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soregasi先生お勧めの1冊である。
http://blogs.yahoo.co.jp/mattyanlucky/12426604.html
日常の些細について綴られているので、写実的だけれど、
決して「べた」じゃない。
あり得ることが、ありうるままに、書かれているのに、
小説として、面白い。
なぜにこんなことが可能か。
ひとつひとつの物語が、全くもって、きれいごとじゃないところがいい。
夫婦、親子、愛人、兄弟、近しい間柄の人間どうし。
皆それぞれに、でこぼこしていて、歪んでいて、真っ黒なものも抱えていて、
近しい関係のものどうしであっても、それらは、
直に触り撫で合えるものではなく、探り探られつつ、日常のどこかで、
ふいにざらっと指先に触れるものなのだ。
家族であっても、普段は触れずにいるそういう個人のざらつきに、
ふとした瞬間に触れたとき物語が面白くなる。
何十年と一緒に暮らしていても、全てを知っているわけではない。
愛していると思っていても、全てを愛しているわけではない。
そういう意外が、家族だからこそ物語になる。
そうしてはじめから、歪みも真っ黒も受け入れ許している感じがすごい。
これはきっと、作者向田氏の人間観なのだろう。
狡さ、裏切り、奢り、不潔、不貞、それらがイコール悪ではなく、
あって当然それがどうしたというところだ。
そういうスタンスが、この13枚のトランプを軽やかに捲らせている。
父も向田邦子が大好きで、正月のドラマは録画しながら一緒に観たものだ。
soregasi先生といい、意外に男性に人気のあるところがまた興味深い。
やはり、不貞に寛容だからか。
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