|
後日、CT検査と病理検査のための生検を実施しました。
結果は口腔内には見た目以上の病変が広がっており、CTで確認すると切除は不可能・・。
病理検査でも「扁平上皮癌」という診断で帰ってきました。
獣医としては、非常につらい診断結果です。
根本的に治す方法がない。治らないと飼い主に伝えるのがつらい。
基本的に手術できるものは切除してしまいたいのですが、
扁平上皮癌では切除してもすぐに再発してしまう可能性が高い上に、侵襲が大きい。
放射線療法もあるが、費用に対して延命効果が低く推奨しかねる。
化学療法はある程度効果があるかもしれないが、この病気自体が局所侵襲性が高い病気のため
全身投与による化学療法は効果がうすいと予想される。
結論としては、緩和療法として痛みをとりつつできるだけ家族で過ごす事を推奨することにしました。
ここで問題になるのが
猫は薬をのませにくい
という事実です。食欲が無くなった猫の場合、さらに困難であり、たいていの飼い主が諦めます。
諦めちゃ、ダメなんです。でも、ほんとうに猫って薬飲めない子が多いんです・・。
疼痛緩和のために、ビスフォスフォネートと呼ばれる薬(ゾレドロン酸)は注射で投与できるので
なんとかなる。(チャメちゃんは怒る子なので、かなり手を焼きましたが)
問題は食事と投薬をどうするか。抗炎症剤の痛み止めも飲まないとQOLが低下してしまいます。
ここで、私がいつも推奨するのが食道瘻チューブです。
投薬から食事の補助まで多方面に使えて、在宅看護ができる素晴らしいアイテムです。
しかし、たいていの飼い主さんは「そこまでしなくても・・・」と拒否される事が多いのです。
どうしても、チューブを付けるというのは抵抗感があるヒトが多いのですが、
チューブをしていてもご飯も自由に食べる事ができますし、栄養補給だと思って利用してほしいです。 麻酔をかけないと設置できないというリスクがあるのですが、それを上回るメリットだと思ってます。
腎不全の猫にも絶大な効果を発揮するのですが、みんな嫌がります。うーん、いい方法だと思うのだが。
今回も説明をして、「食道チューブをした方が良い時間が過ごせるよ」と説明させてもらったところ
「お願いします!!」
と、予想外(いい意味で)の返事がありました。飼い主さんがチューブに理解のある方だったので
これを付けるか付けないかで寿命が大きく変わります。
ただし、それなりに消毒や手入れは最低限必要なので、世話ができないヒトには向きません。
チャメちゃんも、チューブを設置して扁平上皮癌との闘病がはじまりました・・・。
written by vet TM
とても、在宅看護に便利な方法だと思います。
|
全体表示
[ リスト ]




我が家の猫が扁平上皮癌になり、こちらのホームページにたどり着きました。患者のことと飼い主の気持ちをよく考えてくださっているのがわかります。感動しました。
我が家の猫は手術で右下顎切除とチューブ取り付けを決心しました。2〜3か月で再発する可能性が高いですが・・・。また訪問致します。よろしくお願い致します。
2012/7/17(火) 午前 0:53 [ poc*i*un1*58 ]
>忙しくてお返事できず申し訳ありません。
扁平上皮癌は非常に悩ましい病気です。チューブなどを使って、ご家族と動物が家でゆっくりと過ごせるといいですね。
2012/10/25(木) 午後 0:22 [ MATUBARA Animal Hospital ]