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昨日9月22日、東京中延にあるボナペティに、
田村早苗さんのライヴを聴きに出かけました。
先月についで2度目となります。
先月は家内が一緒だったのですが、今回は一人
実はこの時点で、
「ああ、明日は祝日だし、家内はいないし、当日は3ステまでイケルな。
しめしめ。思ったとおりの展開になってきたぞ・・・」
と、密かにほくそえんでいたのですが、
翌23日(祝)休日出勤という予想外の災難がこの身に降りかかって来ました。
でも結局、3ステまで聴かせていただきました。
昨日の皆さんは、本当に気合が入っていました。
ということで私のペンにも熱がこもっています!
皆さんの素晴らしい演奏に敬意を表して、長文を書かせていただきました。
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ピアニスト、田村早苗さん。
今回はご挨拶できて、光栄です。
ブログで指の不調を訴えており、
両手の指数本にバレーボーラーのようなバンテージが巻かれております。
特に右手小指は痛いですね〜
田村さんは非常に小柄な方ですので、
手も大きくないはずです。(ご自分でも確か、ブログでそう書かれていましたね)
右手小指が使えないと、8度(低いドから高いド)を押さえるの、つらいですよね。
オスカー・ピーターソンあたりだったら、小指を使わず、親指とクスリ指で、
楽々ユニゾンでもトレモロでもやっちゃいそうですが、
我々日本人、しかも女性にできる芸当ではありません。
そういうこともあり、ライヴはバラード系でスタートしましたが、
特に本人申告があったような不調は、まったく感じられませんでした。
ひょっとして運指を変えていたのか?とも思いました。
さすがに3ステの「リカード・ボサ・ノヴァ」では
コンボ全体の集中力が異様に高い、白熱の演奏になったため、
指の痛さも気にせず、ガンガン飛ばしていたのはさすがですね。
しかし指の事を考えると、まさに運が悪いとしかいいようがない展開。
あのテンポで小指を使わないのは不可能(笑)、
おそらく可能なのは、アート・テイタムぐらいでしょう!
いや、グレン・グールドもやりかねませんね。
「今日は気が乗らないから、右手の小指は使わない。
早く帰りたいから、通常の3倍のスピードで弾く。」とか、あっさり言いそうです^^
あと、前回聴かせていただいた時には気づかなかったのですが、
田村さんのピアノ、バラード系におけるペダルの上げ下げが絶妙〜ですね!
高校生の時に、イングリッド・へブラーのシューベルトを聴きに行ったことがあります。
別に演奏的には目新しい大冒険もなく、平均的中庸な演奏だったのですが、
ペダルの使い方がすごいうまかったんです。
響かせる瞬間に、ひょい!ひょい!ってペダルを上げると、
不必要に音が響いたり、こもったり濁ったりしないんですね。
田村さんのペダル操作もそんな感じで、絶妙だと感じました。
これはジャズ・ピアノのテクニックではありませんね^^
で、ミディアム以上のテンポの曲だと、あまりペダルをお使いになっていない。
そこもいいですね〜。ノン・ペダル奏法。バド・パウエルのように。
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テナー・サックス、熊村剛輔さん。
前回に引き続いての飛び入り参加です。
最初のうち、ベース・ソロの最中にバック・リフを入れていました。
珍しいなと思ったのですが、リードを気にされていた模様。
試し吹きだったんでしょうかね?
「リカード・ボサ・ノヴァ」は、テナー・ソロで開始されたため、
最初は何の曲か判りませんでした。
演奏が続くにつれメンバーが徐々に加わり、
本当に凄い演奏になりましたね!素晴らしかった!
