|
【写真】福岡県庁ホームページより ≪ 合法ドラッグなんてありえない! ≫
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/b02/ihoudrug.html
「合法ハーブ」と称する、大麻とよく似た幻覚作用がある脱法ドラッグ=写真・福岡県提供=の販売が横行している。4、5年前から国内で流通し始め、福岡県内では昨年夏ごろに販売店が現れた。店は「お香」として販売しているが、購入者が吸引して意識が混濁し、救急搬送されるケースも相次ぐ。厚生労働省が薬事法で販売を禁じる指定薬物を含む疑いがある商品もあり、福岡県警も捜査に乗り出した。
居酒屋やバーが軒を連ねる福岡市中央区内のある一角。小さな衣料品店や雑貨店が入ったマンション1階。入り口に「ナチュラルハーブ」の看板がある。2階の店内には、壁に100種類ほどのカラフルな「ハーブ」のパッケージが並ぶ。
うち約20種類には紹介文も。「幻覚」「多幸感」「音」などの項目に「アッパータイプ。到達早いよ!」「セッティング次第で色々な方向にイケるよ」などの宣伝文句が並ぶ。店員によると、たばこのように乾燥した葉を紙で巻いた「ジョイント」を1本400円から販売している。
平日にもかかわらず次々と客が訪れる。若い男性客が多い。店員に使用法を尋ねると「お香のようにたきます。吸引する方も多いみたいですけど、うちとしてはお勧めしていないんです」と答えた。
近くにある別の店では、レジの前に葉が入った透明のパッケージが並ぶ。1グラム1500円。「吸引目的の販売はしていない」と張り紙があった。
厚労省によると、この種の脱法ドラッグは欧州からの輸入とみられる。乾燥させた植物片に、大麻に似た効果がある合成化学物質を染み込ませている。同省は「ハーブ」の成分分析をして09年から順次、含有物質を販売禁止薬物に指定しているが、次々と成分を変えた「新種」が登場、いたちごっこが続く。
福岡県薬務課によると、販売店は福岡市や北九州市で計7店舗あり、インターネットで販売している店も県内に6店舗ある。昨夏以降次々と開店し、順次立ち入り調査をしているが、実態把握は容易ではない。店の関係者は「この周辺だけでも5〜6店鋪はある」と明かした。
販売禁止薬物を含まなくても、吸引目的を公にして販売すれば、無承認の医薬品販売行為で薬事法違反にあたる。厚労省の担当者は「『お香』などと言って販売するのは法の網をすり抜けるため。実態は紙巻きなどで吸引する違法ドラッグ」と断言する。
福岡県警の調べでは、県内で昨年5月以降、13人が「ハーブ」使用で救急搬送された。大半は10代後半から20代の男性。吸引して目が回ったり、吐き気を催したという。
脱法ドラッグの横行に、捜査当局は取り締まりに乗り出した。静岡県警が昨年8月、「ハーブ」店経営者を薬事法違反(指定薬物の販売)容疑で逮捕したほか、福岡県警は先月15日、指定薬物を含む商品を陳列した疑いがあると、薬事法違反(広告の制限)容疑で福岡市中央区舞鶴の雑貨店を家宅捜索した。
厚労省は「こうした薬物はゲートウエードラッグ(入門薬物)と言われ、覚醒剤などにエスカレートする可能性もある。安易に使用しないでほしい」と呼びかけている。
2012年1月14日 毎日新聞
|