中華的猟団 【漢華旅団】

1サバで活動中。実はそれ程中華的でもありません(´・ω・)

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「白夜殿!」
「お?ムサか。どした?」
「うむ。拙者、そろそろこの街を離れようと思うでござる。なので挨拶に参った次第!」
「おぉ、突然だな。人探しはいいのか?」
「うむ、それがどうやらこの辺りには居ない様なのでな。修行ついでに、他を探してみるでござる!」
「そかそか。そんじゃ…ちょっと待ってな」
「承知仕った!」

「…お待たせ。ほら、コレ持ってけ」
「むむ?これはこの前、白夜殿が得たリュウノテールではござらんか」
「あぁ。正規のメンバーじゃなかったけど、レウス討伐に成功したのはムサのおかげでもあるからな。礼だと思って受け取ってくれ」
「なるほど…。では、有難く頂戴致す!」
「あぁ、日持ちする様に塩漬けにしといたから、旅の途中にでも食って…って、今食うなよ!しかも生で!?」
「…ムグ…ゴクン。うむ、美味でござった!それでは拙者はこれで失礼致す。では、また!」
「…行っちまった…。腹、壊さんといいけどな…」

 …その後、とある馬車で一人の侍が腹痛で苦しんでいたのは別の話。


『迫り来る脅威』 -A menace it approaches, and to come-


 季節は一周して、温暖期。
 あのレウス狩りの後、武蔵はすぐに他の街へと旅立ってしまったが、俺…白夜と、劉良・エリスの3人はずっとこの街を拠点として狩りをしてきた。
 以前は動きにムラのあったエリスも、劉良の指導の賜物か、だいぶ良くなった。見ていると、まるで本当の兄妹の様で微笑ましい。
 そんな狩りに特訓に忙しい毎日が続くある日。
 ドスランポスの皮が欲しいと言った劉良に付き合い、俺達は密林へとやってきていた。
「最近、暑くなりましたねー」
 レイアシリーズに身を包んだエリスが、手で風を送りながらそんな事を言った。
「まぁ、温暖期だしな」
 俺はそう答え、顎を伝う汗を拭う。
 俺の身に着けているキリンシリーズは胸元が大きく開いているが、それでも暑い事は暑い。
「お前は特に暑そうだな…」
「うむ…しかし、これは俺のポリシーだ」
 そう言った劉良は、全身真っ赤だった。視覚的にも暑苦しいが、身に着けているフルフルUは肉厚な為、実際相当暑そうだ。
「まぁ…無理すんなよ」
「うむ」
「でも…あれからもう、一年経ったんですねぇ」
 エリスがふと、感慨深げにそう呟いた。
「あの時、お二人に出会えてなかったら…今の私はありませんでしたよ」
 エヘ、と笑うエリス。
 そうか、もう一年も経つのか。早いもんだ。俺と劉良、二人で「そうだなぁ」と頷きながら歩いていると、ふと違和感を感じた。
 この辺りは比較的草食モンスターの多いエリアで、今の時期ならケルビ辺りがのんびりと草を食んでいる筈だ。
 しかし今は、一匹のケルビを見る事もない。
 ただただ、静かな空間に熱気をはらんだ風が吹くばかりだった。
 劉良とエリスが未だ思い出に話に花を咲かせながら次のエリアに踏み込むと、急に射抜かれるような視線を感じた。
 反射的に身が竦み、辺りを伺ってみると、
「キケェェェッェェエ!」
 と甲高い鳴き声を発しながら、ランポスの群れを引き連れてドスランポスが現れた。
「おっと、お出ましか」
 妙な不安感はあるが、とりあえず今は目前の獲物だ。
 俺は背負っていた大剣、ストラテジーを構え、周囲の地形の把握にかかる。狩りをする際、周囲の地形の把握をしておかないといざという時咄嗟に動けない。劉良とエリスもそれぞれ武器を構えながら目線だけで周囲を確認している様だ。俺はエリスの成長具合に満足し、周囲の確認に戻る。
 どうもこの辺りは周りに木が多く、得物が大剣の俺はあまり大立ち回りは出来そうにない。しかし、浜辺も近いのでそちらに上手く誘い出せばよさそうだ。
「こっちだ!」
 俺は叫び、持っていた角笛を吹く。

