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素堂51才元禄五年(1692)『芭蕉書簡』本屋嘉右衛門宛。
 
   二日にもぬかりはせぬそ花の雲
   はまくりにけふは費かつ若葉哉
 
  右之両句申進候。其外に二三句斗も有之侯へ共あまりおもしろからす候故御めにかけ申すまし□□ち
  かき内に素堂可参候閲御聞可被早々申入候。以上
    十九日               桃青本
      屋嘉右衛門様
元禄四年(1691)『俳諧六歌仙』鋤立編。
 
  きさらきの夜の頃、鋤立子草庵をたたきて入ぬ。寒音語をましへ、既に六歌仙のことに及ぶ。是を
  破題としてむつの巻のあらましあれは成り。そも花山の僧正は、貫之もはじめに沙汰せられつれば、
  今なご是に随はるべし。君きかずや、京極黄門ある人にこたへられしことを、其まことなくなきこ
  そ、他の及ばざる所なれと。又聞きかずや、ふるき法語の仲に釈迦たるまうそつけはこそ佛なれ誠
  をいはば凡夫なるへし。此心狂句の骨髄なりとそ、次に左五中将のこと葉は心をつくさずと、又い
  はずや、天物いはず、萬の物は心を心として、心あるものや、常に心あまれりや。心あるものや、
  其つよからぬも、身におもはぬも、猶弁あらんかし、其花に休む山人のさま其雲にあへる暁の月、
  他の時をまちて今はいはず、其いふところを素堂書ぬ。
素堂50才 元禄四年(1691)『嵐蘭書簡』
 
 芭蕉宛嵐嵐…
  ことし去来丈とおむろの花にまかりておもひよりけれども、御なをしのたねにも成可申かと先申上
  候。素堂はおもしろきと被申候。如何。
元禄三年(1690)『芭蕉書簡』曽良宛
 
 芭蕉…
 
  一、素堂へ御伝へ下さるべく候。大津尚白大望の間、菊の句芳意かけられるべくと、御頼み申すべ
    く候。
  二、幻住庵の記も書き申し候、文章古く成り侯ひてさんざん気の毒致し候、素堂なつしく候、かさ
    ねてひそかに清書御目に懸くべき候間、素堂へ内諾承るべく候。
  三、(略)素堂文章、この近き頃のは御座無く候也。なつかしく候、
 
 『曽良書簡』芭蕉宛
 
 曽良…
 
  嵐雪集出釆其袋と藻申し候。自序にて御座候。中々の出来申し候。素堂手伝と申し候。発句、歌仙
  不面自候。素堂去年名月十三句入申候。巻頭にて御座候。此間かかせ申候而、重而上申し候。
 
元禄三年(1690)
 
 『勧進帳』
 
  金馬のとし仲三四をかたらひてこころざしを申し侍る。
 
   人知るや当時のまえの年わすれ     素堂
 
 元禄三年(1690)『酒折宮奉納和漢』
 
  さきの年甲斐住原田氏吟夕子、予が閑庭に入て折ふしの興を詠しけるに、その冠の句暗に菅家の□
  □送る詞にありけりけれは漢の□□けらし。それより漢和相まじへて面八句となし、かの国の境に
  いつきまつる酒折の宮へをさむへきよし、なほこと葉をそへてをそへてしがなとすすめけれど、我
  何をかいはん抑此神所は新墾つくはねのうつりにて日本武尊つらね歌のことはしめにてありしより、
  むかしの人は連歌の席には尊のかげをかけまくもかしこくあがめ奉りていまの天満神のごとし、し
  かれば願主の思ひよられし所まことに故あるかな。
 
   詩の家にあらん花遅き庭のけさの雪   原田氏吟タ
 
   鶯寒声惜似              素堂(前年の吟)

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