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私は本を読むのが大好きですが、
うちの夫は読書嫌いです。
勉強は出来る人だから、
当然必要なものはちゃんと読むのだけれど、
娯楽の読書は一切しない。
おまけに映画もほとんど観ない。
全くもって、お気の毒です…
しかしごく限られた漫画は読む。
日本を発つ飛行機のなかで読むために、
私は宮部みゆきと藤沢周平を、
彼は『リアル』と『ゴルゴ13』を買った。
私は宮部みゆきと藤沢周平を読み終え、
『リアル』を読み、最後に『ゴルゴ13』を読んだ。
彼はまず『ゴルゴ13』を読み、『リアル』を読み、
そして
「読むものが無い。ヒマだ。」と言った。
人には、理由はあまりはっきりとはしないけれど、とにかく
気がすすまない ということがあるものだ。
彼が読書や映画鑑賞をしないのは、ただ
「読まれへん」「観ていられへん」のだそうだ。
実はこれに共感できる人もけっこういるのでしょうか…
不思議でならないけれど、私も近頃はもう「どうして」とは聞かなくなった。
さて、私はその際にはじめてゴルゴと出会った。
当然名前は知っていたし書店で見かけてはいたけれど、
機会がなく、実際読むのは初めてだった。
最初は世界をあらゆる危機から救うヒーローの話なのかと思ったが、
読めば読むほど全然違う。
少なくとも正義の味方ではない。
悪の化身でもない。
彼なりのルールはあるが倫理はない。
ただひたすらに、
サイボーグみたいにストイックなスナイパーだ。
ゴルゴがいったい何を思って過酷な戦いを続けているのかは
誰にも理解できそうもないけれど、
私達読者にとっては、
「こんなときもしゴルゴが居たら…」という想像は尽きない。
それを幾多のストーリーのなかで具現化してくれている。
多種多様な利害が絡み合う、世界のあらゆる場面で、
普遍的絶対的な善悪など
もとより答えがでるわけなどないのだから、
ゴルゴのような男に倫理があってはストーリーが成り立たないのだ
そういう意味では完全に大人のための漫画だと思う。
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