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このデモ·レコーディング集、わたくし伊丹甚左こと吉田ツグオミの「歌のわかれ」とでも呼ぶべき産物なのでしょう。21世紀に入ってからというもの、ろくに音楽的活動をしていない、というかその方面の能力は蕩尽してしまった、一人の盛りを過ぎた中年アーティストの寂しげな肖像がここに浮かび上がっている、のではないかと、私は己が今日の有り様を分析しています。これは単なる自己憐憫なのか - 。
東京ローカルズの杉村類君などは(同年のよしみで)、「机に向かってばかりだと視野が狭くなる。ツグオミは音楽もやってたほうがいい、それが書くことにもフィードバックしてくるんだよ」と助言してくれたのですが、なにせシンギングもソングライティングも楽器演奏もままならない現状、自分が腹立たしくもあり、甚だ楽しからざる気分さえも沸き立ってきて、なんとも苦々しい限りです。 ここは一つ、私の「城北モッド」(©北沢夏音氏)な親友である通称·成増ケンちゃん=高橋健治氏を見習って(因みに彼は画家です)、「音楽的な方向とはまた違った表現活動(が持ち場の一モッド、であること)」 - 私の場合は、詩歌句創作/書評を主とする文筆の道 - に邁進する、そんな今後のヴィジョンを実行に移してみようかなあ。とか勘案しています。ポップアートじゃなくて、ここはあくまで「アートポップ」作家と僭称してみるか!(ねえ、Manjiさん。) まあ私はケンちゃんのようには貞操の観念が固くなく浮気症なので、彼が絵画一本に打ち込んでいるのをそっくり真似できるかは現時点では分からないんだけれども...。 だがそんな熱に浮かされた輩が世界にもう一匹増えたとて、血と陶酔のadolescence; 永久永劫に年若き神·ディオニュソスは許してくれるでしょう。- で、このディスク"DIRECTLY..."なんですが、私の所謂「白鳥の歌」となる筈。某マイケル·ヘッド氏じゃないが「青春は一度きり」。その動かしがたい一回性に、これを読まれている(あるいはCD-Rをお聴きの)どなたにも着目していただきたい訳です。 つまり当コンピは私の音楽がたった一度だけ輝きを見せた、かけがえのない季節の、自分でいうのもなんだが、貴重な記録なのです(済みません、結局宣伝文になってしまった...。要するに、もしあなたが私の音楽に興味を持たれたのなら - どうせこの後はないんだから - 、今回リリースの盤に依るしかない、ってオチ。「是が非でも」だけじゃなくただの「一寸」でも、色んなグレードの、「いちど聴いてみたい」という向きは、唯一のお取り扱い店·ココナッツディスク吉祥寺店さんまでご連絡を)。 限定100枚という制約内での話ですが、よりさまざまな(より多くの、とはいわない)方がたに聴いていただきたいな。音楽家としての私の最後の願いです。 - そんなふうに...、どうか誤解なく私の真意がお伝えできましたように。そして新しく更に美しく、私のつくるものがこの世に存在すること、のみを望んで、ひとまずは筆を擱(お)きたいと思います。あらあらかしこ。 04/11/2017 風来散人·伊丹甚左こと、吉田ツグオミ。 BGM: TONY TONI TONЁ "HOUSE OF MUSIC" + THE DOLPHIN BROTHERS "CATCH THE FALL" + THE CULT "THE CULT" + 田中一郎『ゴーイング·トゥ·パラダイス』←言わずと知れた元ARB、現甲斐バンドのギタリスト。意外に知られていないが、- 日本語ロックのクリシェの連発に耐えられるのなら - なかなかイカすパワーポッパーと言えるんじゃないかな?(私は葛西善蔵ばりに遅筆なので、これっぽっち書くのに一晩一ぱいかかった*のです。それでこの山積みのBGM用CD、という仕儀に。嗚呼...。) * 一晩どころか最終的な推敲が完了したのはとうに3週間めを迎えようっていう(本日只今)11月24日未明。文章には人間性が赤裸に現れる。私の文体は、さしずめ「くよくよ体」とでも言うのかな。しかし大事な決意表明なのだから、仕方なくもあるのだ。一句、 冬になる日を初マフラーと決め得たり(甚左) お粗末様。文末に句を附するのが習慣化している。筆者当人格別俳文なんて改まったつもりもない。でも、それじゃ日常茶飯的過ぎる - ゆえ、満足できる作を吟ずるのはかえってむずかしい。とはいえど...、何をか謂わん、またどこかでお会いできれば。T.Y.生記。 P.S. う〜ん、少々八つ当たり気味なのは承知の上で...、お気に入りのミュージシャンがパーソナリティー·クライシスに直面してるって事態に、(褒め言葉にせよ)「声が最高云々」は逆効果じゃねーかなー? 貶められてないですかー私? それは私に天与なエレメントであって、いつも期待している、自作に聴き取って貰いたい「精進の果てに自力で手に入れた」核心、とは正反対(物故なさったTHE ROOFの佐々木光紀さんの声を想起、というTさんのご感想は正直嬉しかったが。あの人にはネオアコ勢の中では珍しくといっていいシンパシーを抱いていた。Tさんに感謝。問題はベタぼめ屋のもうひとかた)。あなたが雲丹と牡蠣なんぞ肴に晩酌してるとき、俺は苦い精神安定剤を冷めたインスタント·コーヒーで嚥み下してますよ、と。ま、俺は(誰にも理解されなくとも)自暴自棄な衝動には従わないけどね。皆がいうほどガキじゃねーから。とにかくある程度キャリアを積んだR&Rerには(私はその空蝉に過ぎないけど)、あんまりそれは言わないほうが無難なNGワードだと思う。以上、老婆心半分、ですが。あーあ、ソースだぼだぼかけた牡蠣フライ、少なくとも10年はご無沙汰。腹がグーキュル(この空腹感は風流の径にはいかでかの付き物。苦しむより楽しめ)。ほんじゃま。T.Y. BGM: キドリキドリ "LA PRIMERA" + MAHLATINI & MAHOTELLA QUEENS "PARIS - SOWETO". 人生は追伸に次ぐ追伸か「所詮」と言はば唇寒し(甚左) つーことでP.S.のP.S. ここまで書いておいて何を今さらって感じですけど、私だって人の子なんだし、取り敢えず何でもお褒めに預かれば嬉しくないワケがない。特に他意はないんです。ただ、私も(勿論)兄も貧家の出なので、親から受け継いだこと·もの、を誇る(どころか、なにげなく雰囲気として漂わす、のですら...)のには馴れていない、それだけのお話。いい意味で「坊(ボン)」なManjiさんとか八坂さんとか、ホントに羨ましいんですよ。だから愛と自らの野心の板挟み(が原因の、心痛、かな? 彼は小心な男でした)に敗れて死んでいったウチの親父からの形見が、たった一つこの青くさい声だった...なんて言うと、すごく哀しい - そんな存念があるんです。その心理を赤の他人に理解してくれ、とは言いませんが。自分の一応の心的動向の解説、それだけ。どうであれ、評価してくださった方にケチをつけるなんて、尊大でした。こんな態度は今後なるだけ改めます。また長くなっちゃったな。ご免ください。 06/12/2017 T.Y.生記。 BGM: LAURIE ANDERSON "BRIGHT RED / TIGHTROPE 2on1 cd". |

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