――プォォォォッ…プォォォォオッ…

 角笛の音に気付き、ドスランポス達が一斉に俺を見る。
「ギャアッ」
 群れの内の一匹が俺に向かって走り出し、その鋭い爪と牙で俺の喉笛を裂こうと跳んだ、次の瞬間。
「ぅおら!」
 間に割って入った劉良が、空中でランポスを真っ二つにした。真っ二つとなったランポスは斬り口から発火し、地面に落ちる頃には炭となっていた。
「あぁ…これじゃ剥げねぇな」
 劉良は血払いをする様に双剣リュウノツガイを左右に振ると、続々とやってくるランポス達を見た。
「サンキュー、助かった」
「おぅ、気にすんな」
「うわぁ…なんか、どんどん数が増えてません?うぜぇな…」
 少し裏が出てきているエリスが、ブレイドエッジを構えながら呟く。
 見れば、まるで密林中のランポスを集めたのではないかという程に、集まってきていた。
「ケェ――――ッ!ケェ――――ッ!」
 ドスランポスはまだ仲間を集めるつもりなのか、恐らく召集の合図を続けている。
 既にランポス達の数は、20を超えていた。
「どんだけ集めんだよ!?」
 ランポスぐらいは屁でもないが、流石にこれだけ集まると対処しきれないかもしれない。
 何か様子がおかしいが…とりあえず一旦引くか?と劉良に提案しかけた時、

――ズゥ………ンン…

「…地震か…?」
 地鳴りの様な音と振動が響いた。

――ズゥ………ンン…

 まただ。断続的に、音が響いてくる。
「ギ…ッ」
 その響きと共にドスランポス達は『何か』に気付き、一斉に逃げ出した。数十匹の群れがいっせいに動く様は、まるで波の様だ。
「待てコラ逃がすかァ!」
「いや…ほっとけエリス。それどこじゃ、ないかも…」
 ドスランポス達を追いかけようとする裏エリスの襟を掴んで引き止め、劉良は神経を研ぎ澄まし始める。
 俺は得体の知れない不安に駆られながら、ふと何気なく空を見た。そこには、
「ガブラス!?」
 空を飛ぶ小型の飛竜種…ガブラスが、群れをなして旋回していた。
「ガブラスだとぉ?なんでアイツラが今の時期、こんなとこに…」
 劉良はそこまで言った後、ハッと思い至った様に目を見開く。
「おい、白夜…まさかこれは…」
「あぁ…俺も今、そう思った」
 俺は劉良と頷き合い、一目散にベースキャンプに走り出した。
「えぇ!?ど、どうしたんですかっ二人共!?」
 一人話しに付いてこれなかったエリス(裏状態から戻った)が、慌てて俺達の後を追ってくる。
 エリスには悪いが、今は一刻も早く街に戻らねば。
「後で説明する!」
 そう言って、俺は更に足を速めた。


