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「小次郎俺たちは―――
抱き締めるかわりに
斬るんだな」
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村上龍は盲目的に好きというのと、違う。
盲目的に好きなのは、藤沢周平。
それと、井上雄彦、かな。
間違いなく、『バガボンド』は、らヴ、だ。
とか変な日本語ですらない表現をしてしまうくらい、好きだ。
やっと、20巻までたどりついた!
中学からの親友、ゴロ(ゴシロリの略)は、幼稚園教諭をしていた。
その日の保育が終了し、園児がそれぞれ家についたころ、
毎日、必ず、何人かの園児の親から幼稚園に電話があるのだそうだ。
10年以上前の話だから、「モンスターペアレント」とかいう言葉はなかった思う。
その電話のほとんどが、
「今日○○ちゃんに叩かれたって言ってるんですけど、本当ですか?
○○ちゃんにはちゃんと叱ってくれましたか?」
とかいう問い合わせだそうだ。
ゴロは昔から人当たりの良さでは右に出るものがいないくらい
要領よく円満なコミュニケーションをとる天才なので、
「ええ、そうなんですよ、○○ちゃんにも悪気は無かったみたいで、
叩いたことはちゃんと悪いことだってわかってくれました。
もうしないって約束しましたから今後は大丈夫だと思いますから。
わたしがついていて、本当に申し訳ありませんでした。」
と、あくまで誠実に、平に、謝るのだそうだ。
へえ、大変ねえ、何十人も居るのに、一人ひとりみてないといけないんだものね。
と言うと、
「知らねえよ、そんなの、全部見てるわけじゃないんだからわかるわけないじゃん。」
ははあ、そうですよね。
「だいたいね、叩かれたことの無い子が、なぜ叩いちゃいけないのかなんて、
わかりっこないんだよ。叩かれたら痛いんだって、だから叩いちゃいけないんだって、
そんなことは子供同士の喧嘩の中で学んでいくものなんだよ。
危ないから砂利道を走っちゃいけませんって言われて、そこ走ったことなければ、
砂利道は転びやすくて転んだら痛いんだってこと、わかりっこないのよ。
極端な話、じーちゃんとかばーちゃんとか、身近で誰かが死ぬとこみたこと無い子にとっては、
死ぬってことの意味なんてわかりっこないんだよね。
で、そのまま大きくなって、試しに誰かをナイフて切ってみて、
試しに誰かを殺してみたりして、それがどうしてやっちゃいけないことなのか、わからないんだよ。」
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死戦を潜り抜け、命のやりとりを通して「恐怖」を知った小次郎は、
さらに強くなっていく――
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ゴロ、今は強く賢く優しい、2児の母である。
会いたいなあ‥‥
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