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ーーー1月10日、私は下の記事をフェイスブックに投稿しましたーーー
逃亡罪にならない???法律の矛盾点いっぱいだ。 警察や検察に不審心湧いてます。 ★そしてな逃亡を手助けした友たち・・・にも ーーこの記事をみた法学部の青年が下の記事を投稿してくれましたーー
創価大学1年生の関根 一昌と申します。 今回は、横浜市で起きた逃走犯の事例について、解説を加えさせて頂きます。 なお、僕が述べているのはあくまでも「刑法典上の罪」についてであり、 軽犯罪法、条例などに触れる罪についてはお答えできません。 横浜の事例を読み解く〜その1〜 逃走者の罪責について① ①逃走者の罪責 まず、刑法典を開くと、第97条に、単純逃走罪という罪があると思います。... この罪がどうやら該当しそうです。 参考:97条 裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者が逃走したときは、1年以下の懲役に処する。 さて、ここにいう「裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者」って、どういう人なんでしょうか。 まず、既決の者とは、刑の言い渡しが確定したことにより、拘禁されている者をいいます。 死刑の執行に至るまで拘置されている者や、罰金、科料を払えず労役場に留置されている者も含みます。 (後者については、刑法18条に規定があります。) 本件に当てはめると、この逃走者は刑の言い渡しを受けていないため、この「既決の者」には該当しません。 次に、「未決の者」とは、どういう人なんでしょうか。 横浜の事例を読み解く〜その2〜 逃走者の罪責について② 「未決の者」とは、被疑者または被告人として勾留状により拘禁されている者をいいます。 僕は刑事訴訟法をまだ勉強していないので、勾留状、被疑者などについては少し解説できません。 なお、ここには、逮捕状によって逮捕された者は未決の者とはいえません。現行犯として逮捕された者も ここには含まれないと解されています。 本件に当てはめると、この逃走者は勾留される前に逃走してしまったので、この「未決の者」にも該当しません。 よって、逃走者はこの条文の主体に当たらないため、97条の適用はないということです。 しかし、98条には加重逃走罪という罪があり、これなら適用できそうです。 参考:98条 前条に規定する者又は勾引状の執行を受けた者が拘禁場若しくは拘束のための器具を損壊し、暴行若しくは脅迫をし、又は2人以上通謀して、逃走したときは、3月以上5年以下の懲役に処する。 横浜の事例を読み解く〜その3〜 逃走者の罪責について③ さて、98条の加重逃走罪を、逃走者に課すことは出来るのでしょうか。 98条では97条の主体に加えて勾引状の執行を受けた者も主体に含まれます。 勾引状とは、 裁判所が被告人などを勾引するために発する令状です。 勾引とは、人を不法に自己または 第三者のもとにおくことです。 これは刑事訴訟法73条などに規定があるようですが、詳しいことはよく分かりません。 学説では「逮捕状」により逮捕された者もこの主体に含むとしているものもあれば、それでは広すぎるとするものもあります。 (同旨、大塚、大谷、西田など。反対、西原、吉川、藤木など) 本件に当てはめると、この者は2日に集団強姦罪の疑いで逮捕状を出され逮捕されているので、ここにあたります。 (むろん、広すぎるという後者の学説によれば適用は出来ません。) よかった、だったら98条の適用によりこの逃走者は加重逃走罪・・・とするのは気が早いのです。 横浜の事例を読み解く〜その4〜 逃走者の罪責について④
98条の条文をもう一度よくご覧ください。 「拘禁場若しくは拘束のための器具を損壊し、暴行若しくは脅迫をし、 又は2人以上通謀して、逃走したとき」とあります。 本件では、縄を抜けた逃走車の行為は縄を拘禁場もしくは拘束の器具を破壊したとは言えず、 (これについては広島高判昭和31年12月25日の判決により腰縄を緩ませただけでは本罪は成立しないという判例があります。) また暴行を加えたという事実もなければ、2人以上通謀したともいえません。友人に連絡したのはそのあとですからね。 よって、本条の適用もなく、逃走者は何の罪責も負わないことになるのです。 もっとも、縄を切ってしまったとか、縄をすり抜けた後見つかって追ってきた者に対して暴行を加えれば犯罪成立です。 次の投稿では、逃走者の友人について犯罪が成立するかどうかを解説します。 横浜の事例を読み解く〜その5〜 逃走者の友人の罪責①
