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ビリー・ジョエル企画展第8弾開催決定(2014.9.20-28)

Billy Joel

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ビリー・ジョエル企画展

久しぶりの記事は『ビリー・ジョエル企画展』にします。
昨年12月中旬、入院中の私にビリー・ジョエル研究の大家・ソリアーノ・タナカさんから「第4回ビリー・ジョエル展」の開催を伝える告知が来ました。彼は『ビリー・ジョエル・ストーリー(ビル・スミス著)』の翻訳者でビリーに最も近い人といえます。
今回の企画は「Billy’s Lost Album」です。「ファースト・ソロ・アルバム『コールド・スプリング・ハーバー』の次に企画されていながらも幻に終わった“ソロ第2作”への検証」とのこと。前回『アッティラ(フン族の大王アッティラ)』に続くマニアック路線です。
私は一時退院した12月30日に旧知のビリー・マニアと共に東京都江東区東陽町にあるダウンタウン・レコードを訪れました。当日は最終日で間に合って良かったです。
ソリアーノさんは今回の主題である音源『ピアノマン(レガシー・エディション)』をかけてくれました。


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CD2枚組のディスク2はビリーがフィラデルフィアのスタジオでFMラジオ(WMMR)の生ライブ番組の模様を収録したものです(1972年4月15日)。
前年1971年11月に出した1stソロ・アルバム「コールド・スプリング・ハーバー」の発売に伴うプロモーション・ツアーの一環のラジオ出演です。
ソリアーノさんによると、ビリーは曲中のMCで「ラジオの生放送」「観客を前にしたコンサート」「レコーディング」と“3つ”が進行していることに触れているとのことでした。
また発売したばかりの『コールド・スプリング・ハーバー』の収録曲を再レコーディングしているので「もうビリー・ジョエルのベスト・アルバムを作っているのかよ!」という自虐的なギャグも飛ばす。さすがビリーです(笑)。
私は『コールド・スプリング・ハーバー』のツアーに長年興味がありました。残念ながらこの日まで音源を耳にしたことはありません。ビリーは後に「このツアーそのものが詐欺だった。」と証言していたので内容は悲惨ではないか?と思っていました。しかし、それに反する質の高さでした。レコード会社が用意した即席バンドにも関わらず長年連れ添っているような一体感があります。悪名高きプロデューサー、アーティ・リップととんでもない契約を結ばされた時期のはずですがそれを感じさせません。
時系列に考えると契約の不備が発覚するのはツアー後で、失意のどん底から這い上がり「契約締結」にこぎ着けたポジティブな状態にあったと推測できます。
ちなみに失意とはハッスルズとアッティラの不発→解散、恋人との別離、2度の自殺未遂です。

演奏楽曲は『コールド・スプリング・ハーバー』から6曲、後に『ピアノマン』に収録される3曲、他は当時未発表曲です。大ブレイクのきっかけとなった重要曲「キャプテン・ジャック」も入っています。

どうして「2作目」として世に出なかったかは不明です。
そもそも、ビリーが心血注いで完成させた『コールド・スプリング・ハーバー』は“チップマンクス・サウンド”と揶揄された超粗悪品となって出回ってしまう。
(アーティ・リップがマスターをミックスしたテープ・マシンのスピードが遅いことに気付いた時には既に5万枚のレコードがプレスされて流通されてしまったという説が有力)
ビリーは『コールド・スプリング・ハーバー』の完成品を初めて聴いた時に激怒してレコードを壁に投げつけた話は有名です。
セカンド・アルバムをライブ盤にしようと画策した真意は、不本意なかたちで世に出てしまった『コールド・スプリング・ハーバー』の本来の楽曲の良さを認めさせるには「ライブ再録音」が適しているという判断でしょうか?
今でもビリーの魅力はライブにあると思うので、これを「セカンド・アルバム」にしようと画策した思惑は納得出来ます。後にこの音源がコロンビア・レコードの重役の耳に入り、ビリーの人生が劇的に変わった事実から歴史的価値のある音源だと思われます。

実際には『コールド・スプリング・ハーバー』発売後のツアーはアーティ・リップが「資金繰りに悪化してライブをすることで投資した資金を回収するしかなかった」との理由で組まれたそうです。また元マネジャーのアーウィン・メーザーの「ビリーの才能を幅広く知ってもらいたい」という思惑もありました。
『アッティラ』から『コールド・スプリング・ハーバー』に至る時代は商業的に惨敗で「ビリー暗黒時代」「封印したい黒歴史」と形容されています。しかし自分はこの時代の作品に大きな魅力を感じます。ライブの締め括りが名曲「トゥモロー・イズ・トゥデイ」という事実も印象的ではないでしょうか。

他にもビリーのライブ・パフォーマンスの凄さを音楽関係者に知らしめた伝説のコンサート(マリ・ソル・ロック・フェスティバル)のアルバムなど貴重な資料が色々と展示されていました。機会があったらまた触れたいと思います。

今年はビリーの旧譜が「レガシー・エディション」として再発される予定です。ビリーが自伝を執筆する可能性もあるとのこと。ポール・マッカートニーさんが飛び入りした「シェイ・スタジアム・さよならコンサート」の映像化も決定。今年はビリー・ファンには楽しみな年になりそうです。

前々回の「ストレンジャー展」の時に、ソリアーノさんはビリーから来場の確約を得たにも関わらず実現しませんでした。次回はビリー来日と同時期に企画展を開催して、ビリー本人に来場して欲しいです。

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