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ずうっと見ていました。 よその知らない子どもたちがやるスイカ割りを。 スイカ割りは、あこがれでした。 目かくししてどこまでいけるか あたるかあたらないか 割れるか割れないか はらはらしながらみていました 当たった音 割れてくだけたスイカの赤色。 白砂に敷かれたビニールシートの上でとてもきれいでした。 おいしそうでした。 お日様の陽射しが斜めになってきたような気がして はっと我に返って辺りを見回しました。 いっしょに来た子ども会のみんなは誰もいません。 周りの様子も、違います。 ずっと遠くまで砂浜です。 こんなところではなかった。 小さな私は子供心にも、まいごになった、 みんなや、母を捜さなくてはならないと必死になりました。 あっちに走り、こっちに帰り。 涙が出そうになるのをこらえて探し回りました。 胸がどきどき。 みんな帰ってしまったのでは・・ たぶん顔色も変わっていたでしょう。 名前を呼ばれて振り向くとそこに、ともだちのおかあさんがいました。 涙が出てきて困りました。 波打ち際を右に左に走る私をみんなで見ていたと聞きました。 はずかしくって体中がまっかに、あつくなりました。 海は、潮が引くことに私は気がついていませんでした。 周りの景色が違って見えたのは、そのせいでした。 幼稚園 年長組のときのことです。 |

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