|
『まほろ野』 全三十六句
*
人日や悲しき顔の天使地に
褞袍の子ひゆるり風巻く影の上に
秒針の一刻みごと寒む夕
寒月やまざと影立つ弁天祠
暮れ方の冬の朧の暮れるのみ
北風や晩飯の香の立ち行かむ
月星のはざまに冬の空気満つ
寒卵乗せてラーメン華やぎぬ
凍てし書を片付け凍てし掌洗ふ
大寒の干し物赤き真晴かな
ちよんぼりと雛の唇描く睦月尽
如月の朧となりて明け初めり
風花の匂ふホームや昏みゆく
堂上に鵯飼ひ賜ふ竹の雪
カカオの香昼寝さむれば氷雨なり
更けゆきて重たくなれる時雨かな
凍て雪の青き火花や始発行く
なやましや雪のあしたの薄ぐもり
月消えつ街の雪はや汚されぬ
薄氷のニコチン色に融けゆけり
梅蕾む歳時記春の巻失せて
(テレビ属目詠)
濤の音も潮噴く音も鯨かな
納豆やとある季節のどん詰まり
小鳥らのさやぎは急ぎ春を待つ
春隣朝日にまみれ寝てゐたり
屋根に人節分あたたかとなりぬ
鬼やらひ逃げ処ほかなき曠野かな
嚔せば小便曲がる春立つ日
立つ春もきのふけふなく柝を継ぐ
春雪の触れたれば頬夢のごと
春浅き弥勒の指の細さかな
切通し清水春泥より生まる
猫柳猫天鵞絨でできてゐる
余寒して犬己がほとを舐めるかな
しみじみと暗く笑へる遠嶺見つ
まほろ野の雲雀の声まだ聴こゆるか
*
2010年・立春の日に
余花二
|
うわ〜すごい。いっぱーい(笑)。
大寒の干し物赤き真晴かな
凍て雪の青き火花や始発行く
この二句が好きかしら。赤と青の対比で選んだわけではないのですが。
・・・立春の句、30分考えて諦めました(とほほ)。
2010/2/4(木) 午後 5:17
帰途,ケータイで拝見してます。以前にも増して言葉が立ち上がって来る感じのすごい句が…。後でPCでもう一度じっくり拝見してポチします。
2010/2/4(木) 午後 7:18
一番最後の句
「まほろ野の雲雀の声まだ聴こゆるか」
がいいです。この句の中に、めいべるさんの思いがこもっていると思います。ポチ!
2010/2/4(木) 午後 9:52 [ afuro_tomato ]
モクレンさん>読んでくださってありがとうございます。
立春とはいえ、まだ寒いですからねえ。
最近では太陽暦の歳時記もあるようです。
2010/2/5(金) 午後 1:04 [ 吉田ツグオミa.k.a.伊丹甚左 ]
NONAJUNさん>お褒めくださり恐縮です。
ほんの下手の横好き程度のものですが・・・
また読んでやってください。
2010/2/5(金) 午後 1:06 [ 吉田ツグオミa.k.a.伊丹甚左 ]
トマトさん>珍しく(?)お褒めくださった。。。どうもありがとうございます。
「まほろ野」とは、少年時代に遊んだ、今はもうなき草原なのです。
2010/2/5(金) 午後 1:09 [ 吉田ツグオミa.k.a.伊丹甚左 ]
なんか,入院なさっていたせいか,そういう話をうかがったせいか,句の雰囲気が変わった気がします。いっそうエッジがきいているというか…。
寒卵乗せてラーメン華やぎぬ
カカオの香昼寝さむれば氷雨なり
納豆やとある季節のどん詰まり
改めて拝読して,なんか食べ物系に惹かれました。寒いですけど,そろそろ梅もちらほら。杉花粉も舞い始めている様子…。ご自愛下さい。
2010/2/8(月) 午後 6:25
NONAJUNさん>どうもありがとうございます。
入院中は全然俳句できなくて・・・やっぱ病院では季節の推移がよくわかりません。
なんとかまた句が出来るようになって、本当に皆様のお蔭だと痛感いたしておるところです。
NONAJUNさんも、お仕事お忙しいでしょうが、季節の替わり目、お体にお気をつけて。。。
2010/2/10(水) 午前 11:18 [ 吉田ツグオミa.k.a.伊丹甚左 ]
自分の句を探索しようと,こちらのコメントのログを拝見していました。懐かしい方や懐かしい句に再会し,しみじみと時の流れを感じています。
本日,なんとか5周年を迎えました。俳句で記念記事を書きましたので,これからトラックバックさせて頂きます。
今後ともよろしくお願い致します<(_ _)>
2010/2/18(木) 午前 2:27
NO0NAJUNさん>5周年ですか!
すごいですねえ、「継続は力なり」。
トラバありがとうございます。
俳句、ゆっくりと鑑賞させていただきます。
またご返事をお書きいたしますね。少々お待ちあれ。
こちらこそ変わらぬお付き合いを、お願いいたします。
野中潤先生机下。余花二。
2010/2/18(木) 午前 11:28 [ 吉田ツグオミa.k.a.伊丹甚左 ]