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孤独と惨めさを急に味わいたくなって
電車から飛び降りてしまったのです
発車寸前電子音が流れるホーム
蟻のごとき雑踏は
たたずむ私に無色無臭の憎しみを
無遠慮に投げつけては
去って行きます
故郷のなまりなどなき停車場は
たたずんではいけない場所でした
歩き出す 歩き続ける
地下街で迷ってしまって小一時間
下を向いてよたよたと足を引きずる老人に
いらだっているこの我も
やはり蟻でありました
孤独で惨めな感覚を十分に味わいつつ
帰途についた私の周りを
なおも無色無臭の憎しみが取り巻いています
たたずむことを許さぬこの街は
孤独と惨めさに満ちた蟻の巣なのでした
我もその住人であることを
忘れてはならぬと時折心がさけぶのでした
2008年1月8日 松谷龍馬
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