白州町の文化財

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 世の中には指定基準は低くても
素晴しいものある
 私は暇があれば山梨県を散策するが
これだけ整った石造物は他に見ない

町指定文化財 文化財と史跡 宝篋印塔 清泰寺宝篋印塔

清泰寺の宝篋印塔は、安山岩製で総高五、一五メートル、同寺の総門近くにあって堂々とした塔姿をみせている。構成は安福寺塔の上敷茄子にあたる部位の四隅に円柱を立て、頭貫を通し、それらに囲まれた東・南・西・北の四面に、光背付厚肉彫の尊像を安置する。
さらにその上層には、斗栱に支えられた勾欄付の縁をめぐらした塔身の籠部に、両開き石扉を釣りこんで、内部に蓮座付の月輸を設け、そのなかに朱彩された金剛界四仏の種子を配刻している。
基礎の側面や敷茄子には、全面的に多彩な彫刻を施し、蓮弁にもすぐれた彫りをみせ、また、反りの強い軒、二重垂木、飛鶴の兎毛通をもつ軒唐破風を設けるなど、細部にいたるまで至極入念に造られ、さらに相輸の請花や宝珠も豪放大胆に表現されているが、全体的によく調和の保たれた遺構である。この宝篋印塔で特に注目される点は、四方仏の配列や対置された尊容についてである。
密教においては金胎両界の別はあっても、大日如米の理・智の二徳を両部に分けただけで、所詮は同一のものである。四仏は安福寺塔や来福寺塔のごとく、いずれも東方から逐次南・西・北の順に配置するのが通例であるが、この塔に示された種子は金剛四仏ではあるが、一見原則を破って逆に配刻されている。種子と像容を併刻するのは、木造塔の内部に仏像を安置すると同意に解されるが、平安時代に始まった密教の場合は、金胎を問わず四仏に菩薩像は含まれない。全国的には時に四仏の一を地蔵あるいは観音に替えた例もあるが、この塔では南方に菩薩形(聖観音か)、さらには北方に僧形(弘法大師像)までも刻出Lているのはまことに異例というべきである。
昔は宗派の別が確守されず、また、顕密二様を行ずる僧侶も多かったが、清泰寺塔は江戸末期文政六年(一八二三)の落慶である。儀軌の乱れとみるべきか、造立願主の特別な意楽によるものか。まことに白由な表現である。
基礎の側面に造顕年次と、浄財を喜捨された信者多数の芳名が刻まれているが、現在大工名の判然としないのが惜しまれる。
ちなみに小渕沢町矢ノ堂宝篋印塔は、文化十年(一八二二)の竣工で、尊像安置の個所に丸彫に近い十六羅漢像がみられるが、技法の上から共通点が多く、清泰寺塔もあるいは同様、高遠領の石工「平右衛門周平」の手になるものと推定されなくもない。この周平は、来福寺地蔵尊の作者でもある。


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