萬風堂夜話

野村萬斎さんの舞台やその周辺についての独り言

萬華鏡

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萬華鏡−髪の弐ー

 髪の話は前にも書いていたのですが、横浜能楽堂開館十周年記念公演であまりにもキレイな七三分けだったのでもう一言。

 今回はお手入れの間隔が少し空いてしまったのでしょう、長めの七三。それもとってもきっちり感のある分け方で、何だかあまり成績のよくない銀行員のようでございました。まぁお役が当屋ですからきっちり感があってしかるべきなんですが、きっちりしすぎて妙なおかしみを感じてしまいました。オール電化のCMに登場する男の子の前髪のきっちり感、とでも言ったら良いのでしょうか。わざとそうしているような、ちょっと長くなったから遊んでみようと思っているような。この髪型で見所はなにか反応するかな、なんて楽しんでいる萬斎さんが見え隠れします。舞台にあがってしまえば、そんな些細なことはどうでもよくなってしまうのでしょうが、萬斎さんの茶目っ気が匂うような髪型、楽しませて頂きました。

萬華鏡−目の参−

 relax妄想モードからはや1ヶ月でございます。これだけ見続けますとhiromixさんがなぜにあの意地悪そうな表情にこだわったのか少々わかるような気がして参りました。

 儚げなお写真は一枚きり、きわどいところで高飛車な視線になる一歩手前が2枚と、相当見下した視線が2枚、そのあとはふんっという感じで遠く見てしまうのが1枚、合わせて5枚です。儚さが1枚で意地悪が5枚、これはもう相当なこだわりでございます。

 あの切れ長で黒目がちの目から発せられる意地悪な視線、そこに潜む魔性の力とでもいいましょうか。闇の魅惑に充ちた目の故でございましょうが、それを初対面で見抜く力はさすがプロの写真家。以前にも書きましたが、女性だからこその感性ともおもいます。しかしいくらでも美しい表情は撮れたでしょうにそれをしないで意地悪にこだわったのはなぜだったんでしょう。

 多分です。一見優しげな風貌に潜む底知れぬ怖さに古典を背負っていく血を感じたのではないのでしょうか。そこに不思議を見たのではないのでしょうか。蜷川さんも古典の血の怖さをあちこちで書かれていますが、それを絵として固定してみせてくれたのがこの5枚なのではと思えてしまいます。

 まだまだ妄想モードは続きそう。

萬華鏡−涙−

 relaxの写真からの連想。写真には当然ないのだけれど、萬斎さんの涙かなりみているはずなのに萬斎さん個人のイメージとは結びつかない訳がちょっぴりわかった気が。

 子午線の祀り、オイ王に陰陽師でも萬斎さんの涙はしっかりと見ている。子午線やオイ王では流した瞬間の涙を生でみているのにどこか似合わない。考えてみると常に号泣にちかい涙であったせいかもしれないが、端正なお顔に涙が似合わぬはずもないのに…。しっとりと滲むような涙、ひとしずくポロリと落ちる涙、そんなシーンなら等と妄想モードに入ってしまう。が、それでも今ひとつ是非にも見たい気分にはなれない。

 で、relaxの写真のコピーに曰く、「優しそうででも意地悪!!かもしれないルックス」。そうなんだな。はかなさこそあれ、弱さや脆さとは無縁の方、意地悪で強靱で優しげ(優しい、ではない)なのが「かの君」。だから涙はすべて舞台上の役のもの、決して萬斎さんご本人の涙にはならないのでしょう。涙をみせていながら、涙を見せたことがない、そんなお方のように思えて納得。

 relaxの写真の中では、うつむいた写真が好き。どことなく無防備で儚げ。頭の中で映像が繰り返し登場して、もう日常的に妄想モードで困りもの。

萬華鏡−声の参−

 「初めての共演者にはとっつきにくく思われるようで、そんな時にはカラオケに…」などという発言がどこかに書いてあったのをふと思い出しました。カラオケはイメージではありませんが、できることなら萬斎さんの謡いならぬ歌声を聞いてみたいもの…などと思っていたら。過去にあったではありませんか。しかも保存版で。そう「あぐり」でございます。せっちゃんこと、カフェ・セラビの女主人を特高から守るべく、自宅の台所で赤いスカーフを首に「パリ〜〜…」ってシャンソンを歌っていたではありませんか。

 ただならぬ上手でございました。あの難しい謡いをよくなさるのですから、上手なのは当たり前かもしれません。が、シャンソンと萬斎さんはあとにもさきにもあれ一回きりでございましょう。もっとも若かりし頃、ハードロックが好きでご自分もそのまねごとをなさっていたとも。そう考えれば存外洋楽と相性のよい方なのかもしれません。ハムレットがOKなら、次はミュージカルなんて無謀でしょうかね。

萬華鏡−声の弐−

 もともとたっぷりと豊かなお声でしたが、このところの充実には目を見張るものがあります。なんとも説明できにくい特別ななにか、複雑な色の重なりのような、単純に一色の深さでなく塗り重ね、削りとりして創られた厚みのようななにかが加わったようにおもいます。

 来年は大曲に挑戦するとのこと、その意識が声に微妙な変化をあたえているのでしょうか。「まちがいの狂言」や新作の「敦−山月記・名人伝」の充実、成功が古典へ力を集中できる心の安定を与えているのでしょうか。理由はともかく素晴らしいお声はなによりのご馳走。舞台を見にいく楽しみがさらに大きくなりました。

 あの方の舞台は、いつの舞台であっても最初のセリフが発せられる瞬間どうしても目を閉じてしまいます。全身の神経をひたすらに耳に集めたい気持ちが自然と目を閉じさせてしまうのです。見ないなんてもったいない、と思うこともありますがいまやほとんど条件反射のようになっています。いろいろ文句をいつつも舞台に通うは、あの至福の一瞬に出会いたい、ほとんどそのためかもしれません。

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