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「SMOKING KILLS」
余計なお世話だ。
まさか自分がこんなにつまらないことをぐちぐち考える人間だとは思ってもいなかった。
何を根拠に買いかぶっていたのだろう。
わたしだって、ただの平凡な女なのだ。
つまらない。
実に、つまらない。
それに、くだらない。
だから、人には話したくない。
でも結局、書く。
見返りの無い仕事は、やりきれない。
要するに、家事のことだ。
というより、外で仕事をしていない妻の、
一般的な無収入の業務全般だ。
こちらへ来てから仕事はしていなくて、
わたしの日々の義務は家事全般だけになった。
炊事、洗濯、掃除、買い物、家計のやりくり、各種支払いの手続き、
各種書類の作成、夫の職場の人や親戚、友人との交際関係、
とにかく雑務全般、諸々。
考えてみると、仕事を辞めてからではない。
結婚してからずっと、それら全てはわたしの仕事だった。
夫と一緒に暮らし始めてからこれまで6回引越したけれど、
荷造りはもちろんのこと、引越しに絡む全ての業務はわたしの仕事。
夫の転職の際の履歴書までわたしが書いた。
アメリカへ来る際の、ビザの申請のための書類の作成や、
アパートの手配、航空券の手配、荷造り、
日本の荷物の処分、電気、ガス、電話、水道などの手続き全般、
アメリカに来てからの手続き全般、日用品の買出し、
全て、わたしがやった。
それに、今は、夫は昼も帰ってきて食べる。
三食、食べる。
しかも、手抜き料理は食べてくれない。
帰宅したら、着ていた服は次々に、
チルチルミチルのパンくずのように、
床に点々と脱ぎ捨てられる。
彼のコンピュータの周りには鼻をかんだ紙くずがすぐに山盛りになる。
朝、出かけるときも全ての衣類を揃えて用意しておかないと
いつまでも全裸でうろうろしている。
髭剃り、爪切りも声をかけて渡してあげないと自分でできない。
それでも、日本に居たときは、
わたしの勤務時間の倍くらい働いていたし、
給料も倍くらいもらっていたから、
家に居るときくらい出来るだけ楽してもらおうと
甲斐甲斐しくお世話申し上げていたのだ。
しかし、今は給料は無いようなものだし、
仕事に行っている時間も恐ろしく短い。
なのに、家に居るときの生活態度は元と同じだから、
だから、この頃気になって仕方がないのか。
否、たぶん、それだけじゃないのだ。
それに、わたしは何かと家事をすることや、
細々とした雑務をこなすことも、嫌いじゃないのだ。
決して嫌々やっているわけではない。
間違っても完璧な仕事をしているとは言えないし、
寝坊や昼寝は人並み以上だし。
それなのに、どうして、
最近急に虚しく思うようになったのだろう。
つまらない、ありきたりな、不満。
見返りがないことが、不満。
もう本当に、嫌になるくらい、ありきたりでつまらない愚痴。
やはり、あのときの言葉のせいなのだろうか。
先日、日本に居たときの夫の先輩がNYに遊びに来た。
「アメリカ生活で、さぞかし高カロリーな食事でまた太っているだろうと想像していたけれど、むしろ顔が小さくなっているものだから、ちょっと驚いたよ。」
そう、夫はこちらへ来てから10Kg近くも痩せたのだ。
日本に居たときは夜中すぎまで仕事して、
職場で高カロリーの夕食を食べて、さらに帰宅後にも
普通の量の夕食を食べていたので、平均四食はとっていた。
くたくたで帰宅して空腹を訴えられたら、
健康のためなどといって食事を出さないなんてこともできず、
結局仕事が忙しければ忙しいほど太っていった。
それが、こちらへ来てからは、
三食を家で規則的に食べているから、
それだけでどんどん体重が落ちたのだと思う。
それが、夫とわたしの間では通説になっていたのに、
なぜか夫は先輩に
「そうなんですよ。こっち来てから、アメリカの飯がまずくて。お金無いから、安いものを買って食べるじゃないですか、そうしたら、まずいから結局あまり食べずに痩せるみたいで。」
なぜ、そんなテキトーなことを言う??
