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海野十三(うんのじゅうざ) 『白銅貨の効用(はくどうかのこうよう)』
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青空で「白」で検索してみつけた随筆。
海野十三という人はこれまで知らずにいたのだが、
こういうめぐり合わせで知り合うこともある。
「白」の縁がなければ、生涯読むことのなかった文章かもしれない。
白銅貨とは、昔の十銭銅貨のこと。
これを、お金として使うのみでなく、他の使用方法が色々あるということを書いたもの。
白銅貨一枚の重さが約一匁であるとのことから、重量秤として使用できること、
庭先にぶら下げて射的の練習に使えること、
真ん中の穴を利用して爪ヤスリに使えること、
など。
現在手元に無いものであるから、
筆者がこれほどに力説しても、
十銭銅貨がいかに利用価値のあるものかということは、さっぱり実感できない。
一匁がいかほどの重さなのかもわからないから、何の基準にもなりえないし、
そして、その形状も知らないのだから、
爪のヤスリに使えると言われても、なるほど、とも思えない。
要するに、何の感想も持てない話である。
面白いとも、面白くないとも、わからないし、
そもそもこれを書いた筆者は「ウケ」を狙って書いたものなのか、
あるいは大真面目でこの十銭銅貨の利用価値の高さを世に知らしめようと考えたものなのか、
それすら定かではない。
海野十三は、SFを書いた人らしい。
『生きている腸(はらわた)』という短編をひとつ読んでみたが、
これもなんとも、どう理解して良いのか良くわからないものであった。
面白いといえば多少、面白いけれど、
変な話。
ちょっとだけ、気持ち悪い話。
好きでも、嫌いでもない。
美容室で、週刊誌のかわりにこの小説が置いてあったら、
とても面白いと思って読むかもしれない。
そんな感じの短編であった。
海野十三 『白銅貨の効用』 http://www.aozora.gr.jp/cards/000160/files/43629_17440.html
海野十三 『生きている腸』 http://www.aozora.gr.jp/cards/000160/files/871.html
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