    @@@


「なるほど、ご苦労」
 街に戻った俺達は、事の顛末をギルドマスターに説明していた。
「ふぅむ…恐らく、それは『奴』で間違いないじゃろう」
 ギルドマスターは重々しげにキセルの煙を吐き出すと、言った。
「主ら、ここではちと話し難いな。“大老殿”まで来てくれんか。エリス、主もじゃ」
「わ、私もですか!?」
「うむ。主にも既に、その資格は十分あるじゃろ」
 “大老殿”。そこは、一部の上位ハンターにしか踏み入れる事を許されぬ、ハンター達の聖域だ。
 殿内は荘厳な雰囲気に包まれ、奥にはハンターズギルドから街の守備までを取り仕切る大長老が鎮座していた。
「フォッフォッフォ…よく来たな。話は、聞いておる」
 大長老はウォッホン!と咳払いをすると、話し始めた。
「実は、古龍観測所の先遣隊から、既に連絡は来ておる」
「こりゅう…?」
 エリスがはて?といった顔で、小首を傾げる。そのエリスに、劉良は説明を始めた。
「古龍ってのは、現在のモンスターの生態系のどれに当てはまらない、特殊なモンスターの事だ。目撃例も少なく、捕獲どころか討伐すら難しい事から未だに謎が多い種族だ」
「まぁ、俺らは何度か狩った事があるけどな。ほら、俺が身に着けてる装備も、古龍『キリン』の素材から作ったもんだ」
「えぇ!?何か露出が多くてえっちぃ装備だと思ったら、そんなにすごいものだったんですか…!」
「…そんな目で見てたのか…」
 え?いやいや!とうろたえ始めたエリスを余所に、大長老はウォッホン!ともう一度咳払いをして、説明を再開した。
「それで、今回主らが接近した古龍じゃが…恐らく、『砦蟹』じゃ」
「シェンガオレンか」
 『砦蟹』シェンガオレン。それは、砦の如き巨体と堅牢さを誇る、恐らくは甲殻種と思われる古龍だ。巨大なモンスターの亡骸を背負って歩くその姿は、同じ甲殻種であるダイミョウザザミやショウグンギザミに通ずるものがある。ただし、そのデカさは比較にもならないが。
「奴が現在進行している進路から見て…恐らく10日後にはこの街にぶつかるじゃろうな」
 シェンガオレンに関して判っている事の一つに、どうやら一定の周期で回遊している、というのがある。ルートはまちまちで、現れる頻度も多くない為、いつ出くわすかは判らないのだが。
「…そんなもしもの時の為に、こちらも砦を築いたりしとるのじゃがな」
 何せ、相手は山の様な巨体だ。それが動いて、攻撃までしてくるのだから…ちっぽけな人間に敵う筈もない。
「そこで、諸君らハンターに、応援を要請する。近隣の街や村からもハンターを集うが、主らも参加してくれると有難い」
 その要請に、俺と劉良は勿論頷いた。
「エリス。主はどうする?」
 エリスの横にちょこんと立っていたギルドマスターが、エリスに聞いた。
「ええええ!?わ、私もですか!?」
 エリスは飛び上がって驚き、自分の腰程の身長しかないギルドマスターに叫ぶ。
「わ、わ、私なんか、お邪魔になっちゃいますよ?」
「ふむ。さっきも言うたが、主はここ一年でだいぶ成長した様に思う。それこそここに入る事を許される程にな。どうじゃろう?もしこの防衛戦に参加し、見事街を守り切れば…正式に、上位ハンターとして主を認めよう」
「わ…私が、上位ハンター…」
「まぁ、上位に上がったら上がったで、また色々と勉強し直しじゃがの」
 エリスは両の拳を握り締め、俯いてプルプルと震え始めた。
(おい…)
(あぁ…くるな…)
 俺と劉良は次の状況を察し、そそくさとその場を離れた。
「さぁ、エリス。どうす」
「うおおおおおおおお!やったるわあああああ!!」
 突如吼えたエリスは、近くにいたギルドマスターの頭を鷲掴み、ブンブンと振り回しながら踊り始めた。
「砦?は!そんなもん、切り崩してくれる!」
 ギャハハハハハ!と笑うエリスを尻目に、俺は大長老(若干引いてる)に依頼を受ける旨を伝えた。
「砦蟹、シェンガオレンからの防衛…確かに受けました」

――ズゥ………ウンン…ッ

 未だ遠くにいるはずの奴の足音が、また聞こえた気がした。





To be continued......

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ちょwエリスwww

1年経って裏エリスもパワーUpしてるじゃないか(´・ω・`) 削除

2008/8/21(木) 午前 2:28 [ リァン ] 返信する

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エリスさん。・・・何というかすごいことになってますねぇw

しかし、ムサさんはやっぱり食い意地が張ったキャラクターなんですね・・・。

さてさて、古龍迎撃戦。どんなドラマが待っているのか楽しみにしております^^。 削除

2008/8/21(木) 午後 9:22 [ ユミエル ] 返信する

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拙者の探し人とは誰か?
気になるでござる
シェンとのバトルも楽しみでござるな

2008/8/22(金) 午前 11:47 [ MUSA(武蔵) ] 返信する

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