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薪能が苦手なうえ、遠征もかなわないので8月はいささか手持ち無沙汰でございます。で、ご近所の小さな美術館に行って参りました。
駅からバスで10分程の住宅街のど真ん中、本当にこっちでいいのかしらと不安になった頃に可愛らしい美術館に到着です。入館料300円は本当にお安い、暁斎の展示は二室のみですが至近距離でゆっくりと時間を気にせずに拝見できるのが何より。錦絵は色の保存が難しいとのことで、第一室を見てから第二室に移ると係りの方がその都度作品の前の遮光カーテンを開けてくださるという細かい配慮。もちろん誰もいなくなった第一室は消灯。
狩野派の絵師の本領を発揮した精緻な絵、かえるや猫、鼠に蛇などを人間にあてはめた戯画、どちらもただならぬ力とぞくっととする毒があって素人目にも素晴らしいの一言。鯉が口を開けた姿を真正面からみるのは初めてでした。明治初頭の日本画の暗黒時代にこんな人が活躍していたんですね。川岸の柳のそばに狐がすっくと立ち川面を覗いている、その水面には年若く美しい性別不明の人間の顔が浮かび上がっているといった具合。そしてカエルを人間に模した、毛利家と徳川の合戦の様子。クラシックの達人がジャズの名演奏もよくするのと同じことかと。
暁斎は万作師の祖父、初世萬斎師とも交流があったようで展示室内の資料も大変面白く拝見しました。なにせこの方、大蔵流の狂言師でもあったようで「三番叟」までゆるされたというのですから素人の域ではなかったようです。狂言の様子がいきいきと描ける訳です。
実は「能画図式」に興味があって出かけただけで、暁斎がどのような絵を描いていたのか全く知らないというお寒い状態でしたが、とても充実した時間をいただけました。ちなみに展示室では無料で紅茶を振る舞ってくださいます。すぐ隣に別館とミュージアムショップもありそちらでは「かえる」にちなんだ展示がされておりました。目的の「能画図式」も入手でき大満足でございました。
HPがありますので興味のあるかたは是非、お勧めです。
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河鍋暁斎の絵って風変わりで面白い絵ですね。私のお気にいりの画家の一人です。
2007/8/5(日) 午後 11:31 [ しげよあゆみ ]
shigeyoayumi様、狂斎と名乗っていた時期もあるとのこと、もの凄く納得です。変な(褒めてます)ものに惹かれる、なおかつ狂の文字に弱い、自分としてはかなりの衝撃でございました。 松風
2007/8/8(水) 午前 0:16 [ 立葵 ]