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今日は感謝祭。
店はどこも休み、街は閑散としている。
夫のボスの別荘にお招きいただいて、
午後から電車で一時間の郊外まで手土産の源吉兆庵の和菓子を持って
ターキーをご馳走になりに行く。
数週間ブログをお休みしていたけれど、
考えてみたらこの数週間、
世の中は何かとあったけれど、
個人的にはなんらニュースがないことに改めて愕然とする。
パソコンが使えない生活となると何をするかというと
それはやはり家事を徹底的にやり、
苦手な英会話の勉強に勤しみ、
たまっている読みたい本を片っ端から攻略し、
観たかった映画をたくさん観まくって、
行っていなかったニューヨークのあちこちを観光でもして、
紅葉のセントラルパークで写真をたくさん撮って、
……
となるのが理想ではあるが
これまで私以上の怠け者にはお会いしたことのないくらいの
天下にとどろく怠け者(なんという貧弱な表現力!)であるからして
何もすることがない時に徹底的にやることといえば…
…そう、睡眠!!!
とにかく、このまま死んじゃうんじゃないかと思うほど、
床ずれができて関節が動かなくなって肺炎になって
便秘になって腸閉塞になって食事ができなくなって
人生がフェイドアウトしていくのではないかと思うほど、
命がけの集中力をもって睡眠をむさぼっていたのだ。
われながら、この集中力は人に自慢できるのではないかと、思う。
…、わけがない。
学生時代の長期休暇中など、
多少なりとも経験のおありの方なら想像することができると思うが、
必要以上の睡眠は健康に悪い。
頭痛がするし、腰痛になるし、
何より精神衛生上、非常に良くない。
家族や古い友達や元職場の上司や
小泉元総理やパリス・ヒルトンやオバマ新大統領や先日亡くなった筑紫哲也や
現役時代の貴乃花や石原慎太郎や細木数子やゴルゴ13や『逃亡者』のドクター・キンバルや
世界中の人々が何もせず寝てばかりいる自分を攻め立てる夢を立て続けにみて、
追い詰められて息も絶え絶えにそれでも逃げ続け、
必死の思いでそれでもなお寝続けるのだ。
…とまあ、とにかく、いまさらあえて言うほどのことでもないが、
わたしは、まれにみる、天下にとどろく、怠け者なのである。
とはいっても、さすがに数冊の本は読んだ。
筒井康隆は、実は大好きな作家だ。
近所に越してきた夫の同僚の小学生の娘さん(日本人)が、
『時をかける少女』を読んでいたのをみて、
懐かしくなったのがきっかけで、
また読みたくなった超クールな短編集『笑うな』。
英語かぶれになるほど話してもいないくせに、
この作品を表現するのに思い浮かぶ言葉は
まず最初に「クール」だ。
「ナイス」とか「グッド」とか「ワンダフル」とかじゃなく、
「クール」。
それから、意味は良くわからないけれど時々使いたくなる
「エッジが利いている」という言葉。
やはり、表題作の『笑うな』は特にすばらしい。
ブログをはじめてから、拙い短いストーリーなどを恥ずかしげもなく書くようになって、
そうして久しぶりにこの短編集を読んでいたら、
これは短いストーリーを書くときの一番手っ取り早いテキストになりうるのではないかと思った。
真似ができれば大作家だから、当然そう簡単には真似できないけれど。
「馬鹿だなあ。ワハハハハハ。タイム・マシンを発明しやがった」
読ませる、楽しい、嬉しくなる。
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