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日本よい国、きよい国。 世界に一つの神の国。
降り積もる深雪(みゆき)に耐えて色変えぬ 松ぞ雄々しき人もかくあれ

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新日本紀行のテーマ

新日本紀行のテーマ




筆者は無性に昭和の時代を温ねたい時この曲を聴くようにしています。
高度成長時代、目覚しい発展と繁栄の享受と引換に、大切なものを失ってきた日本、いや忘れものをしてきてしまった日本と言うほうが適切だろうか?
新日本紀行をよく見ていた筆者は小学生でした。小学生だった自分はこの番組を見て何を感じ­ていたのだろうか?
この曲を聴くと当時の自分に戻り涙が出てくるのです。遠くになった昭和という時代が走馬灯のように駆け巡るのです。
多くの家族に囲まれて育った子供の頃、若かった父母、食­卓の風景、今は亡くなった祖父母、恩師、竹馬の友、辞世された方々が思いだされてくるのです。
今ほど豊かで便利じゃなかったけど希望があり、楽しかったように思います。­
この曲は作者、富田勲氏が国歌、「君が代」をベースにして作曲されたと聞いています。
失ったものは取戻せませんが、忘れ物は探せば見つかります。
今一度、日本を探してみませんか?
道に迷った時はもときた道を辿れといいます。
先人、先祖が遺した足跡がすぐ見つかるはずです。




新日本紀行のテーマ




田中久重 / 江戸の天才技術者からくり儀右衛門




わが国は現在、技術大国と言われています。
冒頭の動画にも紹介されていますが、そのルーツは江戸時代に遡ります。
江戸時代において、竹田からくり芝居以降、活躍したからくり師の代表をあげれば、次の3人と言われています。

細川半蔵頼直(からくり半蔵)
田中久重(からくり儀右衛門)
大野弁吉(中村弁吉、一東)

徳川幕府は、統治・権力集中を図り、軍事産業を抑制するため、鎖国と同時に、新規工夫・発明をご法度とし、産業の機械化を禁止しました。ただし、神事と祭事に関わることは例外として認めたのです。上の3人のからくり師に共通する特徴は、単にからくり人形の製作技能に優れていたというだけでなく、数学、天文学、医学など、科学技術全般にわたる総合科学者だった点にあり、彼等に代表される江戸からくり師たちが、鎖国中の日本において、長崎から入る西欧の科学技術を吸収し、根付かせ、日本独自の技術を発展させ、明治開国以降の工業近代化に貢献したのです。現在の技術立国日本の基礎を築いたのは、江戸からくり師であるといっても過言でありません。

今回は「東洋の発明王」と言われた田中久重(たなかひさしげ)翁をご紹介したい。



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田中久重夫妻


からくり 儀右衛門 ( ぎえもん ) は、本名を 田中久重 ( たなかひさしげ ) といい、江戸時代後期の 寛政 ( かんせい ) 十一年(一七九九年)、今の 久留米市通町 ( くるめしとおりまち ) でべっ甲 細工 ( ざいく ) をつくる家の長男として生まれました。
幼いころから仕事場に座り込んで、父 弥右衛門 ( やえもん ) の手元をじっと見つめ、「たいまい」と呼ばれる 海亀 ( うみがめ ) の甲らが、 櫛 ( くし ) やめがねの 縁 ( ふち ) に変わっていく様子を 面白 ( おもしろ ) そうに見ている子どもでした。
あるときは近所の 鍛冶屋 ( かじや ) へ出かけ、真っ赤な鉄の 塊 ( かたまり ) が 鎌 ( かま ) や 包丁 ( ほうちょう ) などに形が変わっていく様子を一心に見ています。またあるときは、道具屋でかんなで板をけずるやり方を見ています。そのうちに刃物のつくり方や 傘 ( かさ ) づくり、 漆塗 ( うるしぬ ) り、人形づくりなど、どうやってつくっていくのかをすっかり覚え込んでしまいました。
儀右衛門が九歳のとき、 寺子屋 ( てらこや ) (子どもたちに読み書きを教えるところ)ですずり箱にいたずらをされたことがありましたが、儀右衛門は引出しのつまみをちょっと回しておけば、決して開くことのできないような仕掛けをつくって、友だちや先生をびっくりさせました。
また、近所には、久留米かすりを発明した 井上伝 ( いのうえでん ) という人が住んでいました。儀右衛門は十五歳のとき、もっと新しい模様がつくれないかという伝の悩みを聞いて、それまでの十字模様やあられ模様とは違った花や鳥や人の形をした絵模様の美しいかすりを織ることができる機械をつくり出し、織り方や下絵の描き方まで教えたので、久留米かすりの評判がいっそう高くなりました。