昨日に引き続き、横浜の事例について考えてみます。 今回は、逃走者の友人の罪責について考えてみます。 まず、刑法100条を見ますと、逃走援助罪という罪があると思います。 これが適用されそうですね。 参考:100条 1.法令により拘禁された者を逃走させる目的で、器具を提供し、その他逃走を容易にすべき行為をした者は、3年以下の懲役に処する。 2.前項の目的で、暴行又は脅迫をした者は、3月以上5年以下の懲役に処する。 このうち、本件では友人たちは逃走を容易にさせる暴行または脅迫を行っていないので、1項の方が適用されそうです。 しかしながら、昨日の投稿(〜その2〜)でも書きましたが、逃走者は法令により拘禁される前であったので、この罪には問われません。 それでは、友人たちは無罪なのでしょうか。 横浜の事例を読み解く〜その6〜 逃走者の友人の罪責②
刑法103条を見ますと、犯人隠匿罪という罪があります。 参考:103条 罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、 又は隠避させた者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。 本条の行為は、蔵匿または隠避ですが、判例・通説によると、蔵匿とは、官憲の発見・逮捕を免れる場所を 提供することです。 また、隠避とは、蔵匿以外の方法で官憲の発見・逮捕をを免れさせる一切の行為をいいます。 このうち、本件の白のスクーターを貸す行為、着替えや携帯電話を貸す行為、逮捕現場の周辺まで乗せる行為は、隠避に当たると思われます。 それでは、この友人たちを犯人隠避罪とすることは可能でしょうか。 横浜の事例を読み解く〜その7〜 逃走者の友人の罪責③ あとは逃走者の友人は逃走者が罰金以上の刑に当たる犯罪を 犯したことを知っていればこの罪は成立です。(同旨、大谷、団藤、前田など多数説) ところで、逃走者を逃がした友人は3人いることがわかっています。 前に述べたように、逃走直後にスクーターに載せた友人A、 携帯電話や着替えを貸した友人B、逮捕現場まで乗せたCがいます。 それでは、友人たちは逃走者が犯罪を犯したことを知っていたのでしょうか。 まずAに関する情報は、http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1006W_Q4A110C1CC1000/ が詳しいですかね。 これによると、逃走者の友人Aは「事件は知らなかった」とコメントしています。 よって、Aに罪を着せることはかないません。 それでは、B、Cについてはどうでしょうか。 横浜の事例を読み解く〜その8〜 逃走者の友人の罪責④
B、Cは前述のリンクによれば、逃走者に出頭を促したが、聞かなかったとありますので、 少なくとも逃走者が罰金以上の罪に当たることを知っていたと思われます。 よって、B、Cについては犯罪が成立するでしょう。 しかし、出頭を促したという記述から、情状酌量の余地があると思われます。 103条の法定刑は2年以下の懲役または20万円以下の罰金ですので、 情状酌量の余地ありとなれば、減刑され1年以下の懲役または10万円以下の罰金刑となります。 さらに、逃走者自身についても、実はこの103条が課される余地があるのです。 横浜の事例を読み解く〜ラスト(#^^#)〜 逃走者の友人の罪責⑤
刑法には、教唆という概念があります。 この成立概念などは省略しますが、要するに字のごとく、「教えて唆す」ことです。 たとえば、Aに対してXが、コンビニにて「あのおでんうまそう。Aさ、ちょっととってこい」 といって、Aに対して窃盗を教唆すれば、Aは窃盗罪、Xは窃盗教唆罪として罪に問われます。 なお、AとXの量刑は同じです。 本件に当てはめると、逃走者はこの同級生ら2人に同市に車で迎えに来るよう連絡していますので、 もし友人たちを説得して乗せてって貰う様に差し向ければ103条の教唆罪にあたる可能性は十分にあります。 よって、逃走者は本件について無罪とならない可能性も十分にあり得ます。 いかがでしたでしょうか。 これにて、今回の考察を終わらせていただきます。 まだ事件は捜査段階なので今後の動向にも注目したいところです。 また、今回の逃走者が犯した集団強姦の罪に対しても実は書きたいことは山ほどあるんです・・・。(*^-^*) 今回研究してみて、やっぱり自分にはこういったことは非常に向いているんじゃないかと思いました。 条文をあてはめ、事実から考察していく・・・。 うーん、実にワンダフル・・・。(・∀・)笑 というわけで、9回にわたって読んで下さった方々、大変にありがとうございました!!!(^^♪ |

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