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電話網の置き換え

もう一月近く前の話題ですが、NTTが光ファイバーの加入者目標を大幅に下方修正しました。2010年までに3,000万加入を目標、と言っていたのを2,000万に。NTT、FTTH加入者目標引き下げ “光大国”座礁しかねず(ITPro)
三浦社長は「中期経営戦略を発表した3年前は、現在のようなブロードバンドの進展が見えておらず、当時の加入電話回線6000万件の半分として示したビジョンにすぎない」と釈明
ということは最初がどんぶり勘定だったと認めたことになるのですね。

このニュースを聞いたとき、NTTは次世代ネットワークを既存の電話網の置き換えには使わないのでは?
と感じました。

実際、2010年に目標が達成されたとしても2,000万ユーザのすべてがNGNユーザになるわけではないですし
BフレッツユーザがどれだけNGNに乗り換えるかわかりませんが、数百万ユーザいけば御の字でしょう。

それでも残り4,000万近くのユーザは電話網を使い続けます。

もともとは既存電話網を維持できなくなるから中身をIP化して延命させる、という半ば追い込まれた状況が動機付けだったのがNGNで、それにブロードバンドサービスもからめて未来の飯の種に、という狙いだったはず。でもNTTは電話網の置き換えについてはまったく未来を示していません。

確か電話網がデジタル化が完了したのは1995年頃なので、20年は使うとして、2015年、そこが最大のマイルストーンでしょう。

その頃には、NGNにメタルをつなぎ、中継はIP、ラストワンマイルはアナログ電話、として利用者には今までどおりの電話に見せる、というサービスを提供するようになるでしょうか。

その頃には、BフレッツユーザもNGNに接続して、DSLユーザへの乗り換え勧奨も終わっているでしょうか。
それより何より、8年後に今の技術で作られたネットワークが使い物になっているのでしょうか。

8年前というと、、、フレッツISDN全盛期、iモードが出てきた頃、か。
この2ヶ月、目が回るほど仕事が忙しく、ブログを書く気力も起きなかったのですがなんとか落ち着きました。
この間、通信業界はいろんなことがありました。

アイピーモバイルが破綻して、周波数を返上。総務省の責任はどうなるのだ。

au, ドコモが携帯電話の新らしい販売施策を発表、auには総務省が激怒したとか。

その一方で、各携帯事業者が2.5GHz帯への免許申請。どこがその免許を手にするか、よりも、どんな理由で免許が出るか、に興味があります。

モバイル業界に比べると固定系はNTT NGNぐらいが話題か。

と思っていたら、
「新世代ネットワーク推進フォーラム」設立について(総務省)
目的を抜粋すると、
本会は、既存技術の延長に捉われることのない新しい設計思想・技術に基づいた「新世代ネットワーク」の創出に向けて、産・学・官の連携のもと、関係者が集結してネットワークの専門家のみでなく幅広く異分野の知見も取り込んだ体制を構築し、戦略・ビジョンの作成や研究活動の裾野を広げる取組を実施し戦略的な研究開発を推進することを目的とする

IPv4と似て非なるIPv6は未だに浸透していない現状で、既存技術にとらわれない新しい技術がどうやって広がっていくのか、見てみたいものです。アメリカがやるから日本もやるか、という感じもしますけれど。

しかし、2015年ごろには新世代ネットワークって、来年スタートするNGNは8年で取って代わられるかも、ということか。

NTTのコアコンピタンス

どんな企業でも(個人でも)コアコンピタンスが何かを認識するのは重要です。

NTTのコアコンピタンスはなんでしょう。通信ネットワーク技術とインフラ(特にアクセス回線)でしょう。
経営コンサルタントの大前研一氏はそれを替えるべきだと主張されています。
-生まれ変わるNTTの進むべき道

いわく、
「光ファイバに固執するな、むしろそれを別会社にすることでNTT法の規制を撤廃させろ」
「研究所も切り出せ」
「コンテンツ流通時代が来るのだから、その課金・決済事業に進出せよ」
「NGNのような垂直統合サービスは時代遅れで、インタフェースを開放しろ」
さすが大前氏、指摘がドラスティックです、と思ったのですが

ちょっと待ってください。

アクセスラインとしての光ファイバに固執しすぎるべきでないと私も思います。
無線アクセスは光ファイバの補間ではなく代替として発展すると信じています。
(光ファイバと同等の性能・品質を持つという意味でなく、費用・機能のバランスを考えた上での代替)

