|
天皇彌榮(すめらぎいやさか)
拙ブログへお越しくださり感謝もうしあげます。
東芝 の一万人に及ぶリストラ、ブラック企業など労使の対立など問題が世間を賑やかしています。わが国を覆う深刻な雇用問題が暗い影を落としていることは言うまでもありません。安易に人を雇用し、解雇する風潮はかってわが国企業が持っていた家族主義の否定にほかなりません。
石川県七尾湾に面して立つ加賀屋(石川県和倉温泉)は、旅行新聞新社の「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で35年連続1位を受賞してきた旅館です。
「人の加賀屋」を標榜し、社員の暮らしを守ることに経営の軸足を置く至誠は人の雇用、人格を軽視する今日の世相への警鐘とも言えるのではないでしょうか?。
女性社員が子どもを育てながら安心して働けるよう、8階建ての専用施設、カンガルーハウス内に保育園と母子寮を建設。
加賀屋は画像の母子寮をはじめ、独身の客室係、新人のもてなし係、調理師や施設課員、フロント課員の社員寮を六棟完備し、すべて合わせた部屋数は百六十室に及びます。全国の旅館、ホテルで社員に対しここまで手厚い支援をしている企業はそうあるものではありません。
母子寮の母子のために海水浴、クリスマスプレゼント、社員一人一人に社長直々の誕生日祝い、プライベートの悩みの相談など社員の父母たらんとする心配りはかって日本企業が培ってきた伝統を彷彿させる。
加賀屋が高級旅館としての地位を築きあげたのは、女性が働きやすい環境を整える努力を惜しまず、前述した子育てに配慮した「保育所付き母子寮」、肉体的負担をやわらげる「館内料理搬送機」を1970~80年代と早くから整備し、女性を戦力化してきた精華です。また、当代の真弓女将は先代女将の遺志を引継ぎ「ネオ家族主義」を唱え、全社員の母親役を務めて組織をまとめあげてきました。 本来の家族では、基盤はお互いの思いやりにあります。ネオ家族主義とは家族のように会社と従業員がお互いを思いやり、何が必要かを理解しケアしていくことを指し、会社は社員が生活で困っていたり不安に感じていたりすることを察知し、ケアし、ケアされた社員は会社が何に困っていて、どうすればその解決に貢献できるかと考え行動し、加賀屋で見られるように、それがお客さんへの社員の思いやりに結びつきます。つまり、女将さんが一人ひとりの従業員に対し「この人は何に困っているのか」を考えているのと同様に、従業員がお客さん一人ひとりに対し「何に困っているのか」を考えるという同型的な状況が生まれている。言い方を変えれば「思いやりの連鎖」が形成され、「もてなし」のこころ、「一期一会」のこころに繋がっていくのです。 能登半島地震の際、加賀屋は水道管の破裂による館内の浸水などの被害を受け、1カ月の休業を余儀なくされ、危機的状況でした。小田禎彦(さだひこ)会長は、真っ先に休業中の従業員に対する給与の保証を宣言し、そのうえで「お休みの間に自分を磨き上げることを何かしなさい」と呼びかけたという。その時以来、加賀屋では茶芸や陶芸など“一人一芸”が奨励され、それはサービスや料理の勉強会などが頻繁に開かれる契機に社員のメンタル面での向上にもありました。
「社員は家族」と断言する当代女将の小田真弓さんは言います。
「いいときも悪いときもみんなで分かち合う。お客が普段よりも少ないときだからこそ、自分を高めるために時間を費やして、笑顔で働いてほしい」
加賀屋を利用する客はリピーターが多い、能登の和倉ではなく、加賀屋という施設に来るのではなく、客室係や多くの課員に「また来たよ」といってふたたび訪れる。人と人のふれあい、絆がなせることです。
加賀屋に見る日本の伝統、家族主義こそ日本企業が失ってはならぬもの、棄ててはならぬものであると筆者は思うのです。
当代女将の小田真弓さん
|

>
- Yahoo!サービス
>
- Yahoo!ブログ
>
- 練習用






