NY貧乏文庫

おいしいラーメンが食べたい

さいとう・たかを

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私は本を読むのが大好きですが、
うちの夫は読書嫌いです。

勉強は出来る人だから、
当然必要なものはちゃんと読むのだけれど、
娯楽の読書は一切しない。

おまけに映画もほとんど観ない。

全くもって、お気の毒です…

しかしごく限られた漫画は読む。

日本を発つ飛行機のなかで読むために、
私は宮部みゆきと藤沢周平を、
彼は『リアル』と『ゴルゴ13』を買った。

私は宮部みゆきと藤沢周平を読み終え、
『リアル』を読み、最後に『ゴルゴ13』を読んだ。

彼はまず『ゴルゴ13』を読み、『リアル』を読み、
そして
「読むものが無い。ヒマだ。」と言った。

人には、理由はあまりはっきりとはしないけれど、とにかく
気がすすまない ということがあるものだ。

彼が読書や映画鑑賞をしないのは、ただ
「読まれへん」「観ていられへん」のだそうだ。
実はこれに共感できる人もけっこういるのでしょうか…

不思議でならないけれど、私も近頃はもう「どうして」とは聞かなくなった。


さて、私はその際にはじめてゴルゴと出会った。
当然名前は知っていたし書店で見かけてはいたけれど、
機会がなく、実際読むのは初めてだった。

最初は世界をあらゆる危機から救うヒーローの話なのかと思ったが、
読めば読むほど全然違う。

少なくとも正義の味方ではない。
悪の化身でもない。
彼なりのルールはあるが倫理はない。

ただひたすらに、
サイボーグみたいにストイックなスナイパーだ。

ゴルゴがいったい何を思って過酷な戦いを続けているのかは
誰にも理解できそうもないけれど、
私達読者にとっては、
「こんなときもしゴルゴが居たら…」という想像は尽きない。
それを幾多のストーリーのなかで具現化してくれている。

多種多様な利害が絡み合う、世界のあらゆる場面で、
普遍的絶対的な善悪など
もとより答えがでるわけなどないのだから、
ゴルゴのような男に倫理があってはストーリーが成り立たないのだ

そういう意味では完全に大人のための漫画だと思う。

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