならない。しかし、[2]の文科省の主張では竹富町教委の採択行為は違法になる。何故そうなるのか。
[1]竹富町教委の主張
①無償措置法13条4項は、採択地区内の市町村が協議して同一の教科書を採択しなければならないと規定 している。
②3市町教委は、協議会が無償措置法13条4項の規定する同一の教科書について、3教委から諮問を受け、 答申を行なう組織として合意している。
③協議会について、3教委が合意した協議会の性格から、協議会が規約に従ってまとめた結果は諮問機関 の答申に当たる。
④竹富町教委の行政行為が諮問機関の答申に縛られるはずはなく、答申に基づかない竹富町教委の採択 行為が無償措置法に反したとはいえない。
[2]文科省の主張
①無償措置法13条4項は、採択地区内の市町村が協議して同一の教科書を採択しなければならないと規定 している。
②3市町教委は、協議会が無償措置法13条4項の規定する協議を行なう組織として合意している。 ③協議会の規約に従ってまとめられた結果が無償措置法13条4項の協議に当たる。
④竹富町教委が、協議の結果である答申に基づいた採択を行なわない場合、無償措置法に反した採択行為
となる。
その理由は[1]及び[2]の②にある。文科省は何としても竹富町教委に育鵬社を採択させる必要があった(その理由は後述したい)。そのためには竹富町教委が育鵬社を採択しないことを違法にしなければならない。しかし、竹富町教委を違法にする上での障壁が「八重山地区協議会が答申を目的とする諮問機関」という事実だ。
八重山地区協議会が諮問機関であるかぎり、その答申に法的拘束力はなく、当然、竹富町教委は八重山地区協議会答申に従う義務はないから、竹富町教委の育鵬社版不採択を違法とすることは難しい。
追い詰められ、なりふり構わぬ文科省は犯罪的な詐術を行った。それは、八重山地区協議会の規約第3条を無視することである。しかし、規約第3条は八重山地区協議会の性格を規定するものであることから、規約第3条を無視すると、以降の推論も困難になる。そこで、文科省は規約第3条[資料(ア)]を他県某地区協議会第3条[資料(イ)]にすり替えたのである。そして、八重山地区協議会の性格を「答申をする組織」から「協議する組織」に人知れず置き換え、[2]の論理を展開した。
[1]−②か[2]-②かによって、八重山地区協議会の「答申」(育鵬社)の持つ意味に大きな違いが生じる。
八重山地区協議会の性格が、文科省の主張のとおり[2]-②のように「合意」されていたとすると、協議会が「育鵬社」を選定したことは「3市町教委が協議して『育鵬社』を採択しょう」と決定したことを意味する。
一方、八重山地区協議会が[1]-②のように「合意」されていたとすると、そこには「諮問→調査研究→答申」のプロセスがあったに過ぎず、3市町教委が同一の教科書について協議した事実すらも存在しないことになる。 <<資料>> (ア)八重山採択地区協議会の規約 第3条 協議会は、採択地区教育委員会の諮問に応じ、採択地区内の小中学校が使用する教科用図書について調査研究し、教科種目ごと一点にまとめ、採択地区教育委員会に対して答申する。 (イ)某県地区協議会の規約
第3条 本協議会は、採択地区内の市町村教育委員会が協議して、種目ごとに同一の教科用図書を採択するための調査研究、協議を行うことを目的とする。 (Kazuo)
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2013年04月25日
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八重山教科書問題―問題を整理すると
教科書無償法13条4項によれば、3市町教委は「協議」して、「同一の教科書」を採択しなければならないと規定している。ただし、同法は「協議」の方法を具体的に示していない。このことは、同法が「協議」の方法について3市町教委に委ねていると一般的に解されている。通常は、採択地区を構成する市町村教委は協議の方法を事前に合意して、市町村教委が合意した方法によって教科書を採択している。
八重山教科書採択地区協議会の規約によれば、八重山地区の3市町教委が、無償措置法13条4項に基づいて協議し、合意した内容は主に次の①〜④である。
①3教委で協議し、地区協議会の法的性格と権限を決定すること
②地区協議会を、3市町教委の諮問に応じ、採択地区内の小中学校が使用する教科用図書について調査
研究し、教科種目ごとに一点にまとめ、3市町教委に対して答申する諮問機関として設置すること
③3市町教委は地区協議会の答申を受けて、同一の教科書を個別に採択すること
④前記③の採択の結果、同一の教科書が採択されない場合、県教委の指導助言を受けて、3市町教育長
が協議することができること
結局、八重山地区において、規約の合意内容に従って地区協議会が答申した教科書は「育鵬社版」であった。しかし、石垣市教委と与那国町教委は答申に従って育鵬社版教科書を採択するも竹富町教委は地区協議会の運営に疑義があるとして、3市町教委の合意内容③(地区協議会は諮問機関として合意されており、諮問機関の答申に法的拘束力はないこと)を根拠に答申に従わず東京書籍版を採択したため、同一の教科書は採択されなかった。
そこで、県教委は3市町教委の採択は無償措置法第13条4項を満たしていないとして、3市町教委に対して、協議して同一の教科書を採択するように指導助言した。④の協議は一回行われたが決裂し、その後の県教委の再三の協議開催の要請に反して、3市町教委の間で、同一教科書を採択する協議は行われていない。県教委は現在も3市町教委に対して協議するように指導助言している。
なお、④の後に、3市町の3教育委員長の呼びかけによって、3市町教委の全教育委員13名で構成される「全員協議」が開催され、「東京書籍版」の採択が多数決によって採決されるが、文科省は全員協議の決定を無効とし、地区協議会の答申に基づいて採択するよう指導助言した。このことによって、石垣市と与那国町の2市町教委は、「文科省の指導に従う。県教委の指導には従わない。」とし、④の協議を拒否し、現在に至っている。
<<参照>>
(ア)八重山採択地区協議会の規約
第3条 協議会は、採択地区教育委員会の諮問に応じ、採択地区内の小中学校が使用する教科用図書につ
いて調査研究し、教科種目ごと一点にまとめ、採択地区教育委員会に対して答申する。
(イ)教科書無償措置法
第13条第4項 採択地区を構成する市町村教育委員会は、採択地区の学校で使用する教科書につい
て、協議して同一の教科書を採択しなければならない。
(Kazuo)
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