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薪能シーズンの到来ということでインドア派としてはそろそろ能閑期突入でございます。篝火のもと夜風に吹かれながらの観能なら一層の風情が期待できるのでは、と思った時期もあり、一度ならず足も運びましたがどうにもご縁がないようです。
上空を飛び交うヘリコプターの爆音、神社の表通りを行きすぎる救急車のサイレン、雨上がりの芝生の冷たさ、篝火に集まる蛾の群、時にビールとたこ焼きの臭い、そして最大の敵である雨。まだまだ数え上げたらきりがありません。集中力のある方なら何とかしのげる事なのでしょうが、当方は一度気が散ってしまうと後々まで戻れない方なので悲しい記憶ばかり。以来、夏場は若干手持ち無沙汰でございます。
ということで苦手の劇中歌てんこ盛りの舞台らしいというのに、気になる役者さん見たさだけで『道元の冒険』に行ってまいりました。
歌は…、なんというか…、何か言えるほど生で聞いたことがありませんので…。でもなかばやけくその「表意文字ソング」のコンビネーションは個人的につぼでしたし、そもそも歌唱力がどうのという舞台ではなかったような。
主役の道元さんをはじめ少ない人数で敵味方あれだけの大人数を演じきった体力と反射神経の良さはさすがです。舞台裏を駆け抜ける足音も、こういう舞台では一種の景気づけというかエネルギーを感じさせて全く邪魔になりません。雑多で賑やかでゴタゴタ感があって、汗と息切れと突き抜けた何かが見ていて結構気持ち良いものです。客席の笑い声や手拍手まで味方につけて、なんだかとっても和やかでした。これなら本物の道元さんも文句ないでしょう。
劇中劇半ばあたりは道元さんの教義入門講座といった内容でなんだかお弟子になったような気分でした。わかりやすいと言えばわかりやすいですし、頷けることも多かったのですが私にはちょっと有り難すぎました。観る側の気持ちの持ちようなのだとは思いますが。 最後の最後では舞台の温度を急激に冷やして終わるあたり、好き嫌いが別れるのでしょうか。10年前ならこういう美術にはできなかっただろうと思いながら、やはり何かは上から降りてくるんだと妙に納得。期待以上に面白く拝見いたしました。
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遠眼鏡
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埼玉芸術劇場 「身毒丸 復活」 |
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3月 1日 世田谷パブリックシアター(春琴) |
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2007年11月20日 シアターコクーン「カリギュラ」 |
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2007年 9月 天王州銀河劇場 (ヴェニスの商人) |