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久留米かすり:(財)久留米地域
地場産業振興センター所蔵

 

二十歳になると、さまざまなからくり人形をつくっては人々を驚かせ、その人形を持って大阪、京都、江戸などを回りました。からくり人形はどこへ行っても 大評判 ( だいひょうばん ) で、「からくり儀右衛門」の名は日本中に知れわたりました。
ところが、父親の死後、儀右衛門の発明工夫を陰ながら見守り、励まし続けてくれた母親が亡くなりました。自分の好きな仕事に夢中になっていて、何の恩返しもできず両親を失ったことに、深い悲しみと後悔に暮れていた儀右衛門の耳に、先に亡くなった父親の声がよみがえってきました。
「立派な発明家になって国のため、人のためにつくす」という約束の言葉です。儀右衛門は、はっとしました。からくり人形を工夫する知恵は、もっと大切なことに使わなければならない…。
そこで、さらに勉強し自分の力が十分に発揮できる場を求めて、妻や子どもを連れ大阪に住まいを移しました。儀右衛門、三十六歳の出発です。
当時大阪では、幕府に不満を持った武士たちの反乱が相次いでいました。 大塩平八郎 ( おおしおへいはちろう ) の乱による大火事で町は焼かれ、儀右衛門も家や家財道具、発明道具をすべて失いました。焼け出されて知人宅に世話になっていた儀右衛門は、ちょろちょろとしか水の出ない「 竜吐水 ( りゅうどすい ) 」というポンプを何とか工夫して、水を高く出せないか一生懸命に考えました。そして四人がかりの手押しポンプ「 雲竜水 ( うんりゅうすい ) 」をつくり、見物人の目の前で一〇メートルもの水を勢いよく出して見せました。人々は大いに喜び、たくさんの注文がきました。



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「 雲竜水 ( うんりゅうすい ) 」鶴見消防署 蔵


儀右衛門はからくり人形をつくるときに、ぜんまい仕掛けやばね仕掛けの工夫をした経験から、壊れた時計の修理をよく頼まれました。外国製のとても複雑な機械の時計もたちまち直してしまうので、とうとう自分の力で外国製に負けない時計をつくろうと決心しました。
こうして完成したのが、日本最高の作品といわれる万年時計で、「 万年自鳴鐘 ( まんねんじめいしょう ) 」と呼ばれる六角形の時計です。
万年自鳴鐘は、一面は西洋の時間、二面は日本の時間、三面は曜日、四面は季節、五面は今夜の月の大きさ、六面は 子丑寅 ( ねうしとら ) などの 刻 ( とき ) をあらわし、一番上には赤い球と白い球がくるくると回るようになっており、太陽と月の動く様子が一目見て分かるようになっていました。


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「 万年自鳴鐘 ( まんねんじめいしょう ) 」株式会社 東芝所有・国立科学博物館へ寄託



五十二歳になってもなお熱心に西洋の天文学や 蘭学 ( らんがく ) を学んだことが、儀右衛門の発明をさらに進歩させていきました。儀右衛門の名声を聞いた 佐賀 ( さが ) 藩 ( はん ) (現在の佐賀県)では、彼を招き、初めて日本人の手によってつくられた蒸気機関をすえ付けた汽船を完成させました。
明治時代を迎えると、儀右衛門は七十五歳で東京に移り、現在の東芝のもととなる工場をつくりました。東芝の創業者の一人でもあるのです。
明治十四年(一八八一年)、八十二歳で亡くなるまで活動し続けました。



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田中久重翁夫妻 墓(青山霊園)


田中久重翁が遺した言葉があります。

「そう言うべからず。これも国のためであり、人助けにもなることたい」

注釈: 久重翁は機械について相談されると誰が相手でも気さくにアドバイスをしました。現場からは「これでは儲けにならない」という声があがりました。その時に発したのが上の言葉である。久重翁はボランティアで相談に乗ることをやめなかったという。

「知識は失敗より学ぶ。事を成就するには、志があり、忍耐があり、勇気があり、失敗があり、その後に、成就があるのである」


「国家に有用なる機械をせいぞうして奉公の誠を尽くし、世の公益を広めん」



現在多くの企業がわが国に存在します。
それぞれに創業の理念が必ずあるはずです。
しかし、創業の精神を忘れた時、必ず企業は衰退していきます。


「国家に有用なる機械をせいぞうして奉公の誠を尽くし、世の公益を広めん」


これこそ日本の精神であるはずです。





田中久重の万年時計【Full & HD】


時間があるときご覧ください。

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