アクセスインフラ構築をいろんな会社がやるのは無駄なコストがかかるだけですから、分離して他通信事業者も含めてフェアにサービスを提供する、というのも同意できます。
そんなことをしたら競争が働かなくなる、と言う人も要るかもしれませんが、そのためにも、無線アクセスを光ファイバの代替として発展させなければいけません。

研究所を切り出す、というもかつて他の通信事業者も指摘していたと思います。

ただ
NTTが電話料金を徴収しているから、優秀なかつ多くのユーザが加入している課金システムがある。それを使ってコンテンツ課金・決済事業まで手を伸ばせ、というのなら、電話事業が前提なので、やはりコアコンピタンスはインフラ事業であって、決済事業は多角化に過ぎない。

大前氏が指摘するように、これからはコンテンツ時代だ、それを見据えて課金・決済が重要だ、と言う点はNTTも理解しているでしょう。だからこそ、垂直統合のNGNなんだと思います。NTTが目指しているのはiモードの再来なのです。

でも読み直してみると、大前氏の主張にはほとんど同意できます。
インフラを開放するかどうか、そこがNGNのポイントになってくるでしょう。かつて見た話ですが、インフラを開放したらNGNじゃなくなってしまう、とNTTの人は思うでしょうねえ。
ソフトバンクBBが、ADSLサービスを他の事業者に提供するそうです。
-ソフトバンクBB,ADSL回線の提供で関西ブロードバンドと協業(nikkei BP Net)

ソフトバンクBB自体が、NTTからメタル回線を借りてADSLサービスをしているのに、それを又貸しするわけです。別に問題ないですが。
記事によると、関西ブロードバンドはブロードバンドサービスの提供を受けられない地域へ展開していくとのこと。

折りしも、総務省「ブロードバンド・ゼロ地域」解消へ戦略会議(ITmedia)という話があったばかりで、これはメタル電話をユニバーサルサービスから除外する計画を阻止することも意図してたりして。かんぐり過ぎでしょうか。

個人的にはアクセス回線としてのメタルは残しても良いのではないか、と思います。
すでにある資産を有効活用するのは間違ってない。

固定電話がユニバーサルサービスでなくなったとしても
0ABJ番号取得要件から品質条件を緩和すれば、
IP電話網のアクセス回線は光ファイバーでなければならない理由が消えるので
ADSLで固定電話代替としてのIP電話もOKでしょう。

そこまで狙っていたりして。考えすぎ。




まあ2010年までに光加入3,000万人、という目標は、裏を返せば、メタル加入者も3,000万残っている、
ということなのですが。

最近気に入った言葉

最近気に入った言葉が「パラダイス鎖国」です。
言葉自体は海部美知さんが2年位前に考案されたそうなのですが
日本の通信・携帯業界の置かれた状態を一言で言い表せる、言い得て妙。

通信・携帯業界では、そのプレーヤーである通信事業者と通信機器メーカーとが立場は違えど同じくパラダイス鎖国に安住してしまっています。

その状況に対しては、通信機器メーカーに対しては心配(憤慨)し、事業者はややスルーという感じでしょうか。

たとえば、以下のコラム↓
-日本は本当にNGNの先進国?(ITPro)
のように、エンドユーザの立場からNTTのNGNってどうなの?との問題提起がいつのまにか、通信機器メーカーの所在無さに話が落ちてしまう。ごっちゃにしてるんですよね。

それがいけないことなのか、問題ないのか、と問われれば、
個人の考えの次第ですが、利用者がどこかで不利益を被っているのではないか、と思うので私は問題だと思いますね。

ただ、事業者もメーカーも、みんなパラダイス鎖国状態になることを狙ってやってきたわけでもないと思います(信じたい)。
ただ、そこそこの努力でそこそこの収益(目をつぶれる程度のマイナス)を得られる、低い位置での均衡状態にたどり着いてしまった、にすぎなくて、まあ、互いに互いを必要とした結果、これに至ったと。
だからこそ、なのですが、当事者達が率先してこの状況を脱却することは難しいでしょう。

まあ現時点では海外からいろんなサービスも入ってくるし、外資も進出してくる。だから半ば面白半分に「パラダイス鎖国じゃいけねーな」なんて言っている訳ですが、今にほんとに無視される存在(マーケットはそこそこあるけど、めんどくさいマーケットだし、もうスルーでいいやという感じ)になってしまうんじゃないかと、ちょっとだけ怖くなってしまいます。

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