外食なんて2、3回しかしたことないのに。
昼だって、職場で何か買って食べたのも数えるほどしかないはず。
その会話を聞いていたときには何とも思わなかったのだけれど、
後になってからだんだん腹が立ってきて、
だって、あんなことを言ったら、
わたしが全然食事を作っていないみたいじゃあないか。
そういえば、どうりで、あの先輩が後から、スーパーは近くに無いの?
とかそんなことを聞いていたし。
だいたい、あんな口からでまかせがスラっと出てくること自体、
家で三食妻に作ってもらって食べている、という実感が無い証拠なんだ。
それにそれに。
夫は、「ありがとう」と「ごめんなさい」は、たとえギロチン台に載せられようとも
決して口にしてはいけないと教育されて育ったらしい。
いったいどこの国の王子様なのだろうか。
結局あの会話が引っかかってむずむずぐちぐちと不満な気分が燻っているのだけれど、
今更
「ねえ、あのとき言ってたことだけど」
なんて終わったことを改めて言うのも好みじゃないから、
結局ここに書いて、
それで、
ちょっとだけ、すっきりしたかも。
まあ、三食家で食べるほどヒマだってことを、
先輩に言いたくなかったのもあるんだろうな。
あーくだらない。
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おはようございます。肉まんさま。
まるで自分が責められているようにも思う記事でした。
僕の奥さんも、ほぼ専業主婦なので、毎日僕に対して同じように怒っています。
だけど、腹をたてるというのは、同時に腹をたてた相手に注目し、感情をぶつける対象としているわけですから、
そうやって日々をすごすうちに、その相手が生きる意味に近くなっていきます。
あるいは、結婚する相手選びというのは
「この人となら仲良く暮らせそう」というよりむしろ
「こいつとなら喧嘩してもいいな」という相手を選ぶべきなのかも。
そんな好敵手みたいな相手の方が、いいような気が、若干する。
若干したりもする。かもしれない。
2009/9/12(土) 午前 5:51
ごくろう君、わたしは結婚する相手を「選んだ」という実感が無く、「この人と結婚したらこんな感じだろうな〜」とかの将来のイメージとかも無く、かなり芸術的な直感で、一緒にいることが「気に入った!」と感じたからそうなった、というような。
だからその結果でてくる現象が次々と新しいというか想定外で面白いと感じてはいるのです。
ただ、実際に選べるのだとしたら、喧嘩の好敵手を選ぶっていうのは本当に良さそうですね。
自分とあらゆる面で違って当たり前の、他者とくっついて暮らすのですから、仲良くすることより喧嘩することのほうを前提としたほうが理にかなってますよね。
とはいっても。
読み返してみて、やっぱりわたしは「ありがとう」とか「ごめんなさい」とか言われたいんだなァ、と気づきましたよ。
小さいなあ。はい、小さいです。
2009/9/12(土) 午後 0:40
ワテも主夫やって10年。今はビョーキ男と二人暮しになりましたので、気持が内に内に向いてしまうと、奴のやってる些細なことが異常に気に障ってしまうです。
時々、爆発します。
ぢは辛いなぁ。時に鮮血がほとばしることあるもんなぁ。治したけど。^ω^
2009/9/21(月) 午後 0:41
おおっ。低人さんでも爆発すること、あるんですね(笑)
やはり家にこもって世界が狭くなってしまうとお互いしんどいですよねー。時々「やってあげている」みたいな上から目線でいる自分に気づいて「うわっ、キモッ!」ってぎょっとしたりします。
やだやだ。
ぢ、幸い、鮮血がほとばしることなく、なんとか治まってくれたようです。いやはや、痛かったですよ。
2009/9/25(金) 午後 0:49