テナー奏者のブレスの音とかブレス時の声とか、私、大好きなんですよ。
昔、ジョニー・グリフィンのアルバムに掛け声のようなものが入っていて、
これはきっとドラマーの煽り声だろうと思っていたのですが、
青山ブルーノートで生グリフィンを聴いたら、実はグリフィンのブレス音だったということがありました。
テナー・ソロだと特にブレスが生々しく聴こえてきて迫力あります。カッコ良かったです。
テーマの崩し方もまた絶妙で、しかも大事に大事に吹いている。
「ああ、これ、リカード・ボサ・ノヴァかあ!」と気づいたのはだいぶあと。
テーマをよく聴いていないと、何の曲か気づかない。
これ、クラシックにはありえない、モダン・ジャズの醍醐味ですね。
そして、演奏者の腕の見せ所でもありますね。
余談ですが、この「リカード・ボサ・ノヴァ」
40年前にハンク・モブレイのアルバムで発表された時には賛否両論。
特に硬派を自認する向きには非難轟々だったとか・・・
要するに
「ボサ・ノヴァのリズムが軟弱で、聴くに耐えん!モダン・ジャズはもっと崇高なんだ!」
ということなんでしょうが・・・
モダン・ジャズは基本的には楽しいもの。娯楽なんです。新興宗教とは違うんです。
そういう聴き方をしていると小皺が増えますよ、と忠告してあげたいもんですな。
これ、持論なんですけど、
モダン・ジャズに関しては、「白熱の演奏」というのは無いと思っています。
白熱しているのは我々聴き手だけ。
演奏者は、いくらノッていても、いくら酔っていても、白熱しきることなく、
どこか冷静にコード進行を考え、ソロを構築していくものだと思います。
即興演奏とは言っても、モダン・ジャズはコード理論に基づき、
冷静に音を拾い、選び、考えて、最高の道(音)を展開していくものだからです。
ぐでんぐでんに酔っていても、ロックだったら演奏出来るかもしれない。
でもジャズは決して演奏出来ないんです。
熊村さんもそうだと思いますよ。キャラに合わないことを理由に、ご本人は否定しそうですが・・・
すきっ腹にウィスキー呑んだので、かなり酔ったと、ご本人言われていましたが、
絶対にどこかでストッパー掛けてるんですよね、これが。無意識のうちに。
そして、譜面でコード進行の確認は怠らない。
オリジナル曲でのソロにしても、
本当に考えて、音を選んで、演奏全体を構築しているのが判ります。
だから演奏が引き締まるんですね〜。
熊村さん、サックス・ソロだけではなく、ギャグのほうも絶好調でした。
しかも前回以上にサムい!
チャーリー・パーカーのソロは複雑で細かい音が満載なので、
集中していないと大事な音を聞き漏らしてしまうのですが、
熊村さんのギャグもパーカーに負けず劣らず芸が細かく、しかもマニアックなので、
聞き漏らさぬように、こちらも違う意味で手に汗握りました。
な〜んか、妙な疲労感が残るんですよね〜虚脱感のような・・・
ラストのほうは興が乗ってきて、
渾身の力を込めた、捨て身のセクハラ・ギャグ。
しかし、努力の甲斐もなく、その大半が一部ファンを除いて不発弾に終わり、
ヴォーカルの熊田さんにあっさりとスカされて終了しました。
でも、女性ヴォーカリストとのノー・ガードでの打ち合いはお手の物の熊村さん。
熊田さんに与えたダメージ具合を考えると、「大成功」でしょう。
今ごろは、そのサムいギャグでボナペティを時ならぬ氷河期状態に陥れたことも一切忘れ、
来たる14日目に備えて、大相撲の優勝予想でもしているのではないでしょうか?
でも、何となく今日であっさりと決まりそうな気が・・・
(後半へ続く)
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こんにちは♪以前と同じくこんなに細かく書いてくださっているなんて、まるでライヴに行っているようです〜!私は聴きに行くにはちょっと遠いいのでこんな風に細かく書いてあると想像できて楽しいです!またよろしくお願いします〜♪
2005/9/24(土) 午後 4:40
一回、生でお聴きになると良いと思います。とてもすごい演奏ですよ^^
2005/9/24(土) 午